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雛人形にまつわるetc

節分も終わったので、さあ、雛祭りの話しをしよう(←

と言いながらも、いきなり話は飛んで。

ワタシには4つ年上の兄がいる。
彼は両親の両親、彼から見て祖父母から見て待望の男の子。孫たちの中で唯一の男子。なおかつ離れた場所に住んでいるので、顔を合わせるのは多くて年に2回。

ということで、それはそれはもう、ワタシとは雲泥の差。王子様と乞食くらいの待遇差。物凄い好待遇を受けていた人間だ。

もちろん母からしても第一子、男児ということで可愛くて可愛くて仕方が無かったのだろう。兄にはいつも関心を持っていたように思う。それと比べてワタシが何をしてもあまり反応が無かったのは、まあ、そういうことだ。うん。

そして学校で使う道具は兄のお下がりで、1人だけ色の違う縦笛を使い、同じクラスの女子ほぼ全員が『うちのタマ知りませんか?』(流行ったよね!)の可愛いイラスト付きの裁縫箱を使う中、変な独楽コマの写真がでかでかとプリントされ、蓋の内側に油性マジックでがっつりと兄の名前が書かれた裁縫箱を使い、彫刻刀は何故か一本不足している状態のモノをあてがわれていたワタシ。

これは時代的なものもあるとは思うけど、他の兄姉持ちの子たちが全員そんな待遇を受けていたわけでは無かったので、まあ、そういうことなんだろう。うん。


とまあ、恨みつらみはこのあたりで置いといて。話を雛祭りへと戻そう。

そんな不遇なワタシだが、物心がつくずっと前、初節句の際に7段飾りの立派なお雛様を買ってもらった。なぜ雛飾りだけそんな豪勢なんだい?

転勤族かつマンション暮らしだった我が両親。
飾り付けをすると一部屋ほぼ潰れてしまうサイズのお雛様は、もちろん箱に詰めても押し入れの下段を半分占領するくらいの大容量。何を思ってそんな立派な物を買ってしまったのか。そう思ったワタシは昔、母にこう聞いたことがある。

「なんでこんなにおっきいお雛様買ったん?」と。
すると母はそれはもうニコニコと楽しそうにこう答えた。

「顔が凄く素敵だったから(はあと)」


え?ただそれだけの理由で大きさとかガン無視ですか……

確かにうちのお雛様たちは顔がとても綺麗だ。
しかし余談だが、顔が綺麗過ぎてワタシは小さい頃からずっと、40を超えた今でもこのお雛様たちが怖い。


そんな母が一目ぼれして購入したワタシのお雛様は案の定、ワタシが小学校3年生になる頃には「めんどうくさい」「邪魔」という理由から飾られることが無くなってしまった。そんなの買う時にわかっていたことだろうに。

そしてそんなお雛様たちは、結婚とともにワタシの家へと引っ越ししてくることとなる。もちろん理由は「デカくて邪魔だから」そして極めつけは

「アンタのお雛様やから」

なんたる無常。
そんなことならば、なおさら小さなお雛様でよかったのですよ。おかあさま……。


そんなお雛様たち、実は数年前からしまいっぱなしである。

今年こそは飾らんとなあ……。

毎年毎年そう思う。しかし、そう思う時期がいつも大体節分が終わった頃。そう、今の頃と、後は3月3日当日なのが困ったものなのだ。

3月3日のお昼くらいに思い出しても、そこから部屋を片付けてお雛様を出して飾り付けてそして翌日あたりにはスグに片付けて……という気力が沸かず「まあ、来年でいいか」と思い続けて早数年。

そして、ワタシは最近「もうこのまま出さない年が続くのなら、人形供養に出したいなあ」なんてことを考え始めた。

収納しておく場所もかなりとるし、お人形さんたちも箱の中でずっといるくらいなら解放されたいと思っているかもしれないし。

なんて言うのは建前で。
ぶっちゃけて言っちゃうとね。

怖い。


霊感なんてこれっぽっちも無いから、声を聞いたことも姿を見たことも一回も無いけれど、ワタシはとてつもなく怖がりである。

前述した通り、ワタシのお雛様はとても顔が綺麗。そしていまだに夜は直視することが出来ないくらい、ワタシはお雛様が怖い。そんなお雛様たちをずっと箱詰めにしたまま部屋の隅っこに放置し続けているこの状態。

おわかりだろうか。

これはかなり心の負担である(←

だから、そろそろ人形供養に出してお互いに解放されるのがいいんじゃなかろうかと真剣に考えはじめたワタシ。

でも人形供養に出して恨まれちゃったらどうしよう……
小心者のワタシはそんなことも考える。

でもこのまま部屋の隅に置きっぱなしにしておくのも恨まれちゃいそう……
お雛様を片付けてある部屋へ行く度にそんなことも考える。


そんな葛藤の中迎える2022年の桃の節句。

とりあえず、今年は絶対にお雛様を飾ることにしよう。



そして人形供養について、真剣に考えようと思う。


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