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ファミリのパラメータ

今回の記事では、ファミリの属性情報となるパラメータについて深掘りします。ファミリとパラメータの構成やざっくりとした概要は、以下の記事で紹介していますので、ぜひご一読ください。


■ファミリパラメータとプロジェクトパラメータ

Revitではパラメータをどこに作成するかを指定することができます。
ファミリパラメータはその名の通り、ファミリ単位でパラメータを作成します。それに対して、プロジェクトパラメータはプロジェクトごとに作成しますが、付与されるのはカテゴリ単位です。


□ファミリパラメータのメリット・デメリット

 ◆メリット

  • ファミリ自体がパラメータを持っているため、どのプロジェクトにロードしても同じパラメータを使うことができる

  • 数式を使用して他のパラメータを用いた計算結果を値に表示することができる

  • ファミリをパラメトリックにすることができる(パラメータの値を変更するとモデルの形状に反映することができる)

 ◆デメリット

  • ファミリが大量にある場合、作成する手間が発生する


□プロジェクトパラメータのメリット・デメリット

 ◆メリット

  • 同一カテゴリのファミリに一括で付与できる

  • プロジェクトテンプレートに予め作成しておくことができ、一度作成すれば同じパラメータを使うことができる

  • [プロジェクト標準を転送]コマンドを使用して別のプロジェクトからコピーすることができる

 ◆デメリット

  • 数式を使用できないため、他のパラメータを使った計算などができない

そのほかにも各々の細かい特徴はありますが、大きくは上記のように分類ができます。これらのメリット・デメリットを考慮して、ファミリパラメータとプロジェクトパラメータのいずれかを選択することになります。

■タイプパラメータとインスタンスパラメータ

ファミリに付与するパラメータにはタイプパラメータとインスタンスパラメータという分類があります。
タイプパラメータは同一タイプすべてに適用されるパラメータであり、インスタンスパラメータは要素1つずつに適用されるパラメータです。
例えば、ある製品の型式で決まっている寸法などはタイプパラメータで作成します。それをプロジェクトに配置した際の現場合わせの調整寸法などはインスタンスパラメータで作るといいでしょう。

作ろうとしているパラメータがどのようなシーンで使われるかや、値を変更した際の影響範囲を考えながらタイプとインスタンスを判断します。


上図は「建築テンプレート」に含まれる「片開き」ファミリのインスタンスパラメータですが、本来「ドア枠」「ドア把手」「ドア」のマテリアルはタイプパラメータのほうがハンドリングが適切です。

■組み込みパラメータ

ファミリのカテゴリごとにRevitが予め定義しているパラメータを、組み込みパラメータと言います。例えば、ドアカテゴリのファミリには「構成タイプ」「機能」「全幅」「全高」「厚さ」「幅」「高さ」などのパラメータが最初から用意されています。

これらの組み込みパラメータはファミリをプロジェクトにロードしたあとに集計表機能を用いて集計したり、タグのラベルに指定することができます(下図参照)。

■共有パラメータ

上述のパラメータの集計や、タグのラベル指定を組み込みパラメータでなくても可能にするのが共有パラメータです。
共有パラメータは固有の識別ID(GUID)を持ち、一意のパラメータとして認識されます。これにより、さまざまなファミリやプロジェクトで「共有」することができます。
例えば、2つのファミリでそれぞれ「幅」というパラメータを作ったとします。しかし、それが同じものを意味しているのか、たまたま同じ名前のパラメータなのかはRevitは判断できません。同じかどうかわからなければ、同じ項目として集計することも、同じパラメータとしてラベル付けすることもできません。


基本的には共有パラメータを使用してファミリパラメータを作るのが無難です。ただし、共有パラメータの数が多すぎると使用すべきパラメータが分からなくなり、結局意味をなさないので整備をする必要があります。
共有パラメータの作り方や管理の方法などは別の記事でお伝えします。

■パラメータの管理ができる「Lightning BIM ファミリ管理」

一口にパラメータと言ってもRevitでは様々な種類や定義、作り方があるため混乱する方もいるかもしれません。しかし、実案件のプロジェクトにおいてRevitファミリを使用すると膨大なパラメータを作成し管理することは避けられません。
「Lightning BIM ファミリ管理」ではクラウドで共有パラメータとその値を管理することができ、プロジェクト上で即座に利用可能です。
クラウドベースのツールを使用することが一般的になってきており、Revitのファミリもクラウドで管理するフェーズに入っています。詳細は以下のリンクから確認できます。

▼Lightning BIM ファミリ管理の詳細はこちら

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