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【アラスカ旅日記】 トランジットでクラムチャウダー

12月24日午前9時、シアトル・タコマ空港着。

アメリカ北西にあるシアトルタコマ(SEA)空港と、南のほぼ真ん中にあるテキサス州ダラス・フォートワース(DFW)空港は4時間半のフライトで結ばれる。
2都市の時差は2時間。アメリカは広い。


この日利用したのは早朝6時半DFW発のアラスカ航空。
(最近ニュースになっているおじさんの顔がアイコンのエアラインだ。)

DFWからSEAまでは北西方向へ飛ぶため、長い時間夜明け前の優しいグラデーションを楽しむことができる。
窓の外の景色を見るのは、地球を眺めているという感じがして心が躍る。機内の映画を見るよりもずっと楽しい。


空が明るくなった頃に見えてきた眼下のロッキー山脈はまるで龍の背のようだった



到着したシアトルは最終目的地ではなく、トランジットで降り立った。
いつもなら長いトランジットの時間でも空港内で過ごすのだが、今回は長めに時間を確保できるようチケットを取った。その時間を使ってシアトル市内へ足を伸ばそうという計画だ。

シアトルのダウンタウンは空港から電車で40分ほどのところにある。次のフライトまでは約10時間あるので一度空港の外に出て市内へ向かい、空港に戻っても十分余裕がある。
ただ市内をぐるり観光しようというのではなく、目的はただ一つ、クラムチャウダーを食べるため、だ。

頻繁にシアトル出張がある夫は5日前にもこのチャウダーを食べたというのに、また行くという。私も春先にシアトルに訪れた際に既に食べているから無理することもないのだけれど・・・
計画時にはモニョモニョと遠慮とも抗議ともつかない音量で夫に訴えたが、とはいえそうそう私はシアトルに遊びに来られるわけでもないので、この旅程をありがたく楽しむことにした。シアトルの電車に乗るのも初めてだし。

シアトルの交通系ICカードorca
幅は狭いが新しくて綺麗。シーメンス製。
安心して乗れる公共交通機関がある街はいいな。


目的のクラムチャウダーの店はPike Place CHOWDER
シアトル観光では外すことのできない最も有名な店の一つだ。
前回訪れた本店はパイクプレイスという活気ある観光地にあり大行列だったのだが、今回訪れた店舗はショッピングモールの中にあり、並ぶことなくすぐ購入できた。観光客としては少々物足りない雰囲気だけれど、食べるだけなら、確かに穴場といえる。

チャウダーは数種類あるが、なんだかんだベーシックなものが一番我々の口に合うという結論で、迷うことなく「ニューイングランドクラムチャウダー」に。食べ慣れたほっとする味のクラムチャウダーだ。


これはLサイズ13ドル
Sサイズはハーゲンダッツくらい、Mサイズはスーパーカップくらい
Lサイズはその上くらい、か?

具がたっぷり入りしっかり旨みが効いた濃厚なチャウダー。
塩加減も程よく、重すぎないため、どんどん口に運んでしまう。やっぱり美味しい。ベーシックでありながら、セロリがしっかり効いているのと、細かく刻まれたクラムがおいしさの決め手だろうか。ジャガイモは崩れることなくしっかり存在感がある。にんじんは入っていない。

ちなみに添えられているパンがなかなかに酸っぱい。チャウダーと一緒に食べると悪くないが、単体でパンだけ口に運ぶと酸味ばかりが主張する。このパンをくり抜いて中にチャウダーを入れてくれるメニューもあるが、見映えこそいいが個人的にはチョイスしない。あくまでも好みで。


TOP POT DOUGHNUTS

時間もあるし、腹もまだ6分目。
歩いて10分ほどのドーナッツ店へ向かうことにした。
シアトルはスターバックスの1号店もあるカフェの街。歩いているとお洒落なカフェが何店舗も目に入る。

目的のドーナッツ店は「オバマ大統領も訪れた」とか、「全米ベストドーナッツにも選ばれた」という謳い文句の有名店だ。

ドーナッツの種類が多く迷ってしまうが、3種類のオールドファッションとカフェラテを注文する。ずっしり密度が高いが甘さは思ったよりは控えめでサクッと食べてしまった。コーヒーはちょっとクセのある味。
壁一面本棚のような店内の内装が素敵だった。コーヒーを飲みながらまったりと休憩し、夫は15分ほど爆睡していた。


壁一面の本棚がカッコイイ


Amazonのシアトル本社 スフィア
この日はクリスマスでクローズだった


時間はまだたっぷりあるが目的は果たしたので、早めに空港へ戻ることに。

日本での国内線ならフライト1時間前に行けば十分ゆとりがあるが、アメリカでは国内線といえど予測できないトラブルが起こるため、2時間前には空港に行くようにしている。
空港はとても広い上、チェックイン機の故障は頻回遭遇するし、散々並んだ挙句、全く別の列の最後尾に誘導されたり、麻薬犬検査の列があったり理、手荷物検査場がとんでもない長蛇の列だったりと、余裕がないとオロオロするようなことが当たり前のように起こる。搭乗開始時刻も40分前には開始されるため早めに搭乗口にいなければならない。

幸いこの日はクリスマスイブで利用客が少なかったのか、スムーズに検査場を通過することができたため拍子抜けするくらい順調だった。

日本の空港は手荷物検査場の前にたくさん飲食店や土産物店があるが、アメリカは検査前のエリアは全くと言っていいほど何もない。その分検査場を通過したのちには店舗が充実しており、ここでみなくつろいでフライトを待っている。

搭乗するのは午後8時25分シアトル発フェアバンクス行きアラスカ航空。シアトルからはさらに4時間ものフライトとなる。
そしてシアトルとアラスカの時差はさらに1時間。

ここからいよいよ本当の旅が始まる。


アメリカ合衆国50州の中で最大の陸地面積。
ロシアはベーリング海峡越しに目と鼻の先。


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