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大腸がん日記 128日目

この日は日曜日で仕事はお休み。もうすでに休日の日課となった人参ジュースを作って、100%りんごジュースで割って朝食にする。
ジュースを飲みながらジューサーの片付けとしょうが紅茶の用意もして、断食のまねごとをしながら洗濯、掃除、アイロンがけ、どんどん片付けた。さすがおとめ座満月期。整え感&はかどり感がハンパない。

次の外来受診まであと10日。先の計画のためにそろそろ頭を切り替えなくては。すなわち、

●このまま術後補助化学療法をやめるのか?
●あるいは同じCAPOX療法を続けるのか?(続けられるのか?)
●何か別の薬を採用するのか?(FOLFOX?)
●飲み薬だけの単独療法は選べるのか?(ステージによるのか?)

などなど。
先生からどんな選択肢を提示されるのか、今の私にはまったくわからない。だから事前に勉強しておく。

どんな選択肢がきても、自分がどうしたいのかを答えられるように。
答えを決めることができないときには、自分がどこで or 何で迷っているのかを明確にして、解消できるような質問もしたい。

私は心配性で優柔不断で頭の回転が遅くて口下手だから、短い診察時間でちゃんと納得できるように、しっかり準備しておかなくちゃ。

患者用ガイドラインや今まで病院からもらった資料、手帳のメモ書きなんかを読み返していて気付いた。
この日はちょうど術後2か月だった。

手術はとてもツラかった。
術後の痛みは人生で一番痛かった痛みのさらに10倍くらいあった。確か、術後の丸2日間くらいはほとんど動けなかったし。
癒着を防ぐために歩かなくては、と私より小さな看護師さんに覆いかぶさるようにもたれて病棟を歩いた。あの最初の散歩の痛みといったら……あの看護師さんには申し訳なかったな。

でも、術後の回復がとてもうれしかったんだ。歩く、食べる、お風呂に入る。そんな当たり前のことが「こんなにできた!」と思えて、小さな事柄がとても大きな幸せになっていた。

術後に初めて介護士さんにシャンプーしていただいて、あの気持ちよさは忘れられないな、とか。入院中はご飯を食べながら何度も泣いたな、とか。約10日ぶりの階段上り下り、怖かったけどがんばれたな、とか。

昨日より今日、今日より明日、ほんの少しだけど回復してくると自信が持てた。病気の回復は日にち薬だとよく聞くけれど、この2か月間はまさにそれを体験してきたんだな、と。

抗がん剤は副作用がツラいけど、これもいずれ回復する。そして今、見えないがんと戦うことは5年後、10年後のがんを防ぐということ。
前向きに、向き合おう。

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