釣りは悔しさと嬉しさのバランスが完璧に取れているから趣味として最高って話

ああああああバラしたぁああああああ!!!!

のっけから絶叫してしまいましたが、つい先ほどまで出かけていた夜釣りでの話です。わたしはいくつか前のエントリにもある通り魚釣りが趣味で、特に淡水魚のルアーフィッシングが大好きなんですが、あまり上手ではないのですね。それで、今はナマズの夜釣りが好調なシーズンですので近所の川まで自転車を漕いで行ったんですが、今夜は3匹も掛けたのにその全てをバラして(※取り込むまでの間に魚の口から針が外れて)しまったんですよ。

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▲これは別の日にゲットしたナマズ。こう見えて70cm強ある大物です。

まぁ、バレるのは釣りをしていたらしょっちゅうあることなのですが、今回に限っては事情が事情でして……3回目にバラした魚は、おそらくわたしの自己新記録となるサイズのブラックバスだったんですよ。ナマズを狙っていて偶然掛かった魚なので、実力で"釣った"ではなく偶然"釣れた"魚ではあるのですが、それにしても惜しいです。掛かってから7〜8秒間ファイトしていたら糸の張りを保っていたにも関わらずいきなり軽くなるというバレ方をしましたから、恐らく針が唇の先端ギリギリに掛かっていて、それを強く引き過ぎたせいで唇が切れてしまったんだと思います。掛けた直後にリールのドラグ(※魚の引きに応じて糸を繰り出す機構)を少し緩めておくなど適切に対処していれば取り込めたんじゃないか……と思うとめっちゃ悔しくて。当たり前ですが一度バレた魚は2度と戻ってきませんし、後悔しても仕方ないのですけれど、自らの未熟さを痛感させられます。

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▲悔しいので過去に釣ったバスの写真を貼ります@足立区・花畑運河にて。

ここまで来てやっと本題に入りますが、釣りはこういう"めっちゃ悔しい"思いをするから、100%の成功は絶対にありえないからこそハマるって話をしたいんですよ。今日のバラシを「こういうコトがあるから釣りは楽しいよね」という話に繋げることで少しでもわたし自身の心を慰めようという狙いも多分にありますが、まぁそれはさておき。

いわゆる「エンターテインメント」にも色々ありますが、嬉しさ・楽しさ・喜びを得られる確率の高さという基準で大きく3つに分類できるかと思います。

①マンガ・小説・映画などの"コンテンツ"
②スポーツ・ボードゲーム・対戦ビデオゲームなど"他人との勝負"
③釣り・登山・自転車ツーリングなど"自分ないし自然との勝負"

まず、①はほぼ100%の確率で楽しめますよね。コンテンツは基本的に自分が好きなものを選ぶわけですから。大好きな映画のBlu-rayをレンタルしてきたのにプレイヤーが壊れていて再生できなかった!というような超例外を除けば、まず間違いなくそのコンテンツの面白さを享受できます。

ただ、②と③は楽しめるかどうか五分五分です。勝負ごとは負けたら必ずしもつまらないというワケではありませんが、勝ったほうがずっと楽しいですから。負けたほうがむしろ今後成長してゆく伸び代を感じられていいんだ、なんていうのは詭弁でしょう。

②と③の違いは"勝率を努力によってどこまで上げられるか"だと考えています。例えば市民マラソンなら、真剣に走り込んでいる人であれば出走前から自分がどのくらいの順位になるのかある程度わかるはずです。将棋や囲碁などのボードゲームも、そうそう大番狂わせは起きません。ただ、登山や釣りーー自然との勝負はどう転ぶか全くわからないのですよ。どんなに優れた登山家でも、予報にない天候の急変には撤退を余儀なくされますし、いくら釣りが上手かろうと、突然の増水や減水で釣り針の届く範囲から魚が姿を消したらどうしようもありません。

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▲唐突に富士山七合目から撮った雲海の写真をアップしてみます。ちなみにこのときは登頂できずリタイアしました。

③は努力で勝率を上げるのに限界がある代わりに「実力以上の大勝利」が起きることもあるんですよ。そして、それこそが醍醐味でもあるんです! 人と人との勝負だと(麻雀やバックギャモンなど運の要素が大きいゲームを除いて)おおむね実力に応じた勝ち負けとなりますが、自然相手の勝負はときとして実力以上の大勝があるんですね。釣りに関していえば、自らの実力を遥かに越えた大魚をアクシデントではなくあくまで本人にとっては"狙って"釣り上げてしまうーーそんなことが起こるんです。

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▲筆者のメモリアルフィッシュ。自作のバックテールジグで釣り上げたツクナレ・アスー74cm@ブラジル・アマゾナス州を流れるネグロ川にて。

努力の甲斐なく大敗することもあれば、自身の力量からは予想できないほどの大勝もあるーーそれが自然との勝負の面白いところです。たまに大当たりするパチンコやスロットと同じ、射幸心をあおるタイプのエンターテインメントではあると思いますが、なぜか批判されることは少ないですよね。お金が絡まないからでしょうか?

ともあれ、釣りは理不尽に悔しい思いをすることもあれば、予想もしなかった喜びを得られることもあるわけです。上記の①〜③全て、感情を揺さぶられることをエンターテインメントとして味わうのですから、プラスの感情〜マイナスの感情の振れ幅が大きい釣りは至高だというわけです。

今日は大魚をバラしたものの、次こそは実力で釣り上げてみせるぞ!とリベンジを誓うのも有意義ですね。もちろんいくら自分のなかで強く願ったところで、魚にその気持ちを伝えるのが不可能である以上どうしようもないんですが……それでも辞められないから、釣りってやっぱり最高ですよ!!

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