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蕁麻疹は大変

昨日の夜、6歳の子供の身体の全身に蕁麻疹が出た。私は蕁麻疹を経験したことがないのだけど、出やすい友人に聞いた話では、地獄のような苦しみらしい。掻けばかくほど、全身にみみずばれのような蕁麻疹が広がっていく。夜だから皮膚科はやっていない。「かゆいかゆい!」と騒ぐ息子に、患部を冷やすアイスノンを渡しながら、無力さをかみしめていた。

思い返してみれば、子どもがまだ4歳の頃にもよく蕁麻疹が出ていた。お医者さんによると、蕁麻疹は原因がわからないのがほとんどらしい。ストレス性もあるし、食べ物の場合もある。あの頃は、息子も夫も私もみんな大変だった。私は入ったばかりの仕事が合わなくて、毎日憂鬱で。息子も息子で、保育園の新しい担任の先生とうまく行かず、休みがち。部署移動したばかりの夫は忙しくて帰宅が遅かった。家事はほぼ私のワンオペ。なかなか寝付かずに蕁麻疹がかゆいと叫ぶ息子に薬を塗りながら、「明日も朝5時半起きなんだけどな」とか考えていた。

自分に余裕がないと、子どもがかわいいと思えない。あの頃は、いつもイライラして子供にもひどく当たっていた。殴ってしまったことも何度もある。私は親の機嫌で殴られる家に育ったから、あんなに嫌いな父親と同じものになったとすごく嫌だった。自分に余裕がなくなると、子どもを大切にできない。自分より子供を優先するのが無償の愛だとしたら、私にはない。親としてどこか欠けているんじゃないかと思う感覚は、今でも残っている。

でも、昨日目の前でかゆいと泣いている子供をなんとかしてあげたいと思った。代わってあげられるなら代わってあげたい。それは転んだ人に手をさしのべる親切心のようなものかもしれない。でも愛に似たものだって私にも少しはあると思いたい。うまくやれないけど、息子になるべく痛いことがないようにと願う。その気持ちはもっと大切にしてもいい。腫れが落ち着き寝息を立てる子供の寝顔を見ながら、そんなことを思った。

今朝、子どもは蕁麻疹が引いて、元気に学校に登校していった。あんまりうまくいかないこともある日々の中で、少なくともこれまで一緒に生きてきたし、そうやってこれからも一緒に生きていくんだと思う。蕁麻疹、もう出ないといいけどな。

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