ファミリの深掘り
本記事ではRevitのファミリについて深堀りをしていきます。
ファミリはRevitプロジェクトを構成する上で非常に重要な要素であり、ファミリの仕組みを理解することでRevitの習熟度は格段に上がります。
■Revitの要素
Revitプロジェクトはほぼファミリで構成されています。
壁やドア、地盤面などのモデル要素のほか、文字やビューもファミリです。
※ビューとは平面図や断面図などの画面のことです。
Revitの要素は大きく3つに分けることができます。
モデル要素
基準面要素
ビュー固有の要素
□モデル要素
モデル要素は3Dオブジェクトとして配置することができるものを指します。建物の壁、床、天井、配管、鉄骨など、現実と同じように作成するものです。
□基準面要素
プロジェクトで位置を決定するための要素です。
高さの基準となるレベルや、平面位置を決めるための通り芯のほか、参照面やグリッドなどがあります。 例えば壁は基本的に2つのレベルを参照して下端と上端を決定しますし、柱は配置された通り芯位置の情報を持っています。
□ビュー固有の要素
配置されたビューのみに表示される要素です。
Revitでは文字注記、寸法、タグ、記号、詳細線分、詳細コンポーネント、塗潰し領域、凡例などが該当し、それらのほとんどが注釈タブ内にコマンドとして用意されています。
基本的には図面化を目的にモデルに説明や情報を与えるために使用されます。
■ファミリの種類
ファミリは主に以下の3つの種類に分類されます。
システムファミリ
コンポーネントファミリ
インプレイスファミリ
□システムファミリ
Revitアプリケーションにあらかじめ組み込まれているファミリです。タイプの複製などは可能ですが、ファミリの種類を変更することはできません。 例えば壁カテゴリのファミリは「カーテンウォール」「標準壁」「重ね壁」の3つのファミリに固定されており、削除したり追加することはできません。
また、壁・床・天井・屋根などはホストです。ホストとは他のファミリを付帯させることを指し、例えば壁はドアのホストとなります。
システムファミリか否かはタイププロパティのファミリ欄で確認ができます。
□コンポーネントファミリ
ロード可能なファミリとも呼ばれる、インポート/エクスポートが可能なファミリです。
Revitのプロジェクトファイルが「.rvt」という拡張子に対して、ファミリファイルは「.rfa」という拡張子で単独保存することができます。 これによりプロジェクトごとに必要なファミリをロードすることが可能です。
コンポーネントファミリはオリジナルのファミリとして作成することもできます。ファミリの作成は各種テンプレートを使用し、カテゴリを決めてから必要な形状とパラメータを付与していきます。
また、ファミリを公開・提供している建材メーカーや設備メーカーもあるのでそれを利用するのもよいでしょう。
□インプレイスファミリ
プロジェクト内でのみ使用するファミリです。
コンポーネントファミリのように自由に形状やパラメータを指定できる反面、エクスポートができないため使いまわしができません。
プロジェクト独自の形状であったり、ちょっとした追加要素として作成することができます。 作成方法はコンポーネントファミリと同じなので、一度ファミリの作り方さえ覚えてしまえば使用するハードルは低いと言えるでしょう。
■ファミリのタイプ/インスタンス
ファミリはタイプとインスタンスに分けられます。
これらはパラメータの制御方法や範囲に影響するため、しっかりと覚えておく必要があります。
タイプ:ファミリのバリエーションです。壁で例えれば、外壁や内壁、防火壁、界壁などの用途ごとに分けているものなどになります。
インスタンス:プロジェクトに配置された要素1つ1つを指します。ドアが2つ配置されれば、2つのドアのインスタンスがプロジェクトにあるということになります。
■「Lightning BIM ファミリ管理」でデータを管理する
今回はファミリの概要をお伝えしました。 構成や分類など、複数の項目があるため理解するのに苦労するかと思います。
これらのデータをきちんと管理しないとRevitプロジェクトを正しく進めることは難しいでしょう。
Arentの「Lightning BIM ファミリ管理」ではクラウドでファミリとそのパラメータを管理することができます。膨大な量にのぼるコンポーネントファミリもローカルコンピュータでファイル管理することなく、Revitプロジェクトとクラウドを直接同期することが可能です。
ファミリを正しく使いこなし、ぜひRevitのプロジェクトを成功させましょう。
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