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言葉遊びを可視化する ムラマスさん

こんにちは、Art isの里見優衣です!

私はアートや芸術家さんとの出会いを求めて全国旅をしていますが、以前に取材をさせていただいた自由漫画家のマンバンライノさんに、ある芸術家さんについて教えてもらいました。

その方はちょうど福岡県博多駅にあるPARCOの展示会で、グッズ販売もしているということで、突撃インタビューに伺いました。

■ムラマスカツユキ氏
illustrator/conceptor
佐賀県唐津市出身 “表現の追求”“面白さの追究”という考えの中で絵に出会い『キャプションの言葉遊び』から発想しイラストに起こす現在のスタイルに成る。
緻密なイラスト、それに寄り添うように練られたキャプションとタイトル
沢山の『面白い』要素を含んだ作品を制作する。
HP:https://1dollarwonderland.jimdofree.com/
SUZURI:ムラマスカツユキ
Instagram:muramasu1988

ーアートに興味を持ったきっかけを教えてください!

元々絵は見るのも、描くのも好きでした。しかし長年ウェイトを占めていたのは『音楽』で、音楽の専門学校に入り福岡にきてしばらくバンド活動や作詞作曲等の音楽活動を行っていました。

その活動自体は面白かったのですが、やはり純粋な音楽活動だけで生活をするのはキツくなってきて、アパレル業に就職しました。そこで、強いストレスがあり活動が出来ていない自分とリンクして陽と陰エネルギーが自らを省みさせた時に『歌詞に曲ではなく、絵が寄り添うとどうなるのか?』と思うようになり本格的にイラストを始めるきっかけになりました。

ーなぜ音楽やアートが好きなのですか?

思い返してみると、リアルタイムで2000年頃の日本のロック音楽のシーンを見てきて、抑圧された気持ちが開放されるような快感を感じていました。今は更にアート(表現)によって爆発しているような気がします。

私自身、4歳で自意識を始めたものの、(悪い意味ではなく)空気を読むことが重視された家族内で「いや」と上手く言えず、表現の仕方が下手で意見の言い方が分かりませんでした。家族みんなが面白すぎて、常に傍観者になっていたのだと思います。

だから今“自分を表現すること”が『開放』に繋がり、『何度目かの青春』の様なワクワク感が有りますね。

ー最近作ったお気に入りの作品を教えてください!

オリジナルシリーズ78作品の「Crane in the Clouds.雲中白鶴(うんちゅうはっかく)」ですね。

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数ある言葉遊びの作品の中で最初に哲学的な解釈、思想が顕著に出ている作品だと思います。3年くらい前の作品ですが、文章の解像度や社会への疲弊感が表れていて好きですね。

基本的には動物(人物を描くと感情移入が散漫になり“言葉”との『寄り添い方』のバランスが理想では無くなる為)をモチーフにしていて、例えば「鶴をモチーフにすることを考える」 → 「鶴のことわざや四字熟語を一通り調べる」 → 「更にダジャレや英語、既成の著作タイトル、たまには数式なども用いてタイトルを考える」→「今までの作品を汲んでみて『偏りはないか?』全体のバランスを観る」→「キャプションの内容を大まかに決める」→「描く」→「イラストの出来と文章のバランスを取りながら完成」といった流れです。

ー影響を受けたアーティストはいますか?

絵柄は漫画家の熊倉裕一さんのテイストは強く受けていますね。構図は書道などの余白を大切にしています。写真家の植田正治さんのノスタルジー感、音楽だと車谷浩二さんのAIRというスタイルは幼少の頃より憧れていました。ファッションの文化は、人のcultureの流れ“人間らしさ”を感じれて好きです。お笑い全般も好きですね。最近だと、親鸞聖人の“まは、さてあらん”の諦念的な考え方。まぁ、色々です。
アート思考のモットーは『Love is art.Struggle is beauty.』です。(明治期の彫刻家荻原碌山さんの言葉)

ー制作活動の目的やこだわりは?

現代に不足している“思考体力”を養う為に『哲学することは面白い』と感じてもらえる作品作りを心がけています。

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生きる世界で愛(アート)を見つけるきっかけになって欲しいと思っています。

ー制作活動をしていて嬉しいときは?

展示会や今回のインタビューでもそうですが、作品を通じてこうやって人と話してつながりができていくことが嬉しいです。

ライブの演奏をしている感じと近いですし、もしかしたら音楽活動の時よりもライブ感があるのかもしれません。

ー大事にしている価値観や人生観は?

人間みな “平等” ということです。

主観でしか生きられないのであれば『幸も不幸も同じ分だけ味わう』という考え方は「生きていく」という前提の上で“ポジティブ”を生む要素だと考えています。

いろんな価値観や表現が出てくることに対して思いを巡らし、それはいずれ自分と相手の境目の色がなくなると思います。『空』の思想ですね。

ーあなたにとってアートとは

行動の全てはアート(表現)であり、社会の上でそれこそが『愛』そのものです。相手を想い相剋する事は美しさである、まさに『Love is art.Struggle is beauty.』

生きていることに意味を感じられる “ きっかけ ” です。

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