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レモネードで小児がん治療を支援~思い出すポッカのこと

 66年生きてきて、知らないことが多いなと感じています。
 以前、取材でお世話になったロイヤルパークホテルズ(東京)から送られてきたリリースで、「レモネードスタンド活動」というものを初めて知りました。
 企業や学校、個人がレモネードを販売して、その収益金で小児がんの治療を応援しようという運動です。アメリカで始まり、日本でも広めようと、一般社団法人レモネードスタンド普及協会が2016年に設立されました。今年も各地で支援の輪が広がっています。
 ロイヤルパークホテルズは昨年、大阪にある「ザ ロイヤルパーク キャンパス 大阪北浜」で実施しました。今年は大阪北浜に加えて、「ザ ロイヤルパーク キャンパス 名古屋」や札幌大通公園、東京銀座、京都二条、神戸三宮の計6か所のホテルで開催しています。
 ホテルのラウンジやレストランでレモネード1杯200円で販売して、その収益金の一部を日本小児がん研究グループ(JCCG)へ寄付します。期間は8月1日から31日まで。
 各地で広がりを見せています。東海地域の開催予定を調べてみると、11月3日に岐阜県中津川市で予定されていました。県立坂下高校体育館で高校生によるオープンキャンパスの一環として開かれます。
 8月5日に岐阜市の夜空カフェ、12日には愛知県岡崎市のこどものイベントなど、学園祭や地域のフェスティバルなど多彩です。
 小児がんは小児期に発症するがんの総称です。普及協会のHPによると、国の統計によると年間約2500人がかかっているそうです。1歳から14歳の子どもの死亡原因の第1位にもなっていました。
 読売新聞でこの1年のデータベースで「レモネードスタンド活動」、あるいは「レモネード」を検索してみました。
 今年6月12日の茨城版。つくば市と市民団体共催で、小児がん支援のためのマルシェ開催の予告記事がありました。
 2021年12月の群馬版には、太田市の市立学校の生徒たちが、プロバスケットボール・Bリーグ1部の群馬クレインサンダーズの協力で、ホーム戦でスタンドを設けているとありました。これから各地の活動の広がりから、地域版で取り上げられる回数が増えてくることを期待しています。
 ちなみにレモネードは、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)が無償で普及協会に提供しています。前身のニッカレモンを名古屋で創業し、レモン果汁のポッカレモンを主力商品にして経営を軌道に乗せたポッカコーポレーションです。

ポッカのレモン果汁の商品が名古屋工場のラインで生産されていく(2019年8月30日撮影)

 創業者の谷田利景さんは、2018年2月20日に91歳で亡くなられました。生前の取材で国内初の冷温兼用のコーヒーの自動販売機を考案し、普及させたことなど独創的な経営者と感銘を受けていました。
 その一方で地域への貢献を大切にする経営者でもありました。そのDNAがレモネードスタンド活動への支援にもつながっているのでしょう。
(2022年8月3日)


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