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音楽制作系のサブスクリプションを考える

最近流行りの音楽制作系サブスクリプションについての持論を展開します。
各社のサブスク情報自体を知りたい場合は各自でググってください。


前提

一般的にサブスクリプションに対して感じるメリデメは下記に分類されるかなと思います。

メリット

・定額
豊富な種類が使い放題
単品だとめちゃくちゃ高い製品も使える

デメリット

・手元に残らない
既に所持している製品があると損した気持ちになる

デメリットに関しては自分の中で折り合いがつけば解消されるので皆さん頑張ってください。
特に手元に残らない事なんてむしろ残してどうするんですかね、愛でるんですかね。ソフトを。
あとランニングコスト。
今回は買い切りとサブスクどちらがお得かのランニングコストは10年くらいの長期スパンを想定しています。
「契約期間が長ければ長いほど買い切りの方が有利なんじゃないの?」と思った方は普通に考えたらそうなんですが今回はそうじゃないメリットも記載しています。
あとスポットでの利用は想定していません。

契約メリットの高いもの

上記を踏まえて自分なりに契約してもいいんじゃないかなと思える条件を紹介します。

アップデートが多いもの

具体的にはiZotopeなどAIを駆使した最新テクノロジー満載な製品です。
この手の製品はアップデートが盛んで勿論最新バージョンの方が良い結果を得られます。
逆にUADとかアナログモデリング系が多いサブスクだとアップデートによる大きな改修が無い(多分)ので上記の恩恵は皆無かなと思います。
話がそれますがUADのサブスクはNativeの種類がまだ少ないので現状はちょっと微妙なのと意外に半額以上のセールが多いので自分は単品で購入してます。

話を戻してiZotope製品を例に普通に購入した場合を想定すると

Ozone9購入

Ozone10アプデの差額を払う

Ozone11(まだ出てないです)アプデの差額を払う

以後無限ループ

といった具合に半永久的に差額を支払う事になります。
かといってアップデートを渋るとせっかく購入した製品は時代とともに疑似的に劣化していく事になります。
今Ozone5使ってる人なんてほぼいないですよね。
NeutronやRXなどiZotope製品を他にも使用したいのであればRX最上位はなかなか手が出せない値段なので尚更お得。
ただiZotopeに関してはセール時の値下げがえげつないのでこの辺りはケースバイケースです。
軽く見積もった感じだとセール時に毎回アプデするのとサブスク年間払いは金額に大差無かったので手間とセール待ちの苦痛を考えるとサブスクに軍配が上がるかな。
なお自分は既にOzone9とNeutron3のAdvancedを所有しているので契約メリットは低いため未契約です。

単品が高価なもの

Eastwestなどの単価が高い製品はかなり有効です。
ちなみにEastwestも結構半額セールとかやってますが120,000円が60,000円になったところで「いやちょっとなぁ・・・」って気持ちには変わらないですね。
ただEastwestの年間契約は3,3000円くらいなんですが10年で330,000円、
これはEW製品5本分の購入とだいたい同じ価格になり10年で5本しか使えないのと使い放題なのだったら明らかにサブスクの方がお得なんじゃないかなと思います。(長期スパンで考える理由はここです)
あと例えばクワイア系音源を購入したとして10年の間に上位互換の超凄いクワイア音源が発売する可能性もあるのでそうなるとお古の使い道ってほぼないですよね、サブスクだとその懸念が解消されます。

契約メリットが低いもの

では逆に自分にとってあまりメリットを感じないプランを紹介していきます。
種類が少ないとか使いたい製品が少ないみたいなものは割愛。

サンプル音源系

Loopcloudなどですね。
一応毎月ポイントが振り込まれてそれで好きなサンプル買える様にはなってますが別に毎月欲しい物があるわけでもないし場合によってはまとまって欲しい時にポイントが足りていない事もあるのであまりお得感がない印象。
あとそんな頻繁にサンプルって買いますかね?
年間契約が半額になる的なセールで一時期使ってた事ありますが契約切れ直前で大量に余ったポイントの消費に苦労した思い出があります。
サンプル管理ソフトとしてはとても使いやすかったので残念ですがその部分に定額を払うかっていうのとやはり長期利用のリターンが少ないのでとちょっと悩ましいところです。

頻繁にセールが行われているもの

四半期に1度以上のペースでかつ値下げ幅が大きい物は購入してしまった方がランニングコストが低くなる場合もあります。
ただiZotopeやEWの件もあるので結局はケースバイケース。
この例で強いて言うならWaves製品。
年間契約が38000円くらいですが大体の人はDiamondかHorizonでおさまりこれらはセールで5万以下で入手できるので2年で赤字です。
Mercuryクラスが欲しいのであれば30万弱なのでアップデートを考えるとサブスクに軍配が上がるかもしれません。
あとWavesはサブスク一本化で大炎上した過去があるのでもしかすると「やっぱりサブスク一本にするわ!」ってならない可能性もないので購入、契約の際はそのリスクも念頭に入れておいた方がいいです。

最後に

契約するデメリットというよりはサブスク契約で長期利用を踏まえて試算した際のリスクについてです。
これまでの説明は現在の価格設定に対してのメリデメなので将来的に料金改正されてしまった場合計画が狂います。
ネトフリやSpotify、アマプラなんかがよく値上げしている事を鑑みると音楽制作系サブスクも他人事ではないかもしれません。
値上げ幅も時期も予測不能なのでこれらは念頭におく必要はあります。
為替変動の影響も懸念となりえますが、これは同時に買い切りの価格も変動するのでそんなに差は無いかなと思います。
為替はどちらかと言うと買い切りへの影響が強くて、
去年買っておけばよかったとかもう少し待てばよかったとかはあると思います。
正直この辺は結果論でしかなく長期目線での予測はほぼ不可能なので考えるだけ無駄です。
欲しい物は欲しい時が買い時。


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