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デジタルは紙に変わるものではなく、延長線であるということ

デジタルによる行動の変化

情報のデジタル化(スマホでニュースを見る、SNSでレストランを知るなど)は、もう誰にも止めることはできないし、それはインターネットが日常に侵食しスマホの登場により個人の手元に端末がある状態になったことで、人の行動様式が変革したということだと思います。

本もかさばって本棚に入り切らないし、可能なら全部Kindleで読めたらいいなと思っている派です(もっというと、読むよりよりもAmazonのAudibleなどで耳から情報が入ってくれる方が嬉しいぐらいです)。

そんなデジタル情報が身近になりすぎて、また「紙の価値」が変わっているという議論も増えました。触れることができるということ自体が貴重になったということでしょうか。紙として所有することに意味が出てきたということでしょうか。

カメラの例

カメラで言うと、フィルムカメラは機械として使いやすかったですし、機能(視野率やダイアル設定など)の割に値段が安く総合的に完成度が高かったと思います。しかし、どれだけフィルムカメラの良さを語っても、一般的にデジタルカメラに取って代わることはないでしょうし、フィルムや部品などを考えても戻ることはできないと思います。

まさに、デジタル情報と紙媒体の情報も似たようなもので、やはり紙(新聞など)は以下のようなメリットもあります。

・個人にパーソナライズされていない分、情報の偏りがない
・何が重要な情報なのかがわかりやすい(1面とかタイトルなど)

リアルな本屋も同じようなメリットがあると思います(本屋に行くと、自分の履歴に基づいたものではなく、普段興味のない本も色々並んでいる)。

しかし、やはり行動様式が変わってしまったので、ゼロにならないまでも紙の絶対量は減少していく運命なのかもしれません。

デジタルは紙の延長線

これまで、デジタルと紙は相反する「右と左」「プラスとマイナス」のようなものだと持っていました。でも最近気づいたのでは、デジタルと紙は1対1の関係でもライバル関係でもないということです。

紙(新聞や出版物)の媒体で情報を発信するということは、多くの工程を挟みます。記者による取材、写真、編集、レイアウト、校正、印刷技術、色調整、運用フローのすべて。世の中の情勢やトレンドの深い理解も必要でしょうし、言葉の使い方、差別用語、見出し、要約、などそれぞれの分野で深いスキルが必要になります。これらの情報を載せるものが、紙面でなくてもデジタルであってもこのスキルは重要なので、紙が廃れてデジタルに食われるという感覚とは違い、紙媒体で運用してきたスキルが、デジタル媒体に変わるだけとも言えます。

SNSや下世話な記事など、デジタル情報の発信が容易になった分、情報の信頼度は今後もより問われることになりそうです。当然、紙を使うかどうかやインクを使うかどうか、触れることによる価値など、違いはあるものの情報がデジタル媒体に載ることは、これまでの知識やスキルが十分に活きてくるものだと感じた今日この頃です。