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パイロットはレーシックやICLができる?

こんにちは、あらいぐま機長です。
今日はレーシックや眼内コンタクトレンズ、ICLについて僕の知っていることを話そうと思います。

パイロットになりたいけれども視力が足りずに悩んでいる人は多いと思います。

僕は医療に関しては専門ではないので僕が調べたことや回りのパイロットを見てみてどんな感じ?という話しかできないのですが、あくまで参考として聞いてくれればと思います。

すみませんが内容への責任は負えませんのでご了承ください。むしろ一緒に考えていこうというスタンスで聞いてくれればと思います。

最初にリンクと画像引用のサイトを紹介します。
航空身体検査医のつぶやき
航空身体検査マニュアルQ&A
航空身体検査マニュアル


レーシックとICLの違い

目の矯正手術といえばレーシックが有名かと思います。レーシックと眼内コンタクトレンズの違いについて調べてみました。それによると

レーシック(LASIK)とは、眼の角膜の形状を変えることで視力を矯正する手術です。レーザーを使って角膜の一部を削り、近視、遠視、乱視を修正します。手術時間は短く、回復も比較的早いですが、角膜が薄い人や度数が高すぎる人には適していないことがあります。

一方、ICL(インプラント式コンタクトレンズ)は、眼の中に特殊なレンズを挿入する手術です。このレンズは眼の自然な水晶体の前に配置され、度数が高い近視や乱視、レーシック手術が適さない人に選ばれることが多いです。手術はレーシックより複雑で、回復にも多少時間がかかることがありますが、角膜を削らないため、角膜に問題がある人でも受けることができます。

それで現在はレーシックは航空身体検査では一定の条件のもとでは適合となっています。詳しくみていきましょう。

航空身体検査マニュアルにはレーシックについてどう書いてある?

まず、航空身体検査マニュアルにはQ&Aがあって、ここにこんなことが書いてあります。

航空身体検査マニュアルQ&A

2つ目、『屈折矯正手術は航空身体検査で適合となりますか?』という質問に対して、『マニュアルに記載された条件を満たせば、適合の判定を得ることができるようになりました。また、条件を完全に満たさない場合でも、国土交通大臣による判定を申請することが出来ます。』と回答されています。

かつて、レーシック手術を受けたパイロットは航空身体検査では問答無用で飛行に不適合とされていました。これは、レーシック手術後の長期的な影響や合併症のリスクが十分に把握されていなかったこと、また手術後の視力が安定するまでの期間や、夜間飛行時の視覚障害(ハローやグレアなど)の懸念があったためです。

しかし、レーシック手術の技術が進歩し、数多くの症例においてその安全性と効果が確認されると、各国の航空当局もこの手術についての方針を再検討し始めました。日本においても科学的根拠に基づいたデータが蓄積され、手術後の視力が安定していること、合併症のリスクが低いことが示されたことから、徐々にレーシック手術を受けたパイロットの航空身体検査への適合が認められるようになりました。

それでは具体的に航空身体検査マニュアルの方を確認してみましょう。

航空身体検査マニュアル 視機能

まず、マニュアルの視機能のところを見ると2の不適合状態のところに『屈折矯正手術の既往歴のあるもの』と書かれています。『ん?』って感じですが、読み進めてみるとこう書かれています。

航空身体検査マニュアル 視機能 評価上の注意  

評価上の注意のところには屈折矯正手術の既往歴のある者については9−1の外眼部及び眼球付属器を参照のことと書いていますね。そっちに飛んでみましょう。

航空身体検査マニュアル 外眼部

ここでも不適合状態に『屈折矯正手術の既往歴にあるもの』と書いていますが、その下、評価上の注意のところに『屈折矯正手術の既往歴があり、屈折矯正手術から6ヶ月以上が経過した時点において症状が安定していて、視機能が基準を満たしている場合は適合とする。』とされています。具体的な検査項目がその下に書かれていますね。

つまり、これらの検査を行なって異常がなければ航空身体検査においては適合とされるようですね。

また最初のQ&Aにあったように、これらに完全には適合しなかった場合においては次の決まりがあります。

航空身体検査マニュアル 外眼部 備考

この場合は国土交通大臣の判定を受けることができれば合格とされることがあるようですね。

まとめると、レーシックなどの屈折矯正手術についてはこれら『一定の条件のもとに』合格となる可能性があると言えそうです。

ICLについてはどうなってる?

では一方でICLについてはどうなのでしょうか?
レーシックと違ってICLについてはまだ情報が少ないんですよね。

それで僕も色々調べてみたんですけど、航空身体検査医のブログで有益な情報を発見しました。概要欄にリンクを貼っておくので、気になる人は読んでみてください。

こちらの先生が国土交通省に問い合わせたところによると、ICLについては審査会対象。つまり大臣判定が必要になるということでした。

まだ比較的新しい技術なので今後変わる可能性は大いにありますが、現状ではICLはパイロットになる上ではリスキーかなぁと思います。レーシックが長い時間をかけて認められてきたことを考えるとICLも認められていくとはありますが、どれくらい時間がかかるのかちょっとわかりませんね。

僕の周りのパイロットでレーシックをしたことがある人はいる?

それでレーシックが航空身体検査マニュアル上で条件付きでOKになったのは10年くらい前だったと思いますが、実際にパイロットでレーシックをした人は増えてきているんでしょうか?

残念ながら、僕の周りにはレーシックをしたことのあるパイロットはいません。もちろん僕が知らないだけでレーシックを行う人が出てきているとは思いますが、今のところはレアなケースだと言えそうです。

その理由としては今フライトをしているパイロットでもレーシックを行うとその後飛べなくなるリスクがあること。まだまだ一般的とは言えない手術なので、周りにやった人がいないこともあって自分がそのリスクを取るという決断にもなかなかならないのかなぁと想像します。

また航空身体検査マニュアルの基準は国の定める最低限の基準で、一度パイロットになった後であればこの基準に適合すれば飛ぶことができますが、自社養成など航空会社に入る時点での身体検査では国の基準よりも厳しい基準が採用されることが一般的です。

だからレーシックを行なってその後6ヶ月の経過も良好で、たとえ航空身体検査指定医の承認をもらっていたとしても行きたいエアラインで採用されるかは別問題となります。

ただ、ネット上を調べてみると〇〇大はレーシックをしていても合格できたとか、〇〇エアラインは採用されたとかという情報も出てきました。今後も増えてくるとは思います。

しかしそれはそれとして手術後に異常が出てきてしまうリスクもあるので、僕個人的には目の基準が緩い海外も視野に入れて、慎重に決めた方がいいのかなーと思います。

以上、今日はここまで。レーシックやICLについての説明でした!あくまでも参考程度にしてください。また間違いや他に情報があれば教えてくれれば嬉しいです。

読んでくれてありがとうございました!

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