これまでの人生で何度か「はまる」という感覚に陥ったことがあります。ドラマにはまる、とか、ケーキにはまるとかのはまるです。
はまるぐらい何かを好きになったり、没頭できたりすることは自分でコントロールできるものでもなく、きっかけは一期一会でもあるので幸運だと思います。大人になると不思議と「はまる」ものが少なくなって、余計にそう思います。
小学生後半か中学生の頃、スタジオジブリの「海がきこえる」にはまり、当時原作の小説も買って読みました。DVDも買いました。たった72分の作品に少年時代の自分は心を持っていかれました。(今でもちょっとサントラを聴いてます)
ジブリの若手スタッフが手がけている宮崎駿が関わらないテレビアニメだったこともあり、ジブリ作品の中ではマイナーな部類に入ると思います。ただ、地方から東京へ出ていくという舞台背景に何か本能的に惹かれるものがあったのだろうと思います。この影響だけではないですが、大学は東京へ行きたいと思っていましたが、結果的に社会人になってから上京することになりました。また、物語の中に出てくる気の強い女性像が少年時代には刺激的だったという気もします。多分、大人になってから見ていたら、普通に見て終わったと思います。(というか、見ていなかったと思います)
このはまるという現象。なんだか自分を持っていかれるような気がして、ちょっと怖いなと思ったことがきっかけなのですが、goo辞書で「はまる」の意味を調べました。
なるほど。ここで思うのは「はまる」という現象は、もっと危険な現象だと思うのです。だから、少し違うニュアンスを足しておきたいと思うのです。もっと「自分の意識を持っていかれる」ようなことで、自分の感情のコントールができなくなるほど「自分の意志を超えて気持ちを持っていかれる」ような、そんな感覚である気がします。
大人になってからは、あまり音楽や他のカルチャーにもはまることが少なくなり、平穏ではあるのですが「はまる」ものに巡り合う幸運さとその後の苦しみによる不幸が同居していることがはまることなんだろうと思うのです。
なので、「自分の意志を超えて、自分の意識を自然と持っていかれる」という意味合いを付け加えたいということ、そして、あまりむやみにはまらないように「自分をしっかり持って見失わないこと」が自分らしくあるために必要だと思います。冷静に、現実逃避せずに元気に楽しく暮らしていくために、自分がコントロールできないようなものは気をつけないといけないと思うのです。
ちなみにベーグルに、はまってもう十年以上(笑)