127:何もない日なんてないだろ。
代わり映えのない日常であろうと、何もない一日なんてのはあり得ない。
少なくとも実家暮らしの二等兵にとっては、そうだ。
■半袖短パン男子とエンカウント
二等兵の住まう地域は、東京とは名ばかりの辺境ではあるが、一応は東京都である。
だが、冷たい風が四方八方から吹き散らし、それはそれはもう寒かった。
寒かろうとお日様が出ていれば、洗濯物は干すものである。
いつものように洗濯物を干していたら、先日の大雪の日に「雪だるまを作りたいから、新しい雪ください!」と言いに来た小学生男子2名が「おばちゃんおはよーございまーす」と声を掛けてくれた。
「おはよー、寒いねー」と笑いながら視線を向けると、そこには半袖短パンの小学生男子2名が、笑って手を振っていた。
ランドセルに挟まれたダウンジャケットに、彼らの親御さんのご苦労が偲ばれる。
「寒くないの!?」
「ぜんぜんだいじょーぶ!」
「暑いくらい!」
「暑いですと!?」
そうか…。
君たちはこの気温2℃の世界でもほかほかなのか…。
ならば、この二等兵、君たちに掛けられる言葉はひとつだ。
「いってらっしゃい! 気を付けてね!」
「いってきまーす!!」
駆け出す小学生男子たちを見送りつつ、歩きながら彼らの背中に冷ややかな視線を送る同学年らしき女子たち。
彼女らは、大きな声で挨拶こそしてこないが、こちらを見上げて笑うと、ひらひらと手を振ってくれる子たちである。
毎朝同じような時間に洗濯物を干していると、顔見知りの小学生が増えて、とても楽しい。
■エフフォーリアの引退
昨日知ったそれを飲み込むのに、一晩が必要だった。
G1を3勝しているエピファの仔。
京都記念では、こっちの心臓が止まるかと思ったが、心房細動と聞いてまた不安にもなった。
この仔にとって、走り続けることは最善なのだろうか…。
厩舎関係者でもないのに余計なお世話だろうが、こちとら父馬の新馬戦からずっと応援している身。
心配なのは致し方ないこととご容赦いただきたい。
引退し、種牡馬になると聞いて、ほっとしたような悲しいような、もっと彼の走りを見たかったというようなエゴも含めて感情が爆発した。
彼が栄光を掴み取った皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念を見返した。
天皇賞・秋。
三冠馬・コントレイル、同年のヴィクトリアマイルを制していたグランアレグリアをかわして先頭に出た姿に、やっぱり泣いた。
生涯11戦。
無事に引退し、種牡馬になれるだけ、エフフォーリアはラッキーなのだ。
心からそう思う。
エフフォーリアの仔だって応援するとも。
だって君のことも大好きで、応援していたからね。
ターフを去っても変わるものか。
ここに、更なる激重感情が爆誕。
■体重計が怖い
今日も今日とて体重計に乗る。
少し食べすぎちゃったなーと思ったが、体重はぴたりと-1.3kgのまま動かない。
――マジか。
体内水分量などは変化していたので、きっと体重は昨日と変わっていないのだろう。
ダイエットにおいては「前日と同じなんて」という感じだろうが、今やTANITAさんの示す数字が、機械的な意味で恐ろしい二等兵。
ホントに減ってるかどうかが不安なんじゃー!!!
なら新しいの買えよという話だが、無職の身にそんな贅沢は許されない。
とりあえず、今日もエクササイズをこなして「あ、なんかポカポカする」と言いながら、自分の筋肉で暖を取りつつ、洗濯物を室内干しするのである。
本日の体重: 変わらず。(怖い)
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