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【映画】K黒沢あすか

私の「出てくるとテンションが上がる俳優さん」です。なんだかたいてい激しい役が多いのですがそれをとてもかっこいい女に演じてしまうひとです。園子温監督作に多く出演していますがここではそれ以外の出演作を二つご紹介。


「六月の蛇」

この作品なくして語れない、主演作です。
監督の塚本晋也監督が出演しているのも見どころです。

電話相談のカウンセラーとして働くりん子は夫の愛情に密かに不安を抱いていました。自分と眠るのを避けられ風呂の排水溝を掃除するのが好きな潔癖症な夫。ある日りん子の元に一通の封書が届く。中には窓辺で自慰に耽るりん子の姿が写された写真が入っていました。ほどなくかかってきた電話の相手は以前りん子が助けた自殺願望を持つ男。男は写真のネガを持っているとりん子に無理な要望を突きつけてきます。

夫婦の心や行動がすれ違いゆくところに現れた脅迫者。突拍子もない描写が続く世界は死を待つ男の妄想の中なのかもしれない。りん子の思いがけない秘密を知ってしまった男の行動に夫婦は岐路に立たされます。

夫の貞淑な妻であろうとするりん子を黒沢あすかさんが演じます。夫のため電話の向こうの悩める相談者のために誠心誠意努めるりん子の押し込められた寂しさと不安は男の脅迫により表出してゆきます。

欲望と寂しさ、自制心の渦中で混乱するりん子。それでも夫への愛をかっこよく貫こうとする立ち姿がとても素敵です。間違いなく黒沢あすかさんの代表作です。




「嫌われ松子の一生」

「下妻物語」の中島哲也監督作。
山田宗樹さんの小説が原作です。

主役の川尻松子を中谷美紀さんが演じます。
若く美しい松子は人気のある教師でした。
しかしある時、引率で行った修学旅行先で自分の生徒が窃盗の疑いに掛けられ、松子は生徒の罪を被ってしまいます。
 職を追われ、家族に顔向けができなくなった松子は故郷を離れます。親の素直な愛情を受けられなかった松子は生きる道を探し、出会う男に翻弄されソープ嬢にまで身を落としてしまいます。必死に人生を全うしようとするもまた男に裏切られ続け、中年になった松子にとうとう悲劇が起こり人生を断たれてしまうのです。

 物語は松子の弟である父から松子の部屋の片付けを依頼された甥の川尻笙が松子の謎の死に疑問を持ち紐解いていく形で展開します。

とにかく松子は逞しく出会う男たちをどんな状況においても心から愛しながらいつでも全力で生きていきます。

その時々、全力なので幸せな時はノリノリだし

ソープ嬢となり紐男と別れ話になった際にうっかり殺してしまって入った刑務所でも全力で課された仕事や生活をこなします。

この刑務所で出会う沢村めぐみを黒沢あすかさんが演じているのですが、バイセクシャルの役で女だらけの獄中で売春したり出所後はAV女優になっていました。肝の座った松子とは親友関係となりその後も松子を気にかけますが永遠に松子を失ってしまいます。生前の松子を追い、事件を解明しようと思う甥の笙を見守ります。

出演者がとにかく豪華。
甥の笙に瑛太、松子が付き合う男たちも宮藤官九郎、劇団ひとり、武田真治に荒川良々、伊勢谷友介と曲者揃い。刑務所や風俗の世界でも土屋アンナや山田花子まで出てきて、ボニー・ピンクやA Iの歌が聴けます。
ミュージカル仕立てで松子の転落不幸話はファンキーにテンポ良く進んでゆきます。

 不幸も買って出てどんな場所でも自分を高めていこうとする松子はとてもかっこいいし、その松子の芯の強さを認め、どんな時も信じていこうとする沢村もとってもかっこよくて大好きな作品です。


黒沢あすかさんは園子温監督作品にもよく出演されています。今回は園子温作品以外の2作でした。

まだまだ魅力的な出演作がありそうで
まだまだ注目していきたいお方です。


お読みいただき、ありがとうございました。

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