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個展「怪物退治」終了しました

銀座画廊・美の起原での個展「怪物退治」が終了しました。ありがとうございました。

今回もまた多くの人のご協力あって、展覧会を完成させることが出来ました。そして何よりペットたち。総勢61体の実在モデルたちが登場し(させられ)ました。この子たち無しでは成り立たなかったでしょう。MVP!(知る由もない)

今回はペットの通院を物語に見立てて会場を構成にするという試みをしました。詳細は前回の個展紹介記事に載せています。

オチもない堂々巡りの物語っぽい何かになりましたが、いちおうそこは狙いを持ってそうしました。リアクションを見た感じ、多くの人に楽しんでいただけたようで安心しました。


飼い主オフ会

今回は飼い主オフ会状態が発生していたのが面白かったです。
61体ものモデルが登場したため、当然その飼い主さん方が多くご来場されました。SNSで既に繋がっている方々が連れ立ってご来場されたり、会場でたまたま初めて会った飼い主さん同士が話し出す、といった場面が会期中はよく発生していました。

作者と見る人(自分とお客さん)…ではなく、お客さんとお客さんの繋がりが出来ている。 自分の絵が新たなコミュニティを生んでいるというのは新鮮な発見でした。モデル募集をした時はこういう現象を引き起こすとは思いもしなかったのです。絵の展示ですし。

昔は、絵の展示って誰に頼まれるでもなく自分がただ描いたものをただ飾る、一方的で孤独な一人称的営みだと思っていました。
(自己満足とかオ◯ニーと揶揄することも)
事実そういう部分はあるし、今もそう思わないことはないのですが。
しかし、地道に活動を続ける中で継続的に見続けてくれるお客さんがついたここ数年で、双方向の二人称的営みでもあるのだと実感するようになりました。
そして今回は、自分の与り知らぬところで人と人が繋がる三人称的営みが生まれることに気づきました。

ゲームや漫画でも三人称の営み、ファンコミュニティが存在します。こう表現すると少し烏滸がましいような気もしますが、コンテンツが大きくなるというのはそういうことで、絵画もまたそうなのかもしれません。


安くはない買い物

当たり前ですが展示は絵を飾るだけではなく、販売も目的としています。

しかし原画となると買う方は勇気が要るし、売る方は辛抱強さが要ります。

だって、決して安くはない買い物ですから。
その上、特定の機能を持った生活必需品ではない。言ってしまえば贅沢品なわけで。
「エウリアン」なんて言葉もありましたが、怪しい商法とも割と距離が近く。
勿論、買い方は様々なのですが。
長く活動を続けて、見ていただいて。ゆくゆくは買ってもらえたら、注文してもらえたら、お仕事がいただけたらいいなというのが基本です。

今回もありがたいことに絵が売れました。
中には動物がきっかけで知り合ったけど満を持して奮発してご購入くださった方、普段あまり絵には触れないけど初めて買ったという方もいらっしゃいました。
専門分野外の人にリーチした瞬間って特に嬉しいものです。

美術界は商業芸術のエンタメ界に比べるとやはり間口が狭く、そんな中でより広い層を取り込んで親しみを持ってもらうにはどうしたら良いか、色々な取り組みの工夫が続けられています。
同期や先輩の作家が町おこしイベントに参加したり、個展でワークショップを開いたり、他分野とのコラボレーションなどのオープンな取り組みをしているのを横目に見て、自分に出来ることは何かあるかなと考えています。
下手なりの試行錯誤のつもりでやってきた動物系イベント出展、モデル募集、オーダー制作などは少しずつ実を結んできているのかもしれない、と感じることの出来る個展でした。


ということで、今後とも末永くよろしくお願いいたします。
みなさま徴兵の義務を果たしていただきますよう!何卒!


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