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リバティーンズ、サマソニ出演キャンセルはもっと前に発表できた。ファンならわかる問題点とは?

2022年8月12日、「SUMMER SONIC」の公式ウェブサイトでリバティーンズ(THE LIBERTINES)の出演キャンセルが発表された。

今回のキャンセルの問題点を、イギリス本国にも足を運びリバティーンズのギグを何度も見てきた1ファンの視点で指摘したい。

ピート・ドハーティがビザを取れないのは想定できる事態

リバティーンズのメンバーのひとりであるピート・ドハーティ(Pete Doherty)は、数々の逮捕歴がある人間である。

ドラッグ所持、住居侵入、飲酒運転などで逮捕されたことがあり留置所に勾留されていたこともある。これにより、2000年代前半にはイギリスのタブロイド紙のヘッドラインを飾ることも多かった。

ちなみに、ピート・ドハーティが来日できたのは2003年4月17日が最後である。以降も音楽活動を続けてはいたが、ピートは「絶対に来日が叶わないアーティスト」のひとりとして音楽ファンの間では周知の事実だった。

リバティーンズは実質「出れんの!? サマソニ!?」枠だったわけだ。

ポール・マッカートニー(成田空港で大麻所持で拘束された経験があるがおそらく特例で以降も入国できている)のような特殊な例外を除いて日本は犯罪歴に対して厳しい入国管理を行っている。

このようにリバティーンズのフルメンバーでの来日は難易度が高いということは明らかであった。

2022年2月、サマソニへのリバティーンズ出演発表

そして2022年2月、サマソニにリバティーンズが出演すると発表された。このとき驚きとともにこう思った。「事前に法務省や入国管理局に確認して、ビザを取得し入国できる可能性が高いと裏を取ったんだろうな!」と。

しかしこの想像は間違いであったことがわかった。

2022年8月12日、開催直前のタイミングでの出演キャンセル

「メンバーのビザの取得が困難と判断されたため、来日をキャンセルせざるを得ない状況となりました。」と突如キャンセルが発表された。

背景の事情はわからないが、結果的に裏は全然とれていなかったということなのだろう。

8/20(土)東京MARINE STAGE、8/21(日)大阪OCEAN STAGEに出演を予定しておりましたTHE LIBERTINESは、メンバーのビザの取得が困難と判断されたため、来日をキャンセルせざるを得ない状況となりました。数ヶ月にわたり関係機関と交渉を続けてまいりましたが、このようなご報告となってしまい深くお詫び申し上げます。

キャンセルに伴う払い戻しは行いませんので、何卒ご了承下さい。
バンド側との交渉により、日本のファンに向けた特別ライブを収録し出演日当日に放映する予定です。

SUMMER SONIC 2022公式サイト

時系列をまとめると下記の通りだ。

  • 2000年代 ピート・ドハーティ 複数回の逮捕歴

  • 2022年2月 SUMMER SONIC 2022へのリバティーンズ出演発表

  • 2022年5月 チケットの一般販売開始

  • 2022年8月12日 開催約一週間前にリバティーンズ出演キャンセル発表

景品表示法には抵触しないの?

ビザの取得の可能性が低いと知りながら堂々と出演発表をするのは正しいのだろうか? ビザ取得の交渉が難航しているとわかっていながら、その状況をチケット購入者や購入希望者に共有しなのは誠実な対応なのだろうか?

法律には詳しくないが景品表示法には抵触しないのだろうか、法律に詳しい方がいれば教えてほしい。消費者庁のウェブサイトには景品表示法やおとり広告について下記の説明が記載されている。

(1)取引の申出に係る商品・サービスについて、取引を行うための準備がなされていない場合のその商品・サービスについての表示

消費者庁 おとり広告に関する表示

おとり広告については某回転寿司チェーンが広告に記載した商品が準備できなかったとして消費者庁から措置命令がでて最近注目されている。

リバティーンズという商品が準備できない可能性が高いのがわかっていたにも関わらず、堂々と宣伝していたのではと思ってしまう。もしかすると法律的には、出演契約が締結していればOKなのかもしれないが誠実な対応ではないと言わざるを得ないのではないだろうか?

これが許されるなら「おとり広告」打ち放題にならないだろうか?

リバティーンズに詳しくない方からするとわかりにくい構図だが、詳しい人間からするとこのように受け取る方も多いのではないだろうか?

株式会社クリエイティブマンプロダクションにはこれまでも海外アーティストを招致してくれているため、とても感謝しているだけに今回の事態は残念だ。

ギリギリまで頑張ったというのは理解できなくもないが、状況は逐次後先すべきではないだろうか? そこに若干の悪意を感じる。

主催者には納得のいく説明を求めたい。

思い出すのはTokyo Rocks 2013

余談だが、リバティーンズファンとしては、通称ステヤンとよばれている2013年のTokyo Rocks 2013のキャンセルが思い出さざるを得ない。リバティーンズのメンバーであるカール・バラーの来日が出演が発表されていたがフェス自体がなくなった。これは主催側の問題でビザに関する問題ではないが、当時予約していた交通機関や宿泊の予約がキャンセルできずに損害を被った。

今後このような事態が起こらないことを祈る。

おわりに:現地でみるリバティーンズは最高だよ

リバティーンズが再結成したLeeds Festival 2010にて撮影

ここまで読んでいただきありがとうございます!

彼らの音楽の良さは今回のことで失われることはないわけで。気兼ねなく海外渡航できるようになったら、ぜひ本国イギリスで熱いファンたちと一緒にシンガロングしながらリバティーンズを堪能しよう!

いつか、ギグの会場で肩を組んで歌えることを祈りつつ。

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追記:リバティーンズのダブルブッキング疑惑は冤罪?キャンセル発表は早められた可能性。

2022年8月19日(金)に開催されるフランスのフェス「CHECK IN PARTY 2022」の出演がアナウンスされており、ダブルブッキング疑惑もでていますが冤罪の可能性が高い。

なぜならリバティーンズの出演がアナウンスされたのは8月10日のことのようだ。つまり8月10日以前に来日が不可能なことが確定していたと推測できる。

そうなると、8月12日までリバティーンズの出演キャンセルを発表しなかったクリエイティブマンはどのような考えで発表を遅らせたのだろうか?

少しでも早く発表していれば交通機関や宿を予約しなくて済んだ方もいるのではないだろうか??? これが事実であれば不信感がさらに強まるだろう。

2週間前の8/6の時点でリバティーンズ公式のライブ予定からも消えているという事実も。

※あくまでも可能性として問題提起しております。法律の専門知識などの基づくものではないことをご理解いただけますと幸いでございます。



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