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鈴鹿8耐に挑戦~信州活性プロジェクト・Team長野

 ツーリングで信州を元気にしようという取り組みが進行中です。「信州活性プロジェクト・Team長野」。8月には、三重県の鈴鹿サーキットで開幕する「鈴鹿8時間耐久ロードレース」(鈴鹿8耐)に参戦します。
■名古屋企業とスポンサー契約
 この取り組みを知ったのは、トーテックアメニティ(名古屋市西区)の6月26日の記者発表でした。トーテックグループとしてTeam長野を応援し、スポンサー契約を締結するという内容です。
 そのTeam長野のライダーのひとり、名古屋出身の東村伊佐三さんは長野県大町市に移住して、鈴鹿8耐に挑戦を続けています。
■ライダーのおもてなし
 Team長野の代表、吉井勝行さんによると、コロナ禍にもかかわらず、「密を避けられる」とツーリング人気は健在でした。
 特にビーナスラインなど山岳ロードの多い長野県は、多くのライダーに人気の地。吉井代表は「リターンライダーも増えています。信州にツーリングに来られるライダーのみなさんを地域で受け入れ、おもてなしができるようにしたい」と、信州活性プロジェクトの意義を強調します。
■夢のあるオートバイづくり
 また、オートバイは工業製品の中でも機能美に優れています。長野県はものづくりが盛んで、バイクに使われているネジなどの部品を作っている中小企業のことも県内外の人たちに知ってもらいたいといいます。工場で働く若者たちには、技術の粋を集めた工業製品づくりに夢を持ち続けてほしいと願います。
■モータースポーツの裾野
 さらにモータースポーツの人材育成も念頭にあります。吉井さんは「長野県内には大きなサーキット場はありませんが、Team長野が自治体の交通安全などのイベントにオートバイを持ち込み、子どもたちに親しんでもらうようにしています」。ライダーやチーム運営できる人材の裾野を広げているところです。
■プライベーター
 鈴鹿8対耐などオートレースに出場するチームは、ホンダ、スズキ、カワサキ、ヤマハなどメーカー出資の「ワークスチーム」が強豪です。さらにバイクの部品を製造する協力工場などのチーム「メーカー系」もあります。
 チーム長野は、大きなスポンサーがない市民チーム「プライベーター」です。トーテックグループや長野県内の企業、個人による少額の寄付を支えにしています。もちろん費用の大半はメンバーの手弁当と持ち出しです。
■完走と10位目標
 Team長野は5月末、鈴鹿8耐予選を通過しました。大会の目標は10位入賞で、来年のシード権を得ること。実は2022年は総合35位でした。レースで故障した中古マシンの修理などで規定周回数に1周不足して、記録上は「完走」とはなりませんでした。今年は完走も目標です。
■志は負けない

鈴鹿サーキットで信州の伝統産業もアピールするメンバー(2022年、Team長野提供)

 個人サポーターは3000円、企業スポンサーで数十万円という支援ですから、「ワークスチーム」と比べたら台所事情は楽ではありません。
 それでも吉井代表は「志、情熱は負けませんよ」と意気軒昂です。2022年には鈴鹿サーキットで南信州・喬木村の伝統の和傘「阿島傘」をサーキット上でアピールするなど、信州PRの情熱も。
 鈴鹿8耐決勝の8月6日。多くの声援を待っています。
(2023年7月10日)

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