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ラピュタへの道21 彼岸花の咲く季節編

そのしこりはサドルに座るとき当たる位置からは外れていて(大内転筋の付け根くらいのところ?)、だからライド中は痛くはなかったのかもしれない。
それ故知らず知らずの内にすくすくと育ってしまったのだろう。別に愛おしくも、情が移ったりもしないけど。
しかし触るとその存在感は凄くて、ここまで育つのは1日2日ではないだろうと愕然とする。もちろん画像など載せるつもりはないのでご安心を。
なにか悪性の腫瘍じゃ…と本当に不安になり、調べてみる。
結果、サイクリストにありがちな【おでき】であるようで、少しホッとする。
治すには清潔にして安静にして、軟膏などを塗ると良いらしい。
早速薬局にてネットでお勧めされている【ドルマイシン軟膏】を手に取ろうとするが、結構お高い…。
庶民なワイはオロナインを選択。
早速奥方に気づかれぬようトイレで流布する。
何十年振りだろうか、オロナインを塗ったのは。

昔と変わらぬガラス瓶

その香りの懐かしさよ。幼少期の愚行の結果、体に負った傷に幾度となく塗ったことが思い起こされた。
赤チンよりもオロナイン派だったんだな、我が家は。
万能薬オロナインに対する絶対の安心感は健在で、取説のレトロなイラストにも好感が持てた。
数日が過ぎ、金目鯛の目玉大のおできはアジの干物の目玉ほどになった。流石オロナイン。

すっかり安心したワイは普通にロングライドに出かけた。しかし、痛かった。おできじゃない部分が痛い。普通にサドルに触れる部分が痛くて、こりゃあロングライドは諦めようと、短時間高強度ライドに変更。
痛いということは、無駄にサドルに座ってしまっているということかな?
この股にかかっている重力を足に転化し推進力に変えることが出来れば、もっと早く走れて、股も痛くならないのかな、となるべくサドルにかける体重を減らそうと試みると、凄くエネルギーを必要としてしまい、とてもじゃないが効率的な走りではなくなってしまった。
空気椅子をしているみたいな感じで。
まだまだフォームが未熟なのだろう。

強めに踏んで走っていると、いつも気になっている建物が目に入った。そうだ、こういう日は、道すがら気になっていることを解明ライドにしようではないか。

一つの建物なの?

と気になっていた。
早速いつものコースを外れ、住宅街に入る。
全く知らない街を走るのもいい気分だ。
だって一生縁もないまま知らないまま死んでいたかも知れない町並みをこうして自分で切り開き記憶に刻んでいるのだ。
そう思うと特別な感じになってきますな。

目的地を目指して下調べもなく勘と感覚で進むと、意外と遠く感じたり、目的地側への曲がり道が無くて思いの他近づけなかったりするけど、わりと順調に近づいていく。

この日のこの時間は通勤通学の時間で、住宅街だし、そこここの家やマンションから車が出てきたり、子供たちが角を曲がって来たりしてくる。
縁もゆかりも全く無かった閑静な住宅街にも1日の始まりは巡っていて、そんな中をワイはロードバイクでノロノロと走り、ここいらの住民の方々の目にふれて多少なりの朝の風景の演出になっているのだなぁ。
とかしみじみとワクワクしながらお目当ての建物方面に進む。勘で。
結構な坂に差し掛かり、インナーに落としてゆっくりと立ち漕ぎ。
そして、

みっけた

結構あっさり、迷うことなく最短距離で辿り着いた。
想像通りひとつの建物で、お高そうなマンションであった。
細やかではあるがミッションクリアの達成感に浸れた。
通勤時間にあまりまじまじとよそのマンションを観察するのも気が引けたし、辿り着いた時点で満足したのでそのまま通り過ぎ元のサイクリングロードに戻ろうとすると、なかなかの坂を発見し、ついでに登るか、とプチヒルクライム。

峠道っぽい

登頂し、向こう側からも登り返し、ダウンヒルをしていると、

ヤギがいた

寄り道してみるものですな。
このヤギたちにも出会うことなく一生を終えるところでしたよ。
彼らはワイのことなど全く気にもとめず、遠くを見ながらもぐもぐと口を動かし続けていた。
この坂は結構交通量があり、恐らくヤギたちもここいらでは有名なんだろうなぁ。

気温もそこまで上がらなかったけど、コンビニで今年30本は食しているであろうでBLACKを。

SINCE1978であった。

股が痛いながらもそこそこの巡航速度を維持しながら走りつつ、
お、アレなんだっけ?そういえばこれなんだ?これは画になる!
といつもの多摩サイクリングロードを寄り道しながらの帰宅はなかなか新鮮だった。

送電塔
送電塔を真下から見上げた図
気になる木的な木
廃墟萌え的な

このブログを書くようになって写メも撮るようになった。
これもロードバイクが導いてくれたことなのかな。
独りで鉄塔の真下なんて行くことなどなかったし、彼岸花が好きな花になることもなかっただろうなぁ。

さてそろそろラピュタ坂に行こう。




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