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設計(者)プロポーザルをリ・デザインする<番外編06>国立環境研究所の競争不参加に関するアンケート

プロポーザルへの参加をさまざまな理由で見送ることがありますが、感心する事例がありました。

・国立環境研究所 - 令和5年度国立研究開発法人国立環境研究所新研究本館新築基本設計業務[企画競争方式]
https://www.nies.go.jp/osirase/chotatsu/kokoku/20230703I1.html

では、競争不参加に関するアンケートを行っており、「不参加とされた理由」「本調達についてどのような点を改善すべきと考えますか」という設問をしています。記録のためにもそのまま引用しておきましょう。

① 不参加とされた理由
② 本調達についてどのような点を改善すべきと考えますか。
 <改善すべき点の例>
・競争参加資格の拡大
・企業に求める業務実績・資格要件の緩和
・技術者に求める業務実績・資格要件の緩和
・過去の成果報告書、データ等の提供
・入札公告(公示)時期の早期化
・提案書等の作成期間の十分な確保
・業務着手準備期間の十分な確保
・発注ロット、事業の分割
・その他

令和5年度国立研究開発法人国立環境研究所新研究本館新築基本設計業務[企画競争方式]

ここからさらに競争不参加に関するアンケート(ご協力依頼)へリンクがあるのですが、そこでの選択肢は以下のとおりです。

①入札等説明書を確認したところ、業務内容・業務量・評価基準等がわかりにくく、参加を見送った。
②-1 不慣れな業務内容であると判断した。
②-2 業務を履行する上で専門知識が必要であると判断した。
③利益率が低い、又は赤字になるおそれがあると判断した。
④-1 適当な技術者を保持していない。
④-2 適当な物件を保有していない。
⑤一業務当たりの規模が大きすぎ、必要な人員体制を確保しするのは困難と判断した
⑥一業務当たりの規模が小さすぎ、コストを抑える効率的な業務執行が困難と判断した。
⑦企画書又は提案書を期限までに作成するのが困難と判断した。
⑧落札決定から、業務の開始までの期間があまりなく、必要な人員体制の確保等が困難と判断した。
⑨業務内容に対して工期が短く、示された履行期限では履行できないと判断した。
⑩仮に発注できたとしても、次年度に類似業務が受注できるとは限らないことから、人材の計画的な育成・配置に適さないと判断した。
⑪参加しても受注の見込みがない又は受注できなかった場合の労力・コストがかかりすぎると判断した。
⑫法人に求められる資格要件又は評価基準(過去の同種・類似業務の実績(以下「業務実績」という)を含む)が厳しかった。
⑬管理技術者に求められる資格要件又は評価基準(業務実績を含む)が厳しかった。
⑭評価基準に、評価者の主観が強く発揮されがちなものが目立ち、公正な評価が行われるかどうか疑わしかった。

競争不参加に関するアンケート(ご協力依頼)

特に最後の「⑭評価基準に、評価者の主観が強く発揮されがちなものが目立ち、公正な評価が行われるかどうか疑わしかった」は本当に重要ですね。国立環境研究所では「ご回答いただいた事業者の個別名称等を公表することはなく、集計結果について今後の入札要件、仕様書等作成の際の参考とさせていただくもの」としていますが、どのような処理を実際にしているのか、詳しく知りたいところです。

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