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NTTファイナンスかたる詐欺電話~名古屋で体験

 いつから、この国では人をだます商売が横行するようになったのでしょうか?
 架空料金請求などの被害が続く中、ついにわが家にも恐喝まがいの電話がかかってきました。
 家人のスマホにショートメール(SMS)が届きました。「NTTファイナンスお客様相談室」からのメッセージで、ご利用料金の支払いの確認だといいます。03・6451・・・・・・と電話番号も書かれていました。
 先日、スマホの契約を見直した直後だったこともあり、念のためかけたそうですが、話し中でした。切った直後、別の番号から「あなたの名義のサイトの料金が1年間、支払われていません」と言ってきました。
 しばらく家人のやりとりを聞いていると、どうも「金を支払わないと裁判所から命令が・・・」と言われている様子。
 待てよ。これはスマホのことではないな。すぐ電話を代わると、相手は「名義人と話しをしている。名義人と代わってほしい」と慌てた様子。私は新聞記者のときにNTTグループも取材しているので、「こちらで知り合いの社員に電話してみますが」と話すと、「なんでおまえが出る。名義人に代われ」と急に言葉遣いが乱暴になってきました。
 いったん電話を切って、指定の03・6451・・・・・・に再び電話をすると、またも話し中。と、その直後、今度は別の名前の男が出て「NTTファイナンス」と言い始めたので、「本当のNTTですか?どんな字を書くの?」と聞くと、「英語に決まってるだろう」。応対マニュアルにない質問を続けたせいか、怒って電話を切ってしまいました。
 この一部始終を名古屋市消費生活センターに連絡して、被害が広がらないように情報提供しました。余談ですが、センターには図書室があり、衣食住を中心に消費者保護の本がそろっています。
 さて、ネットで調べてみると、地元紙の中日新聞デジタルの2022年2月18日配信記事で、「NTTファイナンス」をかたる詐欺被害の事例が紹介されていました。各地の紙面でも散見されます。
 岡山県警のホームページには「NTTファイナンスを名乗る架空料金請求詐欺に注意!」(2022年2月17日更新)がありました。徳島県警のHPでも「支払わなければ裁判になる」など、だましの手口を紹介していました。
 NTTファイナンスは、公式HPで「不審なSMSや訪問及び自動音声による電話にご注意ください」(2022年11月11日更新)と警告していました。このなかで「2018年8月には、実際に支払う事象が発生しております」とありますから、かなり前から横行していたわけです。
 高齢者の中にはHPなどのネットを見ない方たちもいます。NTTファイナンスが、いまだに社名を悪用されているとしたら、もう一段の対策と告知を考えないといけないのかもしれません。
 被害情報はもちろん大事ですが、逮捕されたあとの報道も大事です。詐欺集団の手口や犯罪者が生まれる社会環境をえぐってみたいものです。
 この国は、いつから悪くなってきたのか。背景を調べてみる意味はありそうです。
(2023年1月26日)
 ※写真と本文とは関係ありません。
 

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