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「両手に花でお手上げです」まとめ

#R18 /ティーンズラブ/創作小説/フリー台本#

 ※以下、ネタバレを含んだあらましと感想です。NGな方はご注意ください※
 

 

 

 
 卒業を控えた短大生の桜里おうりが主人公です。オコサマからも卒業してオトナになろうとしているのですが、両親の不倫と兄の三股がトラウマで男性に全てを見せることができません。
 それでも恋人と一つになろうとして、やっぱりダメで逃げ出した桜里。大寒波の夜から助け出したのは、離婚して父方に引き取られて以来会っていなかった兄・杏里あんりでした。
 杏里との和解や、杏里の親友・伊吹との出会いで男性への不信感を克服する桜里の様子が具体的なベッドシーンと共に描かれています。
 
 
 
 あらましを簡潔に書くとハートフルなのですが、三股という誤解をされた杏里が『女装をすればいいんだ』という解決策に行きついていたのが絶妙なスパイスになっています。笑ってはいけないと思うのですが、なんだか絶妙にズレているんです。杏里本人としては三股と誤解された原因も純粋な優しさですし、それでも優しさを無くさなかったのは素晴らしいと思います。とても迷いながらもがきながら一生懸命なのになんだかおかしいのが母性本能をくすぐられるような、杏里に守られたいとも思うような不思議な気持ちになりました。
 
 そんな杏里に対する桜里もとてもいい子で、誤解に対して素直に謝り杏里の幸せを桜里なりに思いやっていたのが温かくも切ない気持ちになりました。あの時あともう少しだけ話していたらというのは誰でも体験してるであろうことだけに、多くの人が共感できる話ではないでしょうか。
 
 ベッドシーンも濡れ場というよりも素のままの会話ができる場所という風に描かれていて、ほんわかニマニマしながら読みました。
 
 最後に、たけるもまだ20歳なのだからガマンの限界だったのも仕方ないかなとも思います。大寒波の中に追い出したのは許されることではないけれど、言い出したのは桜里からだし今まで何回も待ってくれたのなら、きっと今回も体の状態をなんとか戻して迎えに行ったと思っています。
 


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