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”新型コロナウイルス”についてベルリンに住む日本人の人たちへ(※2020年3月15日(日)更新)

昨年末より中国湖北省武漢市で発生した”新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2、Covid-19)”について、感染者の多いアジア諸国を含め、世界各国で感染者や患者数が徐々に増加傾向になります。

私は現在ドイツ・ベルリンに在住しているのですが、コロナウイルス関しては日本に住んでいる人だけでなく、ベルリンに住んでいる日本人達にとっても常に最新の情報が気になる問題でもあります。都合上、どうしても日本へ帰国しなければならない友人たちは、出国の日ギリギリまで日本へ帰ることを悩んでいたり、それ以上に、出国は出来たとしても無事にベルリンへ入国が出来るのかを不安そうに話します。日本へ帰ることを喜んで口に出せない状況に、複雑な心境のまま暫くはSNSを更新しないようにしている友人もいます。

今回、個人的に今日本にいる家族や友人の心配は勿論ですが、これから日本へ出国する予定のある方や、ベルリンに入国・帰国する人の為に、ドイツ領事館で実際に書いてある記述や、ベルリンへ帰国した後に感染が疑われる場合の対処法をいくつか共有いたします。

※こちらの情報は、2020年3月15日(日)現在、外務省海外安全ホームページやドイツ政府のホームページに記載されている情報となります。

新型ウイルスに対するドイツ政府の対応、対策

連邦保健省(Bundesministerium für Gesundheit:BMG)は、次のように述べています。

ドイツは十分に対策・準備していると考えています。特にドイツの技術センターと専門クリニック間のネットワークは、国際的に見ても前例のないものと言えます。
こうした疫病に対し、我々には非常に優れた警告・報告システム及びパンデミック対策があります。更に、ドイツ各地の空港ではこうした状況に対応するべく定期的に緊急演習が実施されています。
ロベルト・コッホ研究所では当局下での、新型コロナウイルスに関する情報や現地調整を担当しています。
ドイツでは疫病に対する技術的・医療的な対策を日頃から十分に行ってきたと述べています。

2009年に流行したSARSの感染拡大を阻止できたように、今回の新型コロナウイルスに対しても十分な対策で阻止する方針との事。

また、現在新型コロナウイルス対策費用として最大2300万ユーロの予算を検討・申請中とのことで、予算はロベルト・コッホ研究所での研究費用やアウトブレイクへの対策へ充てるとされています。


※ 3月15日(日)更新

イベント及び一般社会生活に係る規定
(1)イベント一般
・主催者の公私を問わず,50人以上の参加者を伴うイベントの開催は禁止。
・参加者50人未満のイベントの場合は,参加者の氏名,住所,電話番号を記載したリストを作成して4週間以上保存し,公衆衛生当局の求めに応じて提出する。
(2)娯楽施設
・ダンスアミューズメント(クラブ等),見本市,展示会,特設市場、ゲームセンター,カジノ,賭博及びこれに類似するものの営業禁止。
・映画館,劇場,コンサートホール,美術館・博物館及びこれに類似するものの営業禁止。
・風俗及びこれに類似する店舗の営業禁止。
(3)飲食店
・喫煙可能な飲食店の営業禁止。
・その他の飲食店はテーブル間の距離を最低1.5メートル以上離した上で営業が可能。
(4)スイミングプール,スポーツ施設,フィットネス・ジム
・すべてのスポーツ施設,スイミングプール,フィットネス・ジムの営業禁止。
・個別の正当性がある旨の許可を当局から受けた場合(オリンピック選手候補の練習等)はその限りでない。
病院および介護施設に対する規定
(1)病院での職員の配置
・病院は,集中治療及び呼吸器領域における看護スタッフへ十分な教育を行い,コロナウイルス感染患者又はそれが疑われる者の診療にあたること。
・医学的に正当化できる範囲で,人員と資源をコロナウイルス感染患者又はそれが疑われる者への診療に充てる。
(2)面会に関する規定
・病院の入院患者に対する面会訪問は,原則として受けつけない。
・16歳未満の者又は重症患者に対しては,1日1回,一人1時間以内の面会訪問のみ受け付ける(呼吸器系疾患症状のある者は面会訪問禁止)。
・介護施設の入所者は1日1回,一人1時間以内の面会訪問のみ受け付ける(16歳未満の子供と,呼吸器系疾患症状のある者は面会訪問禁止)。
教育施設・保育施設に対する規定
(1)一般教育施設
・学校・幼稚園は3月17日から一斉休校。
・テストの実施にあたっては,それぞれの人同士の距離を1.5メートル以上開けること。
(2)職業学校
・3月16日から休校。
(3)保育施設
・3月17日から閉園。ただし,病院関係者や警察官等公共生活の維持に不可欠な職業に就いている家庭の子については,緊急預かりを実施。
(4)政令の終了
この政令は,2020年4月19日に失効する。

また、2020年3月11日(水)WHO事務局長は、新しいコロナウイルス(COVID-19)の病気に関する状況をパンデミックと宣言しました。パンデミックの宣言は、ドイツでの準備と措置に直接的な影響はありません。ドイツは当初からこの状況を非常に真剣に受け止め、早期にWHOが現在強調している対策自体を実施しました。これらは次のとおりです。

・病気のリスクについて住民に知らせる
・すべての人がどのように自分を守ることができるかを住民に知らせ、みんなにそうするように頼みます
・可能であれば、各ケースを見つけ、隔離し、テストし、処理し、可能であれば、さらなる広がりを防ぐためにすべての連絡先を確保しましょう。
・予想される特別な状況に備えて最寄りの病院を調べておきましょう。
・医療従事者を準備し、感染から保護しましょう。
・お互いに助け合い、お互いの世話をしましょう。

(「国際的影響と健康の緊急事態」に、すでに2020年1月30日に勃発したWHO 公衆衛生緊急事態の宣言、国際懸念、PHEIC)と縁石に勧告を行い、行動の発生を制御します。

3月15日(日)現在の外務省海外安全ホームページ「在デュッセルドルフ日本国総領事館」の情報

ドイツにおける新型コロナウイルス対策
ドイツにおいては,2020年3月15日(日)時点で感染者数が3795人と、流行の兆しを見せています。ベルリン州における感染者数は,15日(日)現在で263名(報道ベース)となっており,増加傾向が続いています。

世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、「欧州は今やパンデミック(世界的大流行)の震央となった。中国を除けば、報告される感染者と死者の数は世界の他地域の合計よりも多い」と述べ、「中国で感染拡大のペースが最悪だった時よりも、今の欧州は1日ごとに感染者が増えている」と危機感を示しています。

定期的な手洗い・うがい・咳エチケットの徹底,なるべく人混みを避けるなど基本的な感染予防に努めてください。
連邦及び各州保健省は新型コロナウイルス相談のための相談電話(ホットライン等)を設置しています。感染が疑われる場合には,外出せず,ホットライン又はかかりつけ医に電話し,その指示に従ってください。

連邦保健省ホットライン:030-346 465 100

・患者救急相談:116117

・ベルリンのホットラインまたは関連ウェブサイト

Hotline: 030- 9028 2828
Daily: 08:00-20:00 o‘clock
https://www.berlin.de/sen/gesundheit/themen/gesundheitsschutz-und-umwelt/infektionsschutz/#Coronavirus

その他,各州の連絡先は以下の当館ホームページをご覧ください。
https://www.de.emb-japan.go.jp/itpr_ja/konsular_coronahotline200228.html

●日本への渡航制限や日本からの入国制限措置はとられていませんが,中国に加え,新たに日本,韓国,イタリア,イランからの入国にあたって,所在追跡・健康質問票への記入が義務づけられました。常に最新情報の入手に努めてください。

外務省海外安全ホームページ

https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=79590

ロベルト・コッホ研究所からのウイルス対策方法

ロベルト・コッホ研究所(ロベルト・コッホけんきゅうしょ、独: Robert Koch Institut)とは、 ドイツのベルリンおよびヴェルニゲローデにある研究所。ドイツ連邦保健省の下にある。

※3月15日(日) 18:00更新

Robert Koch InstituteのWieler教授は、COVID-19の世界的な広がりは、2020年3月11日にWHOによってパンデミックと宣言されました。ロバートコッホ研究所は、現在の状況を継続的に記録し、すべての情報を評価し、ドイツの人口のリスクを評価しています。それは世界的にもドイツでも非常にダイナミックで深刻な状況です。場合によっては、病気の経過は困難であり、病気の致命的な経過も発生します。ドイツの症例数は増え続けています。

ドイツの人口の健康に対する全体的なリスクは現在、中程度と評価されています。ただし、このリスクは地域によって異なり、「特定の影響を受ける地域」で高い。重篤な病気の可能性は、年齢および既存の医学的状態とともに増加します。医療システムの負担は、感染の地域的広がり、利用可能な容量、および開始された対策(隔離、隔離、社会的距離)に大きく依存し、ローカルで非常に高くなる可能性があります。この評価は、新しい知識のために短期的に変わる可能性があります。

何より、ウイルス対策はマスクの着用よりも「定期的な手洗い・うがい」と専門家は提示しています。実際にベルリンでマスクを着用している人は殆ど見られませんが、その証拠に手洗いやうがいを徹底して行っているドイツ人を多数見かけます。細菌や汚れを落とすのは簡単なように聞こえますが、適切な手洗いには指先だけでなく、爪の間や手の甲、手首までしっかりと洗う必要があります。

ドイツの感染防御のホームページには、丁寧に「手洗い」について詳しく記載されています。

新型コロナウイルス特設サイト「ファクトチェックイニシアチブ」とは

残念ながら、日本でも新型ウイルスについての多くのデマや事実無根の情報が広がっています。個人的に残念だと思ったのは「若者がウイルスを拡散させている。高齢者は歩かないから。」その記事を見て、とても残念に思いますし、国民の精神状況をより不安定にさせているようにも感じます。

また、最近では「新型ウイルスには花こう岩や玄武岩が利く」と謳ってオークションサイトで高額販売していたり、「コロナウイルスは熱に弱く、26~27度のお湯を飲むと殺菌効果がある」といういかにも真実かのような情報も、実際にはデマです。

感染源の(執拗な)捜索、専門家軽視、不確かなうわさ、生活必需品の略奪。個人的には、アルコール消毒液や除菌シートが品薄で価格が暴騰しているという現状も、いま買う必要なんてなく、先ほどにも挙げたとおりに定期的に石けんで手を洗えばいい。行列に並んで濃厚接触するほうが感染リスクが高いので危険かもしれないという考えを持ったほうが正解なのかもしれないなと思っています。

膨大な情報のどれを信じればいいのか分からないという場合、どうしても事実を知りたいのであれば「ファクトチェックイニシアチブ」というサイトがあるので、ここで確認するのもいいのかもしれません。

FIJとは、日本におけるファクトチェックを推進・普及するためのプラットフォーム団体です。”誤情報や偽情報に惑わされにくい社会を”をモットーに設立されたサイトだということで、一つの判断基準にしてもいいのかもしれません。

日本へ帰国する人、ベルリンへ帰ってくる人へ

現在日本へ帰国している人や、これから日本へ帰国する人、また、ベルリンへ戻ってくる人、とても不安に思っているかと思います。情報は日々外務省安全ホームページで更新されています。また、3か月未満の旅行や出張などの場合や海外滞在中も安全に関する情報を随時受けとれるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録することをおすすめします。






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