神聖家畜帝国 久保俊太郎

「ペットの兵隊から成る武装国家」をテーマに、武器や鎧で武装させられたペットや家畜の作品…

神聖家畜帝国 久保俊太郎

「ペットの兵隊から成る武装国家」をテーマに、武器や鎧で武装させられたペットや家畜の作品を制作。 中の人間の考えごとや作品制作にまつわることなどを主に書いています。 作品を見てくださる方にとって鑑賞材料の1つにでもなればと。

マガジン

最近の記事

久々に画像生成AIを触ったが...

あれから約1年半。 初めて画像生成AIに触れたのはおととしの夏だった。 AIがクリエイターを駆逐するかもしれない…なんて未来が語られ出し、どれどれじゃあこれで自分の作風を再現出来るだろうか?と思い、触ってみた。midjourneyトライアルのたった25枚であったが、再現どころか動物をろくに描画出来ないというレベルだった。うさぎの耳が4本とかになっていたのだ。 もちろん当時でもクオリティの高い作品はもちろんあり、AI作品が美術展のグランプリになってしまったというニュースも

    • 今を生きるトリックスター

      トリックスターとは神話などの物語の中に登場する、自然界の法則や秩序を破り、物語を展開させる者である。善と悪、破壊と創造などの異なる二面性を持っているとされる。 以前読んだ本の中に具体例があるので、引用する。 ちょうど今よく目につくペットの貨物室問題のことについて考えていた時、昔に読んだこの本の記述がふと出てきたのだった。 ある人はペットを人だと言う。ある人は動物だと言う。そこに争いが生まれる。 ペットは畜生と人の二面性を持っている。科学的事実としては人ではないが、社会的

      • 「ペットは家族」という幻想

        1/2に起きた痛ましい航空機事故の、ペットについての記事が出ていた。手荷物預かりのペットが貨物室に2匹乗っていて、残念ながら助からなかった。会社側はメディアの取材に応じ、謝罪を出している。 ペットの話題性が高いことをメディアはよく見抜いている。記事によればSNS(X)での反応を見て、問い合わせをし、この文章を出している。 そのXでは、ペットを飼う人への風当たりは以前より明らかに強くなっている。ペットの身を案じたり、犠牲を悲しむこと自体を快く思わない人も見られるようになった

        • 良い1年にしましょう

          今年の目標でも書こうかと思った矢先に筆が止まってしまった人も多い年始だったのではないかと思います。 人間なんかより運命の方がよほど残酷である。時折そう考えることを確信させられる年始でした。しかし運命論に負けたくはないのです。良い1年になりますように…ではなく、良い1年にしましょう。

        久々に画像生成AIを触ったが...

        マガジン

        • 試み
          8本
        • 考えごと
          76本
        • 創作にはあまり関係のないこと
          5本
        • 畜生道
          4本
        • 展示/イベント
          11本
        • 見たものの記録
          13本

        記事

          入隊ペット総括

          今回の記事では、オーダー(歩兵シリーズ)を始めた2015年から1年ごとに作品をグループ化し、その変遷をまとめてみました。 このシリーズでは、作品をモデルと絵に割り振った番号で区切ることはありましたが(作品集なら20作品ごと…など)、制作年で区切ることはありませんでした。 それぞれのグループは「20XX年組」と表現しています。同期がいるような連帯感が生まれて(?)これはこれで新しい面白みがあるかなと。年によって品種や数に違いがあるため、グループとしての個性も出ています。

          根拠の無い自信、根拠の無い義務感

          来年の春に11年住んだ現在の家から引っ越すことになりました。 古いけれど収納の多い家だったので、何かと荷物が多いアナログ絵描きの自分にとっては暮らしやすい家でした。 次の家では作業部屋は少しだけ広くなるものの、今ほどの収納はありません。だから毎日少しずつ物の処分を進めています。集めすぎたシルバニアをメルカリに出したり、アクアリウム用品を捨てたり…。 そんな中、厄介なのは大きな絵。収納の奥深くから出てくる、思わず顔を背けたくなるような遠い昔の絵。学生時代の作品。黒歴史という

          根拠の無い自信、根拠の無い義務感

          喪失が人を強くする、欲望のグラコロ

          今日の昼、セブンイレブンに寄って「グラタンクリームコロッケ」を買おうとレジに並んだら、前の客に最後の一個を買われてしまった。本当に悲しく悔しかったので夕飯はグラタンクリームコロッケにすると決めた。クリーム系のコロッケを作るのは初めてだったが、けっこう上手く出来た。日々の料理は生活の主導権をちゃんと握れている感じがしてとても好きだ。作られるより作りたい。 「欲しくても手に入らなかった」という飢えこそが物を作る原動力になる。並んでいるグラコロを食べて得られる幸福よりも、最後のグ

          喪失が人を強くする、欲望のグラコロ

          苦労の拡散と、魅力の拡散

          安易な飼育(=不幸なペット)を防ぐため「ペット飼育ってこんなに大変。お金、時間、手間、老化や病気…etc」とはよく言われます。これはある意味ネガキャンの一種で、こうしてハードルを上げれば基本的にペットを飼う人は絞り込まれて減るはずなのですが、それでもペット人気というのは根強いものです。禁欲的で正しい飼育啓蒙よりも、可愛さなどの魅力の拡散の方が勝っているからです。 似たようなネガキャンは人間の子供にも見られます。「親の苦労」や「子の不幸」を訴える投稿やニュースを挙げれば、それ

          苦労の拡散と、魅力の拡散

          シルバニアを手放すも...

          10年くらい前にシルバニアファミリーをよく買っていた時期があり、我が家にはたくさんの家や家具、人形がある。リリースから35年以上になる同シリーズは今や世代を超えて愛され、大人のコレクターも多い。小さい頃は高いなぁと思っていた大きな家も、大人になれば普通に買えてしまう。これが「沼」の一因でもあるのだろう。自分も大きな板を買って、家を並べてジオラマっぽくしていた。しかし結局は管理が行き届かず、悲しいことにここ数年は一部を除いてずっと押し入れに… 来年の春に10年以上住んだ今の家

          シルバニアを手放すも...

          筋トレって女々しい

          今年の5月から筋トレを始めた。もともと痩せているのだが30代も中盤を過ぎ、中年男性になってこんな少年みたいな身体ではいかんなぁと思い、増量を心掛けるようになった。今のところほぼ毎日、欠かさず続けられている。 開始時は身長168cm、体重56kg。特に上半身が弱いため、腕、胸、肩、背中のローテーションを自宅トレーニングで回している。およそ半年経った現在は4kg増の60kgになった。見た目も多少は大きくなってきたと思う。僧帽筋を鍛えたことで肩こりが軽減された。 筋トレを日々続

          動物の祟り

          かれこれ30年くらい前、小学校低学年だった頃。家の近所の林に「猫の死体が入っている」と噂されていた発砲スチロールの箱があった。保護猫の虐待死のニュースが流れてきて、このことをふと思い出した。 自分より少し上の学年の女子グループが好奇心で中身を確認しようと何度か小石を投げていたのを見た。彼女ら曰くどうやら本当に入っていて死体と目が合ったらしく、それからはその道を通る時に目をつぶりながら手を合わせて「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」と念仏を唱えるように謝りながらその道を

          魂の食肉

          いま飼っているジャンガリアンハムスター「ハム公」(メス)の体重を計ったら39gだった。 コンビニに行って内容量39gの食べ物を探した。明治コーヒービーツの小袋が39gだった。ハム公と同じ重さのお菓子。気に留めていなかったお菓子が特別な意味を持つ食べ物に思えたようで、急に愛おしくなった。ハム公が可愛すぎて食べたくなってしまった時はコーヒービーツを食べて発作を抑えようと思う。 コーヒービーツは1袋199kcalだ。もしハム公を本当に食べたとしたら、きっとこれより少ないだろう。

          コンテナの子ウサギ

          今日はハムスターの床材とエサを買うため、昼に近所のペットショップに行った。 小動物コーナーに入ると珍しくたくさんのコンテナが積まれていて、中を覗くと子ウサギやハムスターが入っていた。3段に積まれた45×30×15センチくらいのコンテナには新聞紙が敷かれ、エサとなる牧草、保冷剤とおぼしきボトルが入っていて、子ウサギがそれぞれ2匹ずつ、計6匹がいた。 店に入荷したところに出くわしたのは初めてだったので、面白かった。どこかからはるばる運ばれてきたんだなぁと思うと、よく分からないが無

          穢れた偶像

          ジャニーズの性加害が大きな波紋を呼んでいる。私はファンという訳ではないが、数々の国民的スターを生み出してきた組織なので当然、親しみはある。故ジャニー氏のいけない癖はジャニーズに詳しくない一般人レベルでも噂というか都市伝説というか、限りなく黒に近いグレーとして知っていた人は多かっただろう。人によってはそのストーリーも含めて楽しんでいたのかもしれない。 この件を受けて、色々な企業やメディアがジャニーズタレントを起用しない方針を打ち出し始めている。濃いグレーが完全な黒になり、幻想

          澄んだ水の中へ

          桂浜水族館の館長がカワウソの赤ちゃんを「吸っている」ツイートが何日か前に話題になった。 桂浜水族館は高知県にある私営の水族館で、SNSを通しての広報活動に力を入れており、それにより客足を大きく回復させたという経緯がある。キャッチーな投稿がウケているが、ネット特有の浮足立ったノリがあるといえばある。そこへの反感も少なからずあるようだ。 ネットの世界には、うさぎや猫や犬のもふもふの身体に顔を埋めて吸うという「ペット吸い」のミームがある。このカワウソ吸いもそれになぞらえた行為だ

          人類は「飼い主」を求めている?

          ネズミの楽園実験「ユニバース25」というものがある。 外敵がおらず、食べ物や水も十分にあって生存の危機に晒されない環境で生物はどうなるのか?という実験だ。 結果から言うと、このような恵まれた環境にあるにも関わらずネズミの集団は滅びる。25というのは25回目の実験という意味で、条件の多少違う24回も同じ結果になってしまったそうだ。オスメスそれぞれ4匹ずつから始まったネズミが、文字通りネズミ算的な個体数爆増の時期を過ぎると、集団内の格差が生まれ、メスを独占するアルファオスが登

          人類は「飼い主」を求めている?