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パイロットと学歴

こんにちは!あらいぐま機長です。
今日はエアラインパイロットと学歴について解説します。

これからパイロットを目指す人は気になるんじゃないでしょうか。
実際にエアラインパイロットとして空を飛んでいる人はどんな学歴を持っているのか?

ここでは僕の周りのパイロットがどういう人たちが多いのかも説明しますが、実際にはパイロットになる道筋で変わる部分もあります。私立大学の操縦学科が出てきたためですね。

そのため前回のnoteパイロットになる方法で紹介したパイロットになる道筋別にも学歴がどの程度必要なのか考えてみたいと思います。


パイロットになる方法のおさらい

早く実際のパイロット達の出身大学を教えろよって気持ちもよくわかりますが、簡単におさらいしましょう。
パイロットになる方法については、主に以下

①自社養成パイロット
②航空大学
③私立大の操縦学科
④ライセンス留学
⑤自衛隊からの転職

の5つがあるんでしたね。今日は特殊なので自衛隊からの転職を除く4つで考えます。

パイロットになる方法別に学歴が関係しそうか?

これをじっと眺めてみてください。そもそも学歴が関係ありそうなものとなさそうなものが見えてくると思います。

見えてきましたね?(見えたかな?)
まずは自社養成パイロット

自社養成パイロットは基本的に大学生の就職活動として受験するんでしたね。
ということは、学歴は多少なりとも関係してきそうですね。

実際のところはというと、いろんな大学の人がこれに合格しています。
東京大学をはじめとする難関国立大学はもちろん、私立大学からもたくさん合格しています。
慶応早稲田上智、明治大や青学の人もいます。日大は?って思った人、大丈夫、います。むしろ聞いたことのあるような名前の大学の人はだいたいいます。

これには自社養成パイロットの試験の内容と、多様な人材を採用したいという航空会社の方針が関係していそうですが、自社養成パイロットの試験については今度別の記事で考察してみようと思います。

次に航空大学校
航空大学は4年制大学に2年以上在籍した人が受けられるんでしたね。
ではその出身大学は航空大学への入試に影響するのでしょうか?

これは航空大学校の入試の内容を考えてみれば想像しやすいですが、一次試験が筆記試験、二次試験が身体検査、三次試験がシミュレーターによる操縦適性と面接です。

ここで学歴が考慮される余地があるのは面接ですが、おそらく、このタイミングの面接で学歴なんて考慮していないと思います。最後ですからね。

また航空大学から僕の所属するアニマル航空に入社しているパイロットをみてみても、有名大学出身者が多いというイメージは特にありません。僕の感覚では、航空大に受かるのに学歴は関係ないと思います。

次は私立大学の操縦学科
ここは受験のタイミングが高校生ということなので、学歴は関係なしですね。
しかし操縦学科の中でどこの大学が大手航空会社に多く受かっている、という実績が多いところを受験校として選ぶのが賢明でしょう。
とりあえずここも学歴は関係なし。

最後にライセンス留学。
大学を卒業して一度働いたものの、パイロットになる夢を捨てきれずに再挑戦。
というシナリオを想定しますが、ここもライセンスを取得するまで学歴は全く関係ありません。

しかし、ライセンスを取得して日本でエアラインへの就職活動を行う際に学歴に色がついていると見栄えがいいようにも感じますが、実際のところはあんまり関係ないような気がします。

パイロットという職種は専門職の高い資格職なので、これから会社のお金で行う自社養成パイロットと違い、そこまで学歴は重視してはいないのではないかと思います。

あらいぐま機長の周りのパイロットは?

くまさん

では最後に、実際にアニマル航空で働いているあらいぐま機長の周りのパイロット、また他社のパイロットの友人をみてみてどうかというところを話していきましょう。

自社養成については、なんだかんだで有名大学の人が多いですね。かと言って、何も東大や慶応、早稲田の人ばかりではありません。
ここで挙げていればキリがないほどの数の国公立、私立大学の人が受かっています。

航空大、私立大学の人は上で考察した通り、高学歴の人が多いということはないですが、やはりなんだかんだで頭のいい人が多いですね。
当然、それなりの努力をしないとパイロットになれないので、ふるいにかけられているんだと思います。また私大卒の人は育ちが良い人が多い(と思われる)ので、しっかりと教育されています。僕は地方出身なのでこちらの有名中学や高校はあんまり知らないんですが、それでも聞いたことのあるような高校を出て、操縦科のある私大に入学されているケースが多いんじゃないかな。

大手航空会社ではライセンス留学の人を対象にした採用を行っていませんが、他の航空会社では採用を行なっています。こちらも僕の知る限り高学歴の人が特段に有利だとは思いません。

ということでまとめると、自社養成パイロットでは多少の有利があるかもしれないけど、実際は有名大以外からもたくさん合格してるし、そこまで気にしなくていいということになるでしょうか。
事実、フライトをしていて人の学歴なんて誰も気にしてません。

たまに「あの人東大卒らしいよ」って話は入ってきますが、雑談レベルの話ですね。
これは後に別の動画で話したいと思いますが、パイロットには出世競争という概念がないのでなおさら学歴もあまり意味をなさないってことになります。

今日はここまで、パイロットと学歴について、現役のパイロットからみたイメージを話してみました!次回もお楽しみに!


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