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【薬局 事務の転職】未経験でもOK?経験者でも陥る落とし穴

<point> 【薬局 事務の転職】
・未経験でもOK?
・経験者も面接で注意しなければならないこと

【更新】2024/03/20

こんにちは!
アロマを暮らしの片隅に置く薬剤師こと元調剤薬局マネージャー ”あき” と申します。

現在、わたしは、病院含め6社の転職キャリアをもつ調剤薬局薬剤師です。
ここ数年は、マネージャーとして事務員採用面接に関わることが非常に多く、今回は、その体験をもとに ”調剤薬局事務” という仕事に興味のある方に向けて筆を執りました。
ぜひ参考にしていただけたら幸いです♬




”調剤薬局事務” 未経験者でもOK?


調剤薬局事務の募集の中には、経験者優遇のケースもあります。
しかし、わたしが担当したケースはすべて、モチベーションの高さはもちろん、対応の柔軟さを重視。
未経験者でも面接し、ご縁あれば採用します。

ここでは、わたしが採用担当した、調剤薬局事務未経験者2名の事例を、一緒に働いたときの印象とともに紹介します。


Episode1.家族の薬を取りに来てくれていたファン 

< 背景 >
入社時30代前半、シングルマザー、調剤薬局事務未経験者。
他業種(卸売業)の事務経験あり。
前職がパートで、フルタイムで働ける職場を希望。
家族の処方薬をもらいに来たことが2度あり、薬局の雰囲気を知っていた。
応募直前にいったん募集を閉めようとしていてハローワークから連絡があり、何とか面接してくれないか?と担当者から熱く依頼されました。

< 1人前になるまで >
未経験者で、入社初期は業務を覚えるまで時間がかかりそうだな…と思いましたが、実直・真面目な性格で周りが応援したくなるような人柄のため、丁寧に先輩がレクチャー。
3ヶ月後くらいにはメキメキ頭角を現し、店舗になくてはならない人材となりました。
また、家族の協力もあって、子育てと仕事も両立できる環境を整えてから、入社してくださったのも大きかったです。
既存のスタッフからの信頼を集めるのも早かったですね。
そして、後にも先にも、今まで採用した中で、この薬局でなきゃ!感がダントツでした。


Episode2.調剤薬局事務に絶対になる!スクール出身者

< 背景 >
入社時30代前半、調剤薬局事務未経験者・ニチイ出身。
他業種(製造業)の事務経験あり。
ニチイのスクールに通い、医療事務・調剤薬局事務を講座を履修。
医療クラークの資格も取得。
募集をかけてからすぐに応募してくれて、その時の募集第1号でした。

< 1人前になるまで >
この方は、とにかく器用。
最低でも3ヶ月かかるところ、1ヶ月もしないうちに、一通りの業務ができていました。
覚えるのがかなり早かったことに加え、気を配ることに長けていたため、先輩事務さんからの信頼を獲得するのに時間はかかりませんでした。
また、その店舗に勤める先輩事務さんたちに対して、ファンなのか!?っていうくらい大好きみたいでした。


未経験者の面接では、「通信教育受けて資格取りました!」「これから通信教育を受けて勉強しようと思います!」と言われることが多いです。
実際、通信教育を受けていると専門用語が混じった説明でも理解が早いようです。
しかし、蓋を開けてみれば、通信教育を受けたか関係なく、モチベーションを維持しながら柔軟な考えや対応ができる方が、1人前になっていくように思います。


”調剤薬局事務” 経験者でも注意が必要!?


調剤薬局事務経験者でも転職先でうまくいかない難しいケースがあります。わたしなりにその要因は2つあると考えていて、それが…
 ・前職との職域のズレ
 ・ブランクの長さ
では、それぞれ理由を解説します。


< 前職との職域のズレ >

どの調剤薬局でも、下記の仕事内容が、事務さんに課せられていることが多いです。
このうち、一部の仕事しか経験していないと、たとえ経験者であっても、前職の記憶が邪魔することもあり、ついていけなくなってしまうケースがあります。
実際、保険請求や売上管理に携わっていない方がいて、「レセプトの見方がわからない」「日計がまとめられない」という事態に陥っているのを目にしたことがあります。
そのため、自分は経験者だから何とかなる!ではなくて、面接のときに、前職と面接先の職域のズレを確認しておくことが必要です。

【調剤薬局事務の仕事内容(各患者さん毎)】
 
・処方箋受付
 ・PCへの処方入力
 ・処方薬準備の補助
調剤薬局事務の仕事内容(毎日)】 
 ・処方箋医薬品の在庫管理・伝票管理
 ・店頭で販売している商品の在庫管理・品出し
 ・備品管理
 ・売上精算・管理
調剤薬局事務の仕事内容(臨時・月1)
 ・PC・プリンタ等の機器類故障時の対応
 ・保険請求(月1)
 ・本社へ売上に関わる書類の提出(月1)


< ブランクの長さ >

調剤薬局の会計の要である ”調剤報酬改定” は、通常2年ごとにやってきます。
つまり、会計の考え方が2年ごとに変わるということなんです。

数年程度のブランクであれば、業務に携わりながらリカバリーするのを目にしてきましたが、10年くらい空いてしまうと、ご自身の努力で左右されます。

薬局の在宅医療の実施を例に取れば、10年前は限りなく少なかったのですが、今はやっていない薬局の方が少ないです。
そのため、事務さんに限って言えば、10年前は医療保険の知識があればよかったのが、今は介護保険の知識も身につけなければならなくなりました。
たとえ経験者であっても、知識レベルに応じて自主学習が必要と考えます。


”調剤薬局事務” 転職したら味方となる参考書


ひとりで学べる 調剤報酬事務&レセプト作例集
調剤薬局の事務さんは、経験問わず、実は、お守りとなる参考書籍を懐に忍ばせています。
そこで、今回、数年にわたり一緒に働いた事務さんが忍ばせていた参考書籍を1冊ご紹介します。気になる方は、下記リンクよりチェックしてみてください!


マネージャーから見た
【薬局 事務の転職】まとめ


”事務” とはいえど、仕事内容に幅のある「調剤薬局事務」。
入社したけど続けられなかった事務さんたちに聞くと、思っていたよりも「仕事内容の幅が広い」という意見がありました。

そのため、向いている方の共通点は「マルチタスクができる」「勤勉」といったところでしょうか…。

また、年単位で調剤薬局事務を続けられている方の入社時の年齢層は”20代前半~50歳”。
このことからも、年齢より、モチベーションの高さや対応の柔軟さが鍵となります。

あとは、今回記事では触れませんでしたが、薬剤師がいないと成立しない業態のため、個性派な薬剤師がいても物怖じしないメンタルの強さも必要かもしれません。

それでは、未経験でも”調剤薬局事務”に挑戦する方の励みになることを願いまして…
この度も、最後までお読みいただきまして、本当にありがとうございました!



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