おやすみ

雪でした。

もう雪が降ったって喜びやしないわ、
だって大人だもの、
と斜に構えた文章を書きたかったのだけれど、
お昼過ぎにコンビニに行くとき、
玄関の淵に積もった雪を見て、さわって、
やっぱりウキウキしてしまいました、
わたしはこどもをつづけている。

でも、きっとみんな
大人になんかなっていなくて、
その証拠にインスタグラムの
ストーリーズはまっしろけ。


東京の、あっちの雪景色、そっちの雪だるま。
はしゃぐ猫、鳴くネコ、
こたつで丸くなってたまるかという気概。
よく寝る子だから、寝子なんて、
金輪際誰にも呼ばせないんだからねと、
ああ新年早々叱られた気分。
でも悪い気はしないね、ね?

瞬きの間に、夜。
雪は止んでしまったようで、
短い夢から醒めてしまった東京。
それを、わたし、見る、窓から。
白い世界、寒さは、感じない。
感じていない、はず。

わたし、気付く。
街の代わりに、わたしが夢を観なきゃ。
ベッドの上に、体を横たえる。
映画のような雪景色が、
網膜のスクリーンに映し出される。
ああ、なんて綺麗な、
幻影。


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