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感情をことばにのせる

Essential Emotions|感情のホイール 
感情のホイールという円盤を使って、お話会を開いています。 

会を来月も開くので、そのことについて書き出そうとしていますが、その前に。


 若松英輔さんが書かれた「不滅の哲学 池田晶子」を読んでいますが、なかなか進まず、何度も同じ箇所を読んでしまいます。 

 若松さんが「感情」について書かれたところを、引用します。 

感性的であることは、世に受け入れられやすい。感情的であることは、しばしば非難を浴び、否定の対象になりかねない。通常、「感情的」というのは、おおむね激昂している状態か、制御を失い、暴走し始めようとしている情況を指すのではないか。 だが「感情」は、もっと奥深く、また繊細である。日々の生活の中で、生の感情にふれたと感じるとき、私たちを包むのは何らかの感情ではないだろうか。 感情に包まれた生は、時に傷つきやすいようにも感じられるが、危機にあるとき私たちに必要な魂の糧を見出すのも、感情であることを忘れてはならない。

 

感情のホイールを使ってお話し会をするようになって一年ほど。

 みなさんからお話を伺うたびに、茨木のり子さんの「汲む」という詩にある「頼りない生牡蠣のような感受性、それらを鍛える必要は少しもなかったのだな」という一節を思います。  


汲む ―Y・Yに―   茨木のり子

大人になるというのは
すれっからしになるということだと
思い込んでいた少女の頃
立居振舞の美しい
発音の正確な
素敵な女の人と会いました
そのひとは私の背のびを見すかしたように
なにげない話に言いました

初々しさが大切なの
人に対しても世の中に対しても
人を人とも思わなくなったとき
堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを
隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました

私はどきんとし
そして深く悟りました

大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
失語症 なめらかでないしぐさ
子どもの悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ難しい
あらゆる仕事
すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと……
わたくしもかつてのあの人と同じぐらいの年になりました
たちかえり
今もときどきその意味を
ひっそり汲むことがあるのです

感情って、何層にもあって。

私はホイールの説明をする時に「私という天体」という例えをします。

感情は各所で起こっている気象状況みたいなもの。地球上でも、晴れている地もあれば、寒冷前線通過中の地もある。私という天体上でも、さまざまに波風が起こっている。

まずはその起こっていることに対して「寒い、冷たい」という気持ちに気づいていくこと。

その気持ちがわかってくると、「温まりたい、雨風凌ぎたい」など、今ここでこれがあればという「これがあれば助かる、これが欲しい」という「欲しいもの」がわかってきます。


表層にある感情を、わけいってわけいっていくと

今感じていることは、本当に欲しいものを知らしめるために起こっているんだなぁと感じることがあります。

私の場合は、愛を知るために、こんなにいろんな悲しみや憎しみを感じてきたのだなと今では思います。


よかったら、お話ししにいらしてください。

頼りない生牡蠣のような感受性
年老いても咲きたての薔薇 柔らかく

そこにそっと添うてくれるのは、
目には見えない香りと香りからの言葉です。


6月は三箇所で行います。

東京都 西武池袋線富士見台駅

感情のホイール お話会 横 (1)

京都市 京阪藤森駅

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西宮市 阪急甲陽線苦楽園口駅

感情のホイール お話会 横


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