From Aloha To Aloha
2020年5月17日(日)
【Day 59】
さて本日は、実に2ヶ月ぶりのサーフィンだ。昨日も早寝をしたおかげで早起きも……
起きたら8時半だった_| ̄|○
まあいい。時間はまだたっぷりある。お天気も最高、波もリハビリにはちょうどいいサイズの予報だ。
僕は心を弾ませながら準備を進めた。
ボード、3mmフルスーツ(こっちではスティーマーって言うらしい。確かに蒸される感じあるけど)、フィン、ワックス。
これでバッチリ……じゃないな!リーシュを忘れてた。
リーシュとは、ボードと足首をつなぐ流れ止めのコードである。トッププロでもない限り、リーシュなしでサーフィンするのは危険なのでご法度。だからサーフボードの次に大事なギアだとも言える。サーフトリップの時にリーシュを忘れたりしたら目も当てられない。近くのサーフショップで調達できればいいが、大抵はど早朝、ポイントに到着してから気がついたりするので、忘れた場合は良さげな波を目の前に茫然自失となるのだ。
さて、リーシュリーシュ、と。
……
(;゜д゜) ……
リ、リーシュがない……_| ̄|○
日本を発つときも絶対に入れてきたはずのリーシュがない。新居に越す前に宿泊していたエアビーに忘れたのだろうか……?
「でも、みぱここでみたよ」
……こいつ……怪しいな。三女には前科があるからな。
「そしたら、今どこにあるかわかる?」
「えー、みぱしらないよ」
ますます怪しい……これは絶対に「みぱ隠し」だろ。この家に来てからなくなるものが多すぎる。
三女がリーシュのありかを頑なに教えてくれないため、自力で家中をひっくり返して探すが、一向に見つからない。このままだとリーシュ搜索で1日が終わってしまう。しかし僕はトッププロではない。ノーリーシュでサーフィンをしていたらマンリーローカルにぶっ飛ばされるだろう。
「仕方ない……新しいの買……」
「はぁ!?💢」
僕が全てを言い終わる前に食い気味な怒りのカットインを繰り出してきたのはもちろんアッコである。
しかし、今日僕はマンリーで寄りたいサーフショップがあったため、リーシュをそこで購入するのはちょうど良いキッカケになると考えた。
そのサーフショップは「Aloha Manly Style」。カズさんという日本人の方がオーナーを務めているという。
このサーフショップを紹介してくれたのは、シドニーのノーザンビーチをベースに活動しているイラストレーター吉田健太郎氏だ。
吉田氏は富山出身で、18の頃単身シドニーに渡って以来、デザイナーとして広告会社に勤めながらイラストを書き続け、最近ついに独立した。サーフショップやクラフトビールブルワリー、名だたるサーフブランドとのコラボ作品も数多く手がけている。
僕はもともと彼のイラストが好きでインスタをフォローしていたりしたのだが、昨日思い切ってコンタクトを取ってみたところ、吉田氏は快い返事をくれた。
そのうちサーフ&ビアセッションでもご一緒しましょうというやり取りの後、僕が今日マンリーで移住後初サーフする予定であることを伝えると、「ぜひ寄ってみて欲しい」ということで紹介してくれたのがAloha Manly Styleだったのである。
そして14時、僕は家族とともにAloha Manly Styleの入り口をくぐった。その瞬間、目の前を横切ったのが本人だと一目でわかった。
僕は躊躇なく声をかけた。
「カズさんですか?」
いきなり話しかけたからだろう、カズさんは多少面食らっていたが、すぐに僕らを歓迎してくれた。
僕は、なぜカズさんの名前を知っているのか、そしてなぜここを訪れたかを、ごくごく簡単に説明した。
「吉田さんが、マンリーでサーフィンするならぜひここにと紹介してくれて」
「ああ」
カズさんは合点がいったようだった。しかし、いまだになぜ僕が吉田さんと繋がっているのかに考えを巡らせているように見えた。そこで、僕はもう少し経緯を掘り下げるための話を続けた。
「以前から吉田さんの画が好きで、インスタとかをフォローしてて。それで移住をキッカケにLinkedinでリクエストを送って繋がったんですよ」
「ああ、」
カズさんは、急に視線を上に泳がせた。
「吉田さんって……あの吉田さんですか?」
彼の視点は僕の肩越しに店のエントランスへと飛んでいた。
反射的に振り返ると……
( ゚д゚)‼︎
そこには、紛れもなく吉田健太郎氏が立っていた。
なんだこのドッキリ。ご本人登場的な。
彼はリペアに出したボードの引き取りだったらしく、やはりご家族同伴だったので、軽く立ち話をし、今度ナラビーンあたりでサーフィンでも、ということで散会した。
今日のマンリーはインサイドよりのダンパーが中心で、なおかつ2ヶ月ぶりのサーフィンだったから、内容は推して知るべしだが、充実感は最高だ。
久々の海水でデトックスされただけじゃなく、何しろいっぺんに2人の日本人ローカルと繋がれたのだ。
見知らぬ土地でサーフコミュニティと繋がれることほど心強いことはない。これまで水栽培だったのが、一気に土に根を張れた気分になるのである。ますます今後のマンリーライフが楽しみだ。
ビールは4 Pines、サーフショップはAloha Manly Style。
奇しくも、僕が日本でホームポイントとしていた千葉県一宮でお世話になっていたサーフショップも「ALOHAGROUND」(旧HIC JAPAN)だった。
一宮のAlohaからマンリーのAlohaへ。アロハスピリットとサーフィンが常に僕の人生を充実したものにしてくれている。
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