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【日経MJ】有江ノイ的感想文2020年10月19日(月)

さて、今日も気になるトレンド、業界動向、新商品などをつまみ食い

1面は、

小売り決算 コロナで明暗
3~8月期発表 似鳥会長「寡占化の時代に」 吉野家HD社長「店の前を人が歩いてない」

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言から半年。小売り各社の3~8月期決算(8月本決算含む)は明暗が分かれた。生活必需品を扱う食品スーパーや専門店では最高益が相次ぐなかで、百貨店やアパレル、外食は苦境が続く。在宅勤務や外出自粛が広がり、都心から郊外へと消費の重心が大きくシフトした。変わる消費の今と小売り各社の経営戦略を、経営者コメントから読み解く。

新型コロナウイルス流行による消費への影響が小売り企業の決算にストレートに反映されています。増収増益の企業はいわゆる郊外店が主力で日中買い物に行ってもそれほど混んではいないグループ。減収減益のグループはショッピングモールで集客するGMSとコンビニ。きれいに明暗が分かれています。コロナ禍で在宅勤務が増えていくニューノーマル下で、流通・小売の店舗戦略がどう変化していくかですね。大艦巨砲主義のような設備投資先行型の集客ビジネスから、独自色を強めた省力型マイクロ店舗にでもシフトしていくのでしょうか?イオンがどのような打ち手に出てくるかの動向に注目したいと思います。このままゆでガエルになるつもりではないでしょう。

2面は、

ドラッグストアも節約の影 8月販売、袋麺や冷凍野菜伸びる
ドラッグストアでもじわりと家計引き締めの影がしのびよっている。ビッグデータマーケティングのトゥルーデータ(東京・港)がまとめた、8月のドラッグストア1店舗あたりの購買金額(10月15日時点)は、前年同月比で5.8%増だった。7月の横ばいからプラスになった格好だ。ただカテゴリーごとの内訳をみると、即席麺ではカップ麺より割安なインスタント袋麺を求める傾向もみられた。家計防衛の意識は広がっている。

在宅時間が長くなると、湯を鍋でわかして丼を用意したり片付けて洗ってしまうまでの時間も苦では無くなりますからね。パソコンで長く仕事をしていると、そんな時間もちょっとした息抜きになったりします。「たいした事ではないけれど少しの作業をしたようになれる気分を作り出す」というのが、これからの製品開発のヒントになるのではないでしょうか?
「ぎょうざ」とかも自分で包むプロセスがあると嬉しいなと個人的には思うのですがどうでしょう?製品化は難しいかな?

4面は

中古ビンテージ家具、補修後販売
【旭川】家具製造のカンディハウス(北海道旭川市)は、顧客から引き取った中古の自社製品を補修した「ビンテージ家具」の販売を本格展開する。本社内にある旭川ショップにこのほど、専用スペースを開設。70点を売り出し、このうち19点をインターネットで販売する。

北海道の家具製造メーカーですが海外からの人気も高く、確かApple本社の会議室のテーブルがカンディハウスの製品だという話を聞いたことがあります。家具というのはモノにもよりますが結構高額で気に入ったデザインのものを買うのですからCRMを活かすとLTVをもっと見込めると思うのですが。「ダイニングテーブルを買って3年目になりますが気持ちよく使っていただいていますか?今でしたら補修サービスを利用できます。買い換えのご希望があればご来店ください。特別価格でご提供できます」というようなメールが来たら、うれしくないですか?

5面は、

「猫」アーティスト 10代狙いデビュー
サンリオ・セガトイズ、動画配信・インスタを柱に

サンリオとセガトイズは共同で猫のキャラクターのダンスボーカルユニットを新しくアーティストとして立ち上げた。2社はこれまで女児向けにアニメキャラクターなどを共同展開しており、今回は第3弾となる。10代を主なターゲットとし、ぬいぐるみなどの物販だけでなく、音楽や動画などコンテンツも売り出す。将来的には世界展開も目指す。

いわゆる「カッコかわいい」キャラクターですね。バーチャルなキャラクターアイドルですから不倫やドラッグなどのスキャンダルもないので安心して使えるということが最大のメリットでしょう。SNSプロモーションやグッズ展開など伸びしろは大きいでしょう。ちょっと注目したいです。

9面は

(ご当地ファースト蔵ス)ビンテージ日本酒、仕込み中 小樽の田中酒造、需要回復の3~5年後を視野に
日本酒「宝川」ブランドの田中酒造(北海道小樽市)がビンテージ(熟成)日本酒の仕込みを始めた。新型コロナウイルスによる需要低迷で酒米の在庫が積み上がり、数年後の消費回復期に照準を絞る。年間製造量の3分の1にあたる量を年内に仕込み、3~5年寝かせて市場に投入する。

北海道でも小樽の「観光酒蔵」としてインバウンド需要を牽引してきた酒造メーカーですが、だぶついた原料(酒米)を酒として寝かせることにより価値を高める「ビンテージ化」にシフトした点に注目です。3年から5年後、仮にコロナが終息せずインバウンド需要が見込めなかったとしても、海外向けの需要(輸出)が見込めると踏んだのではないでしょうか?危機を勝機に変えようとするこの試みの行方に期待したいです。

12面は、

地元小麦のパン、市場膨らむ 高級食パンブームが後押し JAやメーカー、研究・製販で連携
地元産の小麦を使ったパンを製造し、販売する地産地消の動きが広がっている。製造会社や地元JAなどが連携、研究を重ね生産から販売まで手掛ける。国内の小麦市場のシェアは1割程度にすぎない国産の生産増や消費拡大につなげる。

かつては「柔らかいパン、キメの細かいパン」というのが美味しいパンの条件というとても画一的な評価軸だったわけですが、SNSのおかげで原料小麦や製法、焼き加減などによって、美味しいという判断基準がとても多様なものだということに気がついたのが昨今のパンブームです。そうなるといろいろな地方のパンを食べてみたいわけですが、多分、焼きたての食パンの鮮度保持というのはかなり難しいはずです。完全に水蒸気を閉じ込めてしまうと柔らかくなりすぎるでしょうし水蒸気が抜けてしまうと乾燥してしまいます。調湿機構を持ったパッケージが出来ればとも思いますが、食パンの利益率を考えるとそれほど包装材にお金をかけることはできません。食パンはローカル、少量生産でこそ価値が高いモデルと言えそうです。

13面は、

紀ノ国屋、無人決済に対応 目白駅に小型店 棚から直接かばんへ、10秒で決済 より迅速に
(中略)
JR山手線の目白駅改札外に「KINOKUNIYA Sutto 目白駅店」を開店する。既存の店舗を改装し、紀ノ国屋として初めて無人決済に対応する。約40平方メートルの売り場の天井に約30台のカメラが取り付けられており、商品棚の重量センサーなどと合わせて来店客や商品の動きを捕捉。商品を持ったまま出口の精算機の前に立つと購入の意思があると判断される仕組みだ。決済は交通系ICカードとクレジットカードに対応する。

一昔前はこういう無人店舗は全ての商品にICタグを着けるようなモデルが考えられていたわけですが、「カメラ+スマートシェルフ(重量センサー)」という形が現実味を帯びてきたようです。これは最近の機械学習の成果でしょうね。人の動きと棚から商品を持ち上げたという事実の照合、推論で、購買したか、あるいは意図的に盗もうとしたか判定するのでしょう。
近所のスーパーのセミセルフレジもまごつく人はかなり減ってきたようですから、無人店舗も急速に普及していくでしょう。店員に居丈高なオジサンが怒る先がなくて静かになるのが精神衛生上嬉しいな。


※引用文は、日経MJ2020年10月19日誌面からのものです。

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