見出し画像

たった3文字から来る違和感を分析する【日記2022/12/2】

糸魚川-静岡構造線の成り立ちについての説明の際、「パキッ」という表現が最近よく出ている。話の流れはこうだ。

日本大陸ができる前、朝鮮と陸続きでした。それが段々大陸から離れ、一つの島になったのですが、離れる途中の過程でパキッと島が折れたのです。2つに分断された間には大きな溝ができました。これがフォッサマグナです。

私の中では腑に落ちた説明だったのだが、一緒に聞いていた人が、「パキッはなんか違うくね?」と言ってきた。その時、確かにと思った。そこで、なぜ腑に落ちたのか考えてみた。

そもそも”パキッ”と言葉を聞いたり見たりすることによって、どのようなシーンを思い浮かべるだろうか。私は割り箸のような棒状のものを一瞬で割る・折られるイメージが思い浮かぶ。色んなイメージがあるだろうが、恐らくみんな共通であるのは、そのパキッという音がなるような変化の瞬間は“一瞬”であるということだ。

人間の時間間隔でパキッとは一瞬のことであるとすると、上のような説明の仕方では、あたかも突然、島が真っ二つに割れたかのような錯覚に陥る。実際は時間をかけて、徐々に徐々に溝ができた。確かに地球の誕生からこれまでの時間を人間の一生に置き換えたら、フォッサマグナができたことなど一瞬なのかもしれない。

地質を専門としている人や、ちょっとかじったことのある人は、タイムスケールが想像できるので、パキッの表現でもまぁそういうことね。と理解できる。しかし、タイムスケールがつかめない人や子供はどうだろう。ちょっと頭が混乱し、そんなすぐ大陸って割れるの?と思うかもしれない。

この少しの違和感が、説明を聞いている途中で?を産む。すると、人はその後の説明が全く入ってこなくなる。たった3文字だけでも、物事に対する理解への影響は大きいようだ。別に説明は間違っているわけではない。ただ、パキッというこの効果音的なオノマトペの表現を使うことで、なんかしっくり来なくしてしまうのだ。

まあ、こんな一つの言葉でグチグチ書いているが、自分もぱっと〇〇〇について説明しろとか言われたらうまくできる気はしない。うまく比喩を使ったつもりでも、受け手側はその比喩表現に引っ張られたイメージを作ってしまい正しい理解への妨げになってしまったり、一般的にはわかりにくい専門用語を使ってやる気をそいでしまったり…。書くときには時間をかけて推敲し、書き直せる。しかし、話すとなると、やっぱりもっと頭の回転が速くないといけないな。

今日のひとこと

長旅の中で移動がなぜか一番疲れる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?