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Poem

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Arimの詩…風のなかを通り過ぎる時、今日はどんな風景が広がるだろう…。それは、林の中を吹く風とは限らない。街の中を吹く風、貴方との境界を渡る風。…詩と歩く。
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2017年9月の記事一覧

夜の音を聴いている

夜の音を聴いている

夜の音を聴いている、
花は聴いている

夜はどこから来ますか
しずかさが聴こえますか

しずかさには音があります
耳の奥がトンネルの向こうから
漏れだす光の声を
聞き取ろうとしているような、
佳き訪れを信じて
待つ響きです

心にしずかさを持つ人だけが
響き合える音です
静寂という音です
星と花と
木々の葉裏に包まれる鳥の
心音の調べです
闇に抱かれ
雨音に溶けだす音です
#詩 #現代詩

Poem)鳥が  ふいに空から…

Poem)鳥が  ふいに空から…

鳥が ふいに空から
舞い降りるみたいに
幸運は ふいに
舞い込むものだ

空に同化していく鳥たちの
思惑を
私たちは何を
知っていようか

憧れ という概念は
羽化された光の
羽ばたきのように
着地しながら

きみの家の
窓外に止まる鳥が
今日も来ているとしたら、
空に 生まれるひびきは
もう 目の前でも
奏でられているのだ
#詩 #現代詩

Poem)翼を分けてもらうとしたら…

Poem)翼を分けてもらうとしたら…

翼を分けてもらうとしたら
きみは何色の翼を選ぶつもりだい、
色にはいろいろな意味があって
よくよく考え給えと
目の前の鳩が言っている

青、
とリクエストしてみたが
青の前に身につけるべき色が
あるよと言われる

黄色、
黄色の前に身につけるべき色が
あるよと言われる

ピンク、
ピンクの前に身につけるべき色が
あるよ、…

紫、緑、赤、
ならば、
黒、と言ってみる

黒は、神様の使いの色。
夜の

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Poem)白い色…

Poem)白い色…

白い雲 白い花 白い靴
今日は 白を友達にする

光を反射させて
どんな陰りも淀みも濁りも
キラキラ流れて行くように

白は本当はどんな色も知っている
暗闇の深みも知っている
一筋
ドアの隙間から白い陰影の線を
伸ばす
線は千条の筋で出来ていて
線は戦でもある
白い服が似合うねと
よく言われてきたけれど

深い溜息の聴こえる孤独の部屋
夢破れそうな片隅へ
白い陰影の線を引いて
歩いていきたいか

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Poem)今日はどんな日だったか…

Poem)今日はどんな日だったか…

大切なことは心の中に重ねていく
今日も1ページの物語を記していく
金字塔のような言葉はいらない
今日はどんな日だったか
心の中に光を貯めていく
今日会った人の顔を思い出す
笑顔を向けてくれた人
喧嘩してしまった人
泣き顔を見せてしまった人
夕暮れの木漏れ日を見に行かなかった
そんな日もあると
詩の最終行を書きたさなかったと
そんな日の記憶も
このノートに書き記しておく

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