大腸がん日記 127日目
この土曜日、本当はサントリーホールへ演奏会を聴きに出かけるはずだったんだ。
初めての反田恭平さん。
初めてのジャパン・ナショナル・オーケストラ。
初めてのピアノ弾き振り。
楽しみだったんだけど、どうしても仕事の都合でキャンセルとなってしまった。体調がよかっただけにキャンセルがとても悔やまれた。
でも、抗がん剤の副作用で仕事を休み過ぎたのが原因だから仕方ないのだけどね。
そういえば、このチケットを手配したのは大腸がんの告知を受ける前だった。あの頃と、今と、違う自分を生きているんだな。
あるわけないのだけど、罹患していない世界線に嫉妬する自分もいる。醜いね。やめよう。
で、この日の仕事は部署とは別の場所での軽作業。”軽“といっても今の私にとっては少し重労働ではあった。こんなところでも、病を意識せざるを得ない悲しさというか、惨めさというか……。やめよう。
自分の体を一番に考えれば、もっと楽な作業に変えてもらったり、他の人に変わってもらったりすることもできた。でも休み過ぎで職場に迷惑をかけたことを思うと言い出せなくて。
勤務時間は半日だけ。だから、なんとかなるだろうと腹をくくったのだけど……
ようやく作業を終えて自席に戻る準備をしていたとき、気が付いた。
なんかヤバいかも?
で、慌てて戻ってトイレへ駆け込むと、やはり失敗だった……
【注】 ここから先、ご不快な表現があるかもしれません 【注】
職場では初めてのことで正直なところショックは大きかった。幸いなことに被害は最小限に抑えられたけど。
これを女性の特権と言ってよいのかわからないけど、私の場合、失敗するときはほぼ少量の液体のみだから、おりものシートを付けていればどうにかしのぐことができる。最小限の一次対応はどうにか対処できた。
その後、席に戻ってバッグからお着替えポーチを持ってもう一度トイレへ。
はあ、演奏会じゃなくて、よかった。
そういえばうちの職場、簡易だけど更衣室にシャワールームもあるんだった。
こんなことを考えたくはないけれど、本当に最悪の場合には使うこともあるかもしれない。ロッカーに最低限必要なものだけは揃えておこう。
【注】 終わり 【注】
この日はお昼にスロージューサーで人参ジュースを作って、午後には前日と同じようにエア断食道場を楽しんだ。
夜は最後の一袋だけ残っていた焼きそばをようやく片付けて、食後のデザートはガトーショコラ。濃厚で美味しうございました。
あれだけ免疫力だのなんだの言いながら、夜に激甘スイーツなんてどうかしてる?でも、この日はいろいろあった。だから心に栄養をプレゼント。
こんなときもあります。
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