見出し画像

2023.12.29 理科 「金属水素」とは何者か?

 木星の内部構造を調べていて、上の図を見つけました。
国立科学博物館のホームページより
木星内部には「液体分子状の水素」「液体金属状の水素」が存在するとありますが、これらは一体何者でしょうか。

 水素は通常気体ですが、水蒸気を冷却すると水や氷になるように液体や固体になることがあるのでしょうか。調べてみると、水素は沸点が-253℃、融点が-259℃ とあります。
これは「水素は1気圧で、-253℃で液体になり、-259℃で固体になる」ということです。
それでは、気圧を上げていくとどうなるのでしょうか。

下の図を見つけました。(スラッシュ水素研究所のHPより)

これを見ると、水素は絶対温度を15Kに固定して圧力を上げていくと、気体→液体→固体と状態変化することが分かります。
それでは、圧力をどんどん高くして超高圧状態にするとどうなるのでしょうか。

KAKEN「超高圧力下の水素の金属化および超伝導研究」より

最もシンプルな元素である水素は450万気圧(450 GPa)の超高圧力下で金属化し、さらに室温超伝導を示すとの理論予測があるが、圧力が高く実験的に困難であることから実証には至っていない。

(ウィキペディア「金属水素」より)

(金属水素は)2017年1月にアメリカ合衆国のハーバード大学のシルベラ博士らが確認したとされるが、反論や疑問視する意見が数多く出ているため、現在までも金属水素の実在は証明されていない。
もし金属水素が存在するとすれば、固体状態では、水素原子核(つまり陽子)の結晶格子の間隔は、ボーア半径よりもかなり小さく、電子のド・ブロイ波長と同程度と予測されている。また、電子は束縛されず、金属における伝導電子のように振る舞い、液体状態では、陽子は格子に並ばず、陽子と電子の液相系となるとも予想される。

超高圧状態では、水素は固体金属状態、あるいは液体金属状態になると理論的に予想されている、ということです。

固体金属状態では、水素原子核(陽子)が格子状に整列し、その間を電子がウロウロしている。
液体金属状態では、陽子と電子が混じり合って液体化している。
そんなイメージでしょうか。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?