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「ひらめき力」に必要な3つの眼/その1:ハイビジョンの眼

「ひらめき力」を鍛えるためには、少なくとも「3つの眼」が必要になります。今回はその一つ目の「眼」の話を紹介します。 以前、「「ひらめき力」を鍛えよう/細かく観察してみよう」という記事を書きましたが、
https://note.com/arscie_443/n/nf340a2ecd51e
そこにも書いた通り、ひらめき力に大切なのは、まずは細かく観察する眼。

「ハイビジョンの眼」

とでも名付けましょうか。
とにかく細かく観察する。この時大切なのは、先入観を捨てること。即ち、「客観的な観察」
をすることです。

ハイビジョンTVの画面を想像してみて下さい(もちろん4Kでも8Kでも構いません)。TV画面にはキレイな一輪の花が咲いています。でも、TVは花を描いているわけではありません。意味がわかりますか? TVが映し出しているのは、単なる色のドットの羅列にすぎません。当然のことながら、TVは花や葉を意識していませんから。
なので、身の回りのもので構いませんので、今まで見落としてきた細かい部分も含めて、
解像度を上げて」
観察してみましょう。

加えて、
「色や形に何か意味があるのか? 」
これを想像してみましょう。 答えが合っているかは関係ありません。素直に思ったことを書き並べてみましょう。そして、「こうなんじゃないかな?」と考えてみましょう。

では、たまたま目の前にバンテリンがありましたので、「ハイビジョンの眼」で見てみましょう。

バンテリンコーワ 液S 表面
バンテリンコーワ 液S 裏面
バンテリンコーワ 液S 蓋を開けたところ

本体表面に細い波の模様:切れている場所がない。どうやって包装しているんだろう?
本体の形状:正面は三角形。厚さ方向はほぼ同じ厚さ。これが一番握りやすいのか?
本体の色:薄い緑色。透明や他の色ではダメなのか? 製品のイメージカラーも大きいと思われる。それでもラベルで隠せるからボトルの色は他の色でも良い気がする。
蓋の形状:細い溝が刻んである。開けやすいようにだろう。線の太さや深さはどうやって決めたのか?
バンテリンコーワ液S:「S」ってなあに?
塗布部:孔径はどうやって決めたのだろう? 孔径を大きくすると消費が増えて沢山売れる?(薬事法でアウトかな?)
素材:塗布部を止めている部分だけおそらくEVOH。他、本体,キャップはPP、塗布部はPE。何故塗布部だけ素材が違う? (ちなみに調べたところ、EVOHはガスバリア性がプラスチックのなかで最も優れているらしいです。内部の成分の揮発を抑えるためにEVOHを使用?それなら塗布部PEからの揮発はどう考えるのか?)
プラ組成:本体のPPにアンダーバーが入っているのは? 主成分という意味? (調べたところ、その通り>)
量の確認:普通に置いた状態で中身の量を確認することはできない。どこか確認できる窓があった方が良いのでは? 日光を遮るため? それならもっと不透明な容器を使った方が良いのでは?
適量を塗布:「適量」とはどれくらい?

などなど、たかが一つの薬の容器を見ても、沢山の気づきがあるはずです。 この「ハイビジョンの眼」を身につけると、とにかく、色々なものが気になり出します。身近な製品はもちろんですが、外に出て歩いていても、電車に乗っていても、山にハイキングに行っていても、目やその他の五感から入ってくる様々な情報が、新しい想像を生み出すようになります。

私は、これを自然観察で鍛えました。普通の人が10分で歩く散歩コースを、私は1時間かけて歩きます。なぜなら、ほとんどの時間立ち止まって道ばたに座り込んで、草花や虫を観察しているからです。じっと見れば見るほど、新しい発見がどこにでもあります。

さて、皆さん、すぐ近くにある何かを「ハイビジョンの眼」で観察して見ましょうか。それが、「ひらめき力」を鍛える第一歩になります。



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