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「ル・パルクの色 遊びと企て」ジュリオ・ル・パルク展 銀座メゾンエルメス

所要時間:40分ほど(私は見るのがゆっくりな方です)
混雑:平日11:15くらいから入場 空いていました

「ル・パルクの色 遊びと企て」ジュリオ・ル・パルク展を見に行ってきました。
銀座メゾンエルメスでの展示です。
正面ではなく、奥の旧ソニービル(現 Ginza Sony Park)の方に回って入ります。

一言で言うと、
色彩実験のような展示・巨大モビールの迫力が魅了的な展示でした!


ジュリオ・ル・パルクについて

ジュリオ・ル・パルクはアルゼンチン生まれでフランスで活動しているアーティストです。
1928生まれなので、今年93歳(!)です。

美術学校時代に幾何学的な芸術に傾倒しました。
バウハウスのモホリ・ナジやモンドリアン、ヴィクトル・ヴァザレリなどに影響を受けます。

実験的に作品を作成していたそうです。
作者はインタビューで「私の作品は実験の結果」と語っています。

また、パルクは視覚芸術探究グループ(GRAV)というグループの設立メンバーで視覚的実験を試みる作品も作成していました。
他にも「経験」と向き合う活動もしました。
例えば、サンジェルマン大通りで風船とピンを配る、カルチェ・ラタンで映画を観にきた人たちにホイッスルを渡すというようなユニークな取り組みです。(ただ美術館やギャラリーで絵や彫刻を見るだけにとどまらない取り組みです。)

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作品について

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色彩や形状の実験
パルクの作品は多岐に渡りますが、今回の展示は色を主題としているそうです。黒や白を混ぜていない14色を基本とした色の組み合わせで作品を構成しています。
色の組み合わせを検証しているシートが展示されていて、
まさに実験だなと思いました。

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白黒
白黒の作品は初期に研究されたものだそうです。

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↓こちらのグラデーションになっているものはとても美しかったです。

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鮮やかなモビール!
前述の14色を使ったモビールは迫力の大きさです。
このフロアは14色が鮮やかに配置されていて、とても華やかな展示室でした!

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銀のモビール
こちらも大きく、とてもキラキラしていて、存在感大でした。

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帰るときに気づいたエレベーターの仕掛け
エレベーターを下ると、その動きに合わせて線が動きます!とても面白いです!
登る時は気づかなかった・・・汗
「ロング・ウォーク」という作品をエレベーターと組み合わせた作品のようです。

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ル・パルクの展示は「実験」というのがキーワードだなと思いました。パルクは若い頃から仲間と芸術活動をしていて、しっかりとした思想を常に持っている方のようです。例えば、格差や支配の問題など。視覚実験のようなことや、経験を通して鑑賞者と向き合う作品などを通してアートとは何か、社会に対して何ができるのかを問うているのかもしれません。

こういった少し解釈が難しそうな展示こそ、もっと自由に見てもいいのかなと思いました!単純に、前段階の情報がなくてもエレベーターも面白いですし、あの大きさのモビールを見ればとても圧倒されると思います。



「ル・パルクの色 遊びと企て」ジュリオ・ル・パルク展
銀座メゾンエルメス
2021.8.13(金)~11.30(火)


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