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ナラク・ニンジャ=ハガネ・ニンジャ説

 正直与太話の域を出ないとは思うが、万が一当たっていたらキンボシ・オオキイということで一応書き残す。物理書籍版は歯抜けになっているし引っ張り出すのも面倒なので、とりあえずTwitter連載版を中心とした考察であることを明記しておく。

 シャード・オブ・マッポーカリプス(44):シの眷属によれば、最初の「ニンジャスレイヤー」は古代のニンジャ「ナラク・ニンジャ」のソウルと、イチローという名のモータルの肉体が融合した存在である。この「ナラク・ニンジャ」、すなわちジマタが掲げたニンジャの生首の正体はハガネ・ニンジャの成れの果てであるという考察が本記事の内容である。

 この説を取り上げるにあたってまず生じる問題点は、ハガネ・ニンジャのソウルがフジオに憑依していることである。実際シャード・オブ・マッポーカリプス(52):ウラシマ・タロ即ちウラシマ・ニンジャについての追補編ではハガネ・ニンジャが自らのソウルをペンダントに宿らせたことが語られており、ナラクと結びつく余地はないように思える。しかし、ハガネ・ニンジャがソウルをペンダントに移した際に、その残滓が肉体の側に残ったとしたらどうだろうか。これは決して似た事例のない話ではなく、例えばドラゴン・ニンジャは実験に失敗した結果、ソウルの半分のみがアセンションを果たしている。他にも、INWによってゼツメツ・ニンジャのソウルを摘出された後も活動を継続しているエルドリッチという例もある。故に、ハガネ・ニンジャにも同じような出来事が起こったと考えるのはあながち荒唐無稽な話でもないように思う。

 一旦この仮説を採用した上で別の視点から見ていく。まず時系列についてだが、シャード(44)によると初代ニンジャスレイヤーが出現したのは平安時代、ソガ・ニンジャの治世下。ハガネ・ニンジャのハトリ・ニンジャ殺しを暴いたのはソガ・ニンジャであり、ハガネ・ニンジャはすでに放逐されているのでこの点において矛盾は生じないはずである。また、ジマタはニンジャの生首を古戦場で拾ったとのことだが、ハガネ・ニンジャの死体の行方は語られていないので、これも致命的な矛盾とはならない(ただし、ハガネ・ニンジャが最期を迎えた地は国外である可能性が高いので辻褄を合わせるのが難しい点ではある)。ニンジャの生首の「おのれ……カツ……ワンソー……」という発言については、ハガネ・ニンジャがカツ・ワンソーと敵対していることは間違いないので問題にはならない。

 なお、ハガネ・ニンジャが討たれる際の描写は「ハガネ・ニンジャはついに事切れた!」となっているが、「爆発四散」という言葉が使われていない所には何らかの含みを感じなくもない。

 ナラクはブレーサー、黒鉄の指輪、フックロープといった武具の生成能力を有する。特にフックロープについてはナラクがアーチニンジャであることを加味してもかなり珍しいスキルであるように思うが、これもナラクがハガネ・ニンジャなら納得がいく。ハガネ・ニンジャクランは後にツルギ・ニンジャクランやイージス・ニンジャクランを輩出したように、武具にまつわるクランでもあるからだ。また、インタビュー・ウィズ・ニンジャ PLUS版(4)によると、フジキドが使う黒い炎のブレーサーとレガースはキルジマから受け継いだものらしいが、先代が用いていた武具を生成して継承するというのもどことなくハガネ・ニンジャクランっぽい要素のような気がする。ちなみに、第4部シーズン3前半のマスラダはスリケンは生成出来ないがフックロープは生成出来るという奇妙な状態にあるが、これはスリケン生成と武具生成は別のスキルツリーであるという可能性を示唆しているようにも思える。

 付け加えると、「(真の)ニンジャの血は鉄と硫黄で出来ている」というナラクの座右の銘も、ナラク=ハガネ・ニンジャという立場に立って見るとかなり意味深な響きがある。

 ヘッズからよく指摘される「ナラクがニンジャ六騎士に淡白過ぎる問題」も、ナラクがハガネ・ニンジャだとすれば理解出来なくもない。ハガネ・ニンジャにとってニンジャ六騎士はかつての盟友だからである。ナラクがソガ・ニンジャの憑依者と対した際に「相手に不足無し」と彼にしては殊勝な発言をしているのも同じ理由として括れるだろう(ソガ・ニンジャはヤマト・ニンジャをナラク討伐に差し向けた張本人であり、普通に考えればナラクが激昂してもおかしくない敵だと思うのだが……)。

 後はカツ・ワンソー、ハトリ・ニンジャ、ニンジャ六騎士のうち旧ニンジャ名鑑に記載されていないのはハガネ・ニンジャのみというのも怪しいが、ひとまずこんな所だろうか。とはいえハトリ・ニンジャの名鑑に「真実は伝説を超える」とあるように、現時点では真相は藪の中である。いつかナラクの正体が作中で明かされる日に備えよう。

 書いている最中に思いついたが、ハガネ・ニンジャはタケヤリに貫かれて殺され、初代ニンジャスレイヤーもヤリ・オブ・ザ・ハントによって討たれているので、ナラク=ハガネ・ニンジャだとシュギ・ジキめいたリフレイン展開が起こっていたことになるのが面白いと思った。

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