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パイロットに向いている人とは?

こんにちは、あらいぐま機長です。今日はどんな人がパイロットに向いているのかについて話そうと思います。
僕も就職活動をしていた頃、どんな人がパイロットになれるんだろう?ってずっと疑問に思っていました。

きっとスーパーマンみたいになんでもできて、優秀な人がなるんだろうなと勝手にイメージしていましたが、実際にはそんなことはありませんでした。それについて詳しく話そうと思います。
あくまで僕の個人的な意見なので、参考程度に気楽な気持ちで読んでください。


パイロットの適性とは?

パイロットに向いている、向いていないって、いろんな角度から考えることができます。
ざっくりと言ってしまうと、能力的な適性、身体的な適性、そして性格的な適性が考えられます。

能力的な適性は単純な学力だったり、マルチタスク能力だったり、注意深さだったり、いわゆる航空適性というものと捉えることができます。

身体的な適性とは航空身体検査のことですね。
これは視力や聴力、脳波や心電図など体の隅々まで調べて、パイロットとして仕事をしても支障がないかを証明されます。

これらの二つについては別のnoteで詳しく説明したいと思います。

今日はこの3つ目、性格的な適性について考えます。
どんな性格の人がパイロットに向いているのか?

パイロットに向いている性格とは?

僕が思うに、パイロットに向いている性格とは結論から言うとこの二つ、『素直な人であること』と、『諦めない人』であること。
キリよく3つくらいあげられたらよかったんですが、やっぱりこの2つなのかなと。

意外ですかね?明るくてリーダーシップがあって、他の人を引っ張っていける人とか、そんなイメージがなかったでしょうか?
そりゃそういう人であれば申し分ないですけど、それが絶対必要ってわけじゃないなと思います。

理由を説明すると、パイロットの訓練はできないから始まります。
人はそもそも空を飛ぶのに適した能力を持っていません。

空飛ぶあらいぐま

3次元の感覚をもっていないからです。
自分の手が届く高さ程度の範囲ならば知覚することができますが、空を飛んでる飛行機を見てその高さとか、スピードがどれくらいかっていうのをわかる人間はいません。

ということは逆に、飛行機に乗っているパイロットからしても自分の高度や速度は感覚ではわかりません。
これが人間の生理的限界です。

だからパイロットは計器というものを使って自分の高度や速度を把握して飛行機を操縦するわけですが、今度は6つや8つの計器を同時に見なければなりません。
高度、速度、方位、滑り計、昇降計、姿勢指示器、風や経路など、たくさんのものをコントロールしなければなりません。

でも、人間は本来マルチタスクに弱く、シングルタスクに向いた生き物だと言われています。
要するに、空を飛ぶに向いてない頭をどうにか安全に飛行機を飛ばせるレベルにまで成長させないといけないってことです。
だからパイロットになるための訓練ではできないこと、わからないことがたくさん出てきます。

着陸なんかもどうしてもうまくできなくって、次できなければパイロットの適性なしと判断されて地上に配置転換されてしまうっていうギリギリの状況で訓練を行うことになるかもしれません。

ほんと、心折れそうになります。
折れちゃってだめになる人もたくさんいます。

だからまずは諦めない人。これがパイロットになるために必要な性格です。

もう一つの素直な人っていうのは、なまじ優秀な人に多いんですが、分からないことをわかったフリをする人っていますよね。僕もやることがあります…。
でもこれはフライトの現場では絶対にだめです。状況や程度にもよりますが、事故につながる恐れがあるし、そういう人は成長しないからです。

そもそもできないこと、知らないことがたくさんある中で、できなかったことや知らなかったこと、失敗してしまったことをしっかりと受け止めて、次に繋げていく。これができるほどの素直さをもった人。

これは言葉で言うのは簡単ですが、実践するのは難しいことです。
人間なら誰だってプライドがありますからね。(あらいぐまにもあります。)

まして優秀な大学を出ていたり、人に誇れる実績を残してきた人ほど、プライドが邪魔して自分の能力の足りなさ、知識の浅さを認めることが難しいんですよね。

でも空を飛ぶという行為に対して、大学名も過去の偉業も関係ありません。
逆に自分の失敗を認めたからといって過去の自分が損なわれるわけではありません。

これを真に理解して実践できる人は稀有であり、だからこそパイロットに向いていると思います。

今日はここまで、僕の個人的な意見です。
参考にしてください!


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