赤字企業(債務超過)でも銀行は融資を出す?赤字決算のメリット・デメリットも解説
こんにちは。元銀行員 勤続10年、法人融資営業をしていた谷本と申します。
現在は独立して、主に中小企業の財務担当者のアウトソーシング事業を行っています。
「うちの会社は前期赤字だったんだけどお金を借りられるだろうか?」
私のような仕事をしていると、このような質問を本当にたくさん聞くことになります。
結論から言いますと、もちろん借りられる可能性があります。
私は質問された際、このように答えています。
今回は、赤字企業のメリット・デメリットとともに、赤字でも融資を受けられるケースをご紹介します。
決算が赤字で融資にお悩みの方は、ぜひチェックしてください。
融資にお悩みの方は、ぜひ弊社にご相談ください。
(※氏名・社名・業種・Facebook URL・メールアドレスなどを添えてお問い合わせください)
赤字企業とは
決算は、一定期間の収入・支出を計算した上で、利益もしくは損失(損益)を算出することを指します。
支出よりも収入が多ければ黒字、収入よりも支出が多ければ赤字です。
決算にて赤字となっている企業は、赤字企業と言われます。
赤字決算のメリット・デメリット
ここでは、赤字決算のメリット・デメリットを簡単に紹介します。
赤字決算のメリット
赤字決算のメリットは、以下の通りです。
法人税が軽減できる
翌年度以降の黒字額と相殺できる(繰越欠損金)
法人税の還付金が受け取れる
法人税は1年間の利益に対して発生するものなので、赤字であれば法人税が軽減できます。
また、赤字は翌年以降に繰り越して黒字と相殺することが可能です。
場合によっては、法人税の還付金が受け取れる場合もあります。
赤字と聞くと悪いイメージがありますが、赤字によるメリットもあり、戦略的に今期は赤字決算とする企業もあります。
赤字決算のデメリット
赤字決算のデメリットは、以下の通りです。
銀行からの信用を失いやすい
毎年赤字だと債務超過になってしまう
赤字だと銀行からの信用を失いやすく、融資が受けにくくなります。
また、一過性の赤字であれば特に問題ありませんが、毎年赤字だと債務超過になってしまいます。
2期連続の赤字は避けたいところです。
ただし、融資に関しては条件を満たせば受けられる場合があります。
赤字でも融資を受けたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
(※氏名・社名・業種・Facebook URL・メールアドレスなどを添えてお問い合わせください)
赤字でも銀行融資が受けられる3つのケース
ここでは、赤字企業でも銀行融資が受けられる3つのケースを紹介します。
一定の売上がある
売上の無い会社が、これから売上が上がるからという見込みで追加調達を目指すのは難易度が高いでしょう。
銀行は過去の実績を評価し融資をするところなので、そもそも売上の実績がないと、赤字の会社に融資をすることは難しいです。
そのため、何とか売上の実績が付くところまで営業活動を進め、その上で銀行交渉に入ることが望ましいと考えられます。
問題点・改善点が明確である
赤字となるまでには、何らかの問題点や改善点があるものです。
単に売上が足りないから赤字というだけでは、銀行は納得をしません。
例えば、人件費を含めた固定費の削減案なども重要な銀行交渉のポイントです。他にも、粗利向上のための値上げや仕入・外注費の価格交渉(相見積もり)なども大事なことです。
これらについて「これから行います」といった計画段階での銀行交渉では、絶対に響きません。
必ず交渉を終え、結果が出てから相談に行くことをおすすめします。
売上に関するエビデンスと資金繰り表が一致している
どこでどう売上が上がるのか、口頭や文章での説明も良いですが、何よりも銀行が納得してくれるのは契約書や発注書です。
契約が済んでいるのであれば、積極的に提出を行いましょう。
もし契約が済んでおらず、しかし角度が高く銀行に情報提供したいといった場合には、先方の担当者とのメールのやり取りなどの提出も有効です。
「何もないよりはあった方が良い」
こういう目線も持っていただきたいです。
債務超過だと追加融資は受けられない?
債務超過でも、追加融資は受けられないとは限りません。
以下で、詳しく解説します。
融資が受けられないとは限らない
「御社は債務超過なので追加融資はできません」
このように断られたことのある経営者もいらっしゃると思います。
しかし、必ずしも債務超過だと融資が受けられないわけではありません。
もし債務超過なのであれば、大事なのは「債務超過を何年で解消できるか」ということ。
この計画が見えないから、銀行は融資をしてくれないのです。
銀行は、融資をすると返済が正常に履行されないリスクを貸倒引当金として設定します。債務超過の企業に融資をすると、この引き当てを通常の企業よりも多くしなければなりません。
要は利益が減り、将来の返済リスクも負うことになるのです。
貸倒引当金を設定しても、数年の間に債務超過を解消できる見込みをしっかり伝えられれば、追加融資の未来が開けてきます。
まだ諦めないでください!
修正自己資本という考え方も
「修正自己資本」という考え方を聞いたことがあるでしょうか?
これは、例えば社長が会社の資金繰りで資金が足りない時に、会社に入れた(貸付けた)お金を代表者借入金として計上を行います。
この代表者借入金は、金融庁が実質資本金として見るように各金融機関に指示を出しています。
そのため、社長が会社に貸し付けている分だけ、純資産のマイナス分から差し引くことが可能です。
実際に銀行内で格付け作業をする際には、社長からの借入分については疑似資本として考慮します。
(銀行によって対応が一部異なります)
社長個人の不動産担保による借入も同様
他にも、社長が所有する不動産を担保提供して借入をしているものについては実質社長が調達をしているとみなせるので、この不動産担保借入分についても修正自己資本の対象です。
このように、表面上債務超過であったとしても、修正評価をすることで印象ががらっと変わることがあります。
こういった点については、社長自身が銀行担当者に対して交渉を行っていくことは難しいところもあると思います。
私たちは御社の味方、社員(業務委託)として対応を行っております。
お困りごとや、御社の見込みについて聞いてみたいと思われましたらお声掛け頂けると幸いです。
赤字でも融資を受けたい方はぜごひ相談を
今回は、赤字企業でも銀行融資を受けられるのかを解説しました。
条件を満たせば、赤字企業でも融資は受けられます。もし、追加融資を受けられずに悩んでいる方がいたら、ぜひ私たちにご相談ください。
お困りごとや、御社の見込みについて聞いてみたいと思われましたら、気軽にお声掛け頂けると幸いです。
解決方法を一緒に考えましょう。
相談に関する質問については、以下の記事でお答えしています。
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