ディベート甲二子園「名講評・判定」スピーチ“列伝”第四回 天白達也さん

第22回ディベート甲子園(2017) 高校の部 ・準決勝 第2試合
[論題]
「日本は企業に対する正社員の解雇規制を緩和すべきである。是か非か」 
*ここでいう緩和とは「人員整理の必要性」および「解雇回避努力義務の履行」を整理解雇 の要件から除外することとする。
肯定側 渋谷教育学園幕張高校 否定側 筑波大学附属駒場高校
主審・天白達也さん(全日本ディベート連盟 理事)
動画はこちら

第1部 講評・判定スピーチ■

<1.> 講評


両チームの皆様、お疲れさまでした。死力を尽くした、というところだと思いますけれども、いよいよ準決勝ということで勝った側が決勝戦、負けてしまった側はこれでおしまいということになりますが、非常に重要な試合です。非常に沢山の方に来ていただいておりますけども、まさに準決勝にふさわしい熱戦だったと思います。


両チーム共ですね、関東大会から何度もお互い意識しているような相手でまさにライバルだということだと思いますけれども、で私も試合を何度か見たことがあるかなと思うんですが、その頃の議論とは全然違う、非常に洗練された素晴らしい議論だったと思います。

ここにいらっしゃる方々、おそらく選手でバリバリやってて「こいつらよりも俺の方がよかったぜ」とか思っている選手ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんけれども、そういう現役の選手の方、それから親御さんの方々、あるいはなんですかね、ふらっと来て「ディベートってなんだろう」っていう――まあさすがにそれはあんまりいないかもしれませんけれども――非常に色々な方がいらっしゃってたと思うんですけれど、おそらく全体の感想といたしましては、まあまず1つはまずちょっと「速いな」と。

つまり、非常にこう、詰め込んだ議論が出てるなと。これはまあ実はジャッジもそうかなと思ってるんですが、しかし、非常にお互いにですね、議論の応酬が激しい、相手が言ったことについてきちんと根拠を検証していく、そういうレベルの高い試合だったということは――中身をどこまでついていけるかというのはもしかしてちょっと慣れがあって違うかもしれませんけども――感じていただけたんじゃないかなと思います。そして何より私がすごく感じていますのは、まあ両チームとも非常に楽しそうに試合をしている。でもこれってとても大事なことなんですよね。

もちろんあと20分位しゃべった後におそらく片方はもうそんな気分じゃなくなって、落ち込んでしまうんですが、ただ、やはりここまで議論を楽しめるということがディベートの大事なことだと思うんですね。今回のテーマというのは、「解雇規制の緩和」という非常に難しいテーマ、大人であってもなかなか尻込みするようなテーマですけれども、こういうテーマに、論題発表が2月頃からですから、およそ6か月、半年取り組んで、まさにこのスピーチ自体はですね、大変短い、全部合わせても1時間弱ですけども、この短い時間に、それぞれのスピーチ6分とか4分ですね、その中にいかに自分が有効な議論を入れていくか、というためにはすごい膨大な時間があるわけですよね。どちらかというとこのレベルになると、「何を言うか」じゃなくて「何を言わないか」「どの議論を選ぶか」っていうレベルにもういっていると思うんですけれど、まさに今日出なかった下に、すごいですね、そこに、沢山の議論があると。それが今回出てきているわけですけども、すごい積み重ねというものがある。そしてその積み重ねを我々楽しんでいるわけですけども、選手自身が相手の議論に対してどういう風に反論してやろうかと、自分たちはこういう風に思っているけども先の先の先を読んで議論している、それを非常に楽しんでいるということが私は嬉しいですし、ディベートの一番の教育効果だと思っています。

社会に出て、もちろんリサーチ力とか、論題の知識…というのが関係するかどうかっていうのは論題によりますけども、色々論理的思考力とか、色々言われるんですけれども、ディベートでしか得られない物というのは、私は個人としてはやはり「議論を楽しめる」ということだと思っています。仕事なんかでですね、色々理屈を作るような仕事っていうのは正直楽しいかって言ったら辛い事が多いんですけど、ディベートというのはある種そこを離れてですね、勝っても負けてもそれで日本が爆発してしまうことも無いわけで、そういう中で、でも真剣に日本の将来について考える、どういう風に説得するかと詰めていくと、その議論そのものの楽しさを知っているか知っていないかということで、これから本当に議論しなきゃいけない局面に出会った時にどういう風に対応するかっていうのは違ってくると思います。そのディベートの一番大事なところに今回の選手、もちろん聞いてる方々もそう思われているんじゃないかと思います、今日の試合、とても楽しかったと思いますけれども、そういう場面に皆さんが一堂に会しているということ自体にジャッジ一同としてとても幸せな気分になっているということを最初にお伝えしたいと思います。

<1.1> 大きなストーリーがある試合

というところで、徐々に中身に入って行こうと思うのですけれども、今回の総評というよりか大きな意味で申し上げますと、レベルがとても高かったです。何が高いのかというと、お互いですね、大きな議論のシステム、つまり単に「このテーマを、プランを採るとこういうことが起こります」っていうだけでなくて、その前提・背景として「これからの日本はこういう風になっていくんだ」という分析、「だからこうしていくんだ」という議論、肯定側であれば今もう企業に栄枯盛衰というのは激しくなっていて、このままでは倒産みたいなもたない会社も出てくる、だからこそ状況を変えて新しい産業を作っていくなりもっていかなければいけないんだと、大きな話が出ている。否定側は、そもそも失業というものの関係っていうのは景気変動というような大きなものであって、その中で雇用対策を考える上では、不況期にいかにダメージを小さくするかっていうことを考えなきゃいけないんじゃないですかっていう、大きなストーリーをもって議論している。その中で、個々の議論を位置づけようとする。ここが非常にレベルの高いところだったのかなあと思っています。

ということで非常に充実していた試合ではあるのですが、いくつかですね、折角このレベルの高い選手ですので、敬意を表する意味でも、更にこういう議論をすれば、というところをいくつか申し上げますと、まず1つ目ですね、大きなところとしてですね、やはり若干議論が過剰だったところがあるんじゃないかなあというようなコメントもあり、まあそれはそうだろうと思っております。具体的に何かというと、端的に言えばもう少し落ち着いて議論を絞ったほうが良いんじゃないかっていう話になるんですけれど、どういうことかっていうとですね、今回やはりいろんな概念が入り混じっている議論があると思うんですね。

例えばなんだろうね、肯定側の議論っていうのを…否定側もいくつか指摘はありましたけども、これって例えば…なんだろう、どうして雇用の…解雇規制を緩和すると雇用が増えるのか、っていうのは実は理由っていろいろあるんだと思うんですよね。で肯定側は「新しい産業ができるから」って言うんですけれど、本当はいわゆる雇用の流動化、要するに解雇しやすくなることによって一回採ることも簡単になると、そういう要素も多分入っているんだと思うんですよね。肯定側はそれは論じていなかったですけれど、多分色んな要素が入り混じっていて、その結果が統計段階にも出てくるんだと思うんですね。

否定側もそうですよね、いわゆる解雇規制のせいでという風に言ってはいるんですけれども、「どうして雇用が維持されているのか」とか、解雇した後に緩和すると…解雇されるのかとか、あと何だ失業率が高いとか低いとかいう話があるんですけど、それも肯定側から「リーマンショックの影響は日本と海外と違うからじゃないですか」みたいなやり取りもちょっとあったりしましたけど、「どうしてそうなっているのか」っていうところは多分色んな考え方があるわけですよね。そういうところをバーっと速い分析で流してしまいますと、結局「何でそういう風になっているんだろう?」というところが考える間もなく流れてしまって結局ジャッジの理解が落ちてしまうということがあると思います。ですので、もう少し話を絞って説明に時間を割いた方が良いだろうと思います。

特に今回、データが色々出てますよね。それは、OECDで比較するとこうなってるんだとか、日本ではどうだ、スペインでは2000何年にどうだとか、いろんな話が出てたんですけども、やはりそのデータはわかるんですよ。だけども、「なぜそうなっているのか」っていうのを説明しないとジャッジとしては納得できない、やっぱり人間というのは理屈を求めるわけですよね。で当然データにも理由があるわけで、その理由をどういう風に付けていくかっていうことが説得力に大きく差を出す。

例えばそうですね、今回の試合でもうちょっと議論しても良かったなと思うのは、これは肯定側も質疑で聞いていて、「おっ、もっと聞かないかな」と実は思ってたんですけれども、否定側が非常に主軸に据えていた「リーマン後にどういう風にその失業していたか」、日本はリーマンショックでもあんまり失業していなかったし、実はすぐに回復しましたみたいな話をして、一方でアメリカはもうむちゃくちゃだったじゃないですか、とかね、そういう話をされてたと思うんですけれど、肯定側は「それってだって日本はリーマンショックの本場じゃないじゃないですか、アメリカとかヨーロッパでしょ」と。「だからちょっと離れてるんじゃないですか」っていう話で、資料持ってますけど?みたいな話のやり取りありましたけれども、本当はもしかしてそこは「いやじゃあちょっと読んでみてくださいよ」と言った上でやっても良かったかもしれないんですけど、それはちょっと細かな戦略の問題ですけれども、もっと、どうして失業率が日本とアメリカ、ヨーロッパで違うのか。これほっとくと否定側の言うように「いやー日本は良い法律がありまして」っていう話になるかもしれないけど、でも肯定側はそこにアタックしないといけないですよね。データとして確かに事実はありますと。

日本の方が失業率低いです。だから否定側の言うように完全雇用になっているかもしれないけど、なんでなの?っていうところは議論の余地が大いに開かれていて、実はそれは肯定側にとっても議論しなきゃいけないとこだし、否定側も実はそこは説明をちょっと流しちゃってるわけですよね。ここはもっと議論してほしかったと思います。

それからですね、例えばついでに言うと、肯定側がこれは反論か…の中で「再就職しやすくなります、プランの後では」という話をしていて、その関係でやっぱりまたOECDのデータが反論で読まれていたと思うんですけれど、OECDが研究した結果確かに長期の失業率っていう長期の失業というのはどうも解雇規制が厳しい方が長期失業が長くなるらしいと。うーんそうなんですかねぇと。まあ多分それはそういう分析があるんでしょうと。

じゃあ、「なんで解雇規制を厳しいと長期失業になってしまうんですか?」っていうところは、そのデータは何も説明していないし、今回肯定側もあまり説明してくれなかったと。そこにもし説得的な理由が付けば、そのデータを基にこの議論は肯定側のいう通り採りましょう、となるかもしれないわけですね。なので、「分析が出ているからじゃあその通り採りましょう」って言うかというと、そんなにやっぱり人間て単純じゃないと思うんですよね。あくまで「どうしてこのデータが重要なのか」という理由付けと共にデータが述べられることではじめて「あ、なるほど」と。「それはそうだろう」というような形で判定に大きな影響を与える、ということで、今回沢山のデータが出てたんですけれども、実はジャッジによって当然「じゃあこれを採りますか」とか、そういう感覚は違うわけですよね。それをどういう風にコントロールして「ここ、このデータ、この事実がこの試合で大事です、この論題で大事です」というところに深める、それは今回どちらかというと材料を出しすぎて若干生焼け感がやっぱあるわけですよね。

もう一歩そこが、踏み込んでほしかったという。レベルが高い話ですよ、だって今スピーチ聞いたらわかるように全然余った時間無いですからね。だけども、皆さんに多分あるとすれば、もしかして論点を1個減らしてでも大事なところを煮詰めていった方が結果的には仕上がりが良くなるかもしれないよ、というところです。それが大きく思ったところ。


<1.2> なぜ、このような制度があるのかを深堀する必要性

あともう1つはですね…もう1つはと言ってるとまたまあ色々大変なんですけども、もう1つやはり、折角なんで申し上げますと、今回の試合、大きなシステムの話をしてるって非常に良かった。これはね、間違い無いんです。間違いは無いんですけども更に一歩深められたんじゃないかなという事も思ってます。それはまあ色々あるんですけども、1つは重要性・深刻性というところでもしかしたらもう1歩深い議論ができたのかもしれない、という気がしてます。

ちょっとだけ具体的な話に入ってしまうんですけど、肯定側は最後に、「このメリットがなぜ重要か」っていう話で、1つは「それはだって雇用はやっぱり作んなきゃいけないでしょ?」って話はまあそうなんですけど、最後に2つ目ということで、国の…企業になんかこう雇用させる、とかなんか責任転嫁はやめましょう、みたいなお話を出していたと。でこれってよく聞くと「新しい産業を沢山作りましょう」って話と若干距離があって、言ってしまえば否定側のデメリット対策なわけですよね。つまり否定側は「いややっぱり雇用を守らなきゃいけない」みたいな話をしてくるんだけど、それに対して「いやそういうことの押しつけはよくない」と、「企業に合理的にやらせよう」という話をしようとしてるんですけど、ちょっとなんかこう前のめり感があると。本当は肯定側は前に大きな話で「このままだと日本はどんどんどんどん産業がついていけなくなるんだ」と。

で「その不合理な規制のせいで倒産なんかもいくかもしれない、だから新しい産業を」みたいな大きい話してるわけじゃないですか。だったら締めもそういかなきゃいけないと思うんですよね。まさに企業に自由にやらせないとこれから競争勝ち残っていけないんだとか、そういう話なのかなって思ってたら最後がすごいこうデメリット対策みたいな感じで、若干ジャッジ的には「なんかあれだな、小賢しいな(笑)」みたいな感じになっちゃうわけですよ。本当はやっぱり最後まで夢を見せてほしいというのが1つですよね。

デメリットはどうかって話でいうと、デメリットはですね、雇用調整っていう話でこれはある種固いわけですよね。多分まあ1つは不況期の雇用を調整しましょうっていう話は良いんですけど、議論としてありうるとすれば、まずは肯定側もまさに重要性で言ってたんですけども、「いやそんなもん企業に負わせるな」っていう話も当然あるわけで、もっと言うならば今回そこまで問題になってないんですけども、「雇用を守るためにある種不合理な形で、本当は必要ないんだけども雇い続けなきゃいけないっていうのはやっぱりそれって企業にとってかえって問題なんじゃないの?」とかいう議論もありうるわけじゃないですか。

だから、やっぱそれを正当化するようなストーリー、あるいは労働法の理念みたいな形もあるかもしれませんけども、まさに「解雇規制というものがなぜあるのか」ということ、まあもちろん景気変動からの中で雇用を調整してるんだっていう機能、あると思うんですけど、それこそがまさにこの制度に求められてるんだとか、そういうようなもう一歩深い分析というのがあった方が良いのかなという気がしました。

というような話で非常にだから今レベルが高い話を繰り返し述べてるんですけれども、お互いにですね、大きな絵も描けていて、沢山それに沿った議論出てるんですけども、よりシェイプアップしていくというか煮詰めていく作業ですよね。多分言いたいこと沢山あるんですよ。だけどもやっぱり時間は限られている。その中でそれをいかに美味しそうに見せるかっていうところでもう一歩更に努力の余地があるんじゃないかと、それはぜひ次の試合、あるいはこの試合、残念ながら終わってしまった側についても、もしかしてこの先のディベートを続けるか、あるいはこういう風にですね、議論を使って人を説得しなきゃいけない、あるいは説得でないにしろ自分の中で大事なことを決めなきゃいけないという時に、何を重視すべきかと。そういうところの判断で活かしていただければと思う次第です。

ということでですね、かなりの時間を消費しておりますのでそろそろ中身、気になる中身に入っていこうと思います。

<2.> 判定

<2.1> 論点評価: メリットの評価

肯定側からいきましょう。
メリットはですね、大きな話といたしましては既に触れているんですけれども、今ですね、企業がどんどんどんどん栄枯盛衰の時代であって移り変わっていくと。これから先はですね、潜在余剰みたいな、人が余ったりしていて、倒産なんかも出てると。ちょっとこれもなんか否定側から「前の話とつながってませんよね」みたいな指摘もあったんですけれども、そういう状態の中で、今解雇規制があるせいで企業がある種縛られていて、不採算事業を畳んで新しい所に行くみたいなのがなかなかできないと。そこで、プランを採って、解雇規制を緩和することによって新しい事業に行きましょうと。実際その新しい事業に行かなきゃいけないと企業は結構思っていて、そのために緩和することによって生産性が上がるとかですね、新しい事業に行く、というようなお話がざっとされていたという理解でございます。

その中で、個々の例ですね、OECD諸国の研究というので若年・女性層は実際雇用が増えてるんですよという話でありますとか、あるいはスペインでは実際に雇用が、解雇規制を緩和した後に雇用状況良くなっているんだ、というお話が出ていました。

これに対する否定側のチャレンジというのがいくつかあります。
肯定側の話聞いていて、なるほどなあと、確かに今の分析なども入っていて解雇規制というのがある種企業の動きを縛っている、それをやめることによってどうもある種雇用が増えるという効果があるのかなあ?という風に思っておったわけですけども、これに対して否定側からいくつかの重要な反論がされているところです。

まぁあのデメリットに関連する話もあるので、まずメリットとの関連でということでいくつか見ていきますと、解決性…というところですか、つまりプランによって本当に雇用が増えるんでしょうか?というところにいくつか反論があった。

まず1つはですね、まず、そもそもこれ新規の産業…っていうんですか?そういうのできるんですかね?というところにツッコミが入る。これは結構重要な指摘でして、実は肯定側はね、そこは戦略で割り切ってたのかもしれないんですけれども、新しい産業ができてそこに人ができる、というような話をしていたというところなんですけれども、本当はですね、今回の解雇規制の緩和というので雇用が増えるんだっていう議論には多分いろんなバリエーションがあって、その主だったものとしてはまさにその新規産業にどんどん行くようになるんだという雇用喪失もあるんでしょうけど、否定側の議論でもちょろっと出てた気がしますけど、要するに簡単に切れるようになると。その分すぐ採ると。で採って辞める、みたいな流動化と言いますけども、そのような側面で、もちろん切られる人も増えるんだけど、採るのも今よりもは緩くなるというような多分影響があって、他の試合でもいくつかそういう議論あったと思いますけど、そういう側面もきっとあると思うんですよね。

で実はOECDのデータなんかも、そういうのももちろん考慮されているだろうと思うんですけども、今回肯定側は「いやいや新規産業ができるのが大事だ」と。「自動車産業だけでは頼りないんで色々つくりましょう」という話にフォーカスしていたところを否定側が「いやいやでも実はそれって新しい事業ができるっていうことを説明してるんですか?」というところでガブッと噛みついた、というところになります。

これに対してですね、いろいろなので資料が読まれていて…っていうことでいろいろ議論を出していましたね。それこそ海外の研究ですね、「実は仕事の創出効果が無いんじゃないか」とか、「解雇規制とあまり関連性がないんだ」という研究がバーっと読まれている。ちょっとここはですね、実は否定側が結構慌ててバーっと読んでいて、あんまりその位置づけも言わずによく調べたなあと思うんですけども、分析をバーっと読まれていたので。多分これ字面で読んでもそんなに簡単じゃないんだと思うんですね。

それをスピーチの中で、特にこういう資料ですと説明があまりない中で連続で畳みかけられてしまったので、もしかしてここは、ジャッジの中で上手く咀嚼できてないところは正直あります。ここはもしかしてもう一枚読まずにきちんと説明した方が多分理解度っていうのは…掛け算した結果の数字はきっと大きかったんだろうなと思って、ここはちょっと落ち着いた方が良かったかもしれない。ただ、反論としてはそういうものがあったな、ということは一応認識はしています。

でこれに対してですね、肯定側はどういうレスポンスをしたかっていう事で言いますと、1つはまず、本当に仕事ができるかどうかっていう話については…あぁすいません、つまり新規採用、新規事業との関係で解雇規制を緩和すると上手くいくのかっていうとこについて、説明として、「アンケートをとってみたらやっぱり42.4%の人っていうのが人手の問題でなかなか上手くいってないんだ」ということを言っていると。撤退する時の問題ですね。撤退しにくさの理由っていうのはやっぱり人を切れないからですよっていうのを言っている。

この反論についてはジャッジによって実は評価が分かれていて、その評価の分かれ方というのが、「立論でこれ言えたんじゃないですか?」っていう評価の人が実はいます。つまり、結局これって否定側から「理由がわからん」って指摘をされていたのでして、わからんって言われたのに理由を追加しますって話で、これ実は最初説明できたわけじゃないですか。ディベートのルールだと、ニュー・アーギュメントというのがありまして、もっと早く、立論で言えることは立論で言いましょうというようなルール、まあざっくり言うとそうなんですけど、その関係でちょっとこれはもっと早く言って欲しかったという風に指摘して、判定で考慮しないというジャッジもいます。

その他まぁ、ただこの反駁考慮しても実は否定側の反論で「いやそれって結局撤退の時の事情であって、こういう要素があれば上手くいくみたいな話はやっぱりできていないじゃないですか」という反論もあって、確かにそうだなと。ここはちょっと確かに肯定側立論から弱いんですね。1個あるのは、静岡のアンケートかなんかで、全部合わせて7割ぐらいが新事業は重要だと思っているって話なんですけど、重要だと思ってるからといって、いける・いきたい・成功するって話とはイコールではくて結構差が離れてますよね。でここで結構苦しいというところで、ここは否定側がポイントを取っているというか、そう簡単に本当に事業ができていくんだろうか?っていうところで1つ議論が削られてるとこがあるでしょう、ということですね。

それから仕事を創出するかどうかっていう話で研究結果があってですね、肯定側、実は他の脚注か何かを読むと、見方によっては「いや仕事はやっぱり増えてるんだ」とか「いや実はあんま関係ないんだ」とかいう議論があって、ここはちょっと水掛け論的な所があって、見方によっては仕事が増えるのかなってことで肯定側の筋を採っても良いのかなと思ったんですけれども(タイマーを止める音)…ここの部分、残りの部分ですね、否定側反駁いろいろ残っていて、ここが最終的にどっちがどっちって決着するのはなかなか難しい状況です。つまり、どういうことかというと、仕事が本当に創出できるのかどうか、それも特に肯定側の言うようなストーリーですよね。新しい事業がどんどんできていくんだということ、どこまで乗っかれるかどうか?ここは否定側の反論が若干粗いというか、未整理のままいくつか並べてたところをジャッジがどこまで評価するかどうか、というところで採られ方が変わってきています。

ただやはり肯定側が最初に所期していたように、本当に解雇規制を緩和することによって新しい事業ができていって上手くいくっていうところは、きっとそこまで採れないかな、というのが多数派だということでございます。

あとですね、後の方で反論がまだありまして、スペインの話なんかもあれですね、このスペインの例というのも色々否定側が説明をしていて、同じような経済時期と失業率を見てやっぱり回復してないじゃないかみたいな指摘なんかされてるんで、ちょっとこれは若干説明がわかりにくかったんですけれども、その前にむしろ否定側が第一反駁で指摘していた「いやこれって要するにリーマンで回復したような影響なんかも入っていて、必ずしも解雇規制との関連性は明らかじゃないんじゃないか。

つまり単にスペインの状況を2つ比べているだけで、本当に解雇規制の結果そうなっているっていう分析にはなってないんじゃないですか?」という指摘があって、確かにそういうことも言えるのかなということで、スペインで上手くいったからといって「よしじゃあ日本でもスペインみたいに行こう」ということにはならんだろうなというのがジャッジの判断となっております。

それからそういう風な形で解決性というところですね。本当に解雇規制を緩和することで上手くいくんだろうか?というところにかなり否定側が激しい攻撃を加えて、それは相当程度有効だったと。もちろん有効性の幅は違うんですけど、そういうような結果になったという次第です。

最後の重要性っていうところでちょっと反論ありましたけども、あんまりこれはまぁそうですね、なんだろう、お互いに多分ひかれたって話なので、それはあんまり試合には影響が無いだろうなと思います。結局メリットがあってデメリットとの比べっこというところになる、ということですね。

<2.2> 論点評価: デメリットの評価


で、デメリットにいってみましょう。お気づきの方もいると思いますけどもう時間が止まっているので(笑)、少し巻くかもしれませんがすみません。
デメリットはですね、どういう話かというと、景気循環みたいなのがあってやはり不況期には当然失業もあるんですけど、解雇規制があることによって不況期でもあまり失業しないようになるんだと。現に日本では外国に比べてもリーマンショックの時の影響というのは低いし、今でも失業率は低いんですけど、アメリカなんかを見てみると失業率は高いし、かつ回復度合いも非常に悪いと。なのでやっぱり解雇規制のある日本の方が良いんじゃないか、というような話をしていたという認識でございます。そのついでにですね、その結果失業自体、なかなか再就職というのは難しいし、あと再就職しても賃金が下がってしまうのでよろしくないですよという分析でした。

これに対してですね、肯定側の反論というのはいくつかあったんですけども、まず1つはやはり大きなストーリーの話をして「そもそも今雇用が守られてるって言っているけれども、肯定側が最初に言ったように今もう企業というのはどんどん栄枯盛衰でつぶれていくかもしれない状態だ」と。「つまり守られてるっていうのは今でしょ」と。「将来どうなるんですか?」という大きな議論をしていたと。

ここについてはですね、もう少し本当は肯定側は丁寧に議論すべきで、やはり私が聞いていて、肯定側の観察の3つ目で言われてた資料っていうのが――オオグチさんの資料っていうんですか?日本ではこれまで配置転換なんかで上手くやってたんですけど、今後はそうでもないんだ、みたいな今そうでもないっていう話をしていて、これって否定側の分析にバッティングしているわけですよね。つまり解雇規制があるので内部で上手く回して首は切りませんみたいな話をしてるわけですけど、それがもう限界だっていう話を本当は肯定側したかったんじゃないかなと思うんですよね。

ただ肯定側は「いや現状で企業がもう危ないです」って話をしていると。ただ本当にそこまでバッタバッタ倒産するのかどうか、それも解雇規制のせいで?…っていう話はちょっと立論からは見当たらないわけですよ。なのでここで、なので現状ってのはもうどうしようもないので暴れていった方が良いみたいな話にはなってなくて、少しここで勝ち…まで行ってないだろうということですね。ここはもう少し肯定側惜しかったところ。ただもちろん肯定側はこれ以外にも戦っているところで、そのあとを見ましょうということですね。

肯定側はですね、着目したのは、確かに、もうちょっと本当はいろいろ反論する…あったかもしれないんですけど、まずそもそも解雇規制のせいで雇用が守られてるとか、あるいは持ち直しっていうんですか?それが早くなってるってことって本当にあるんですか?っていう指摘があって、ここはもっとね、反論して良かったと思うんですよ。まさにこれデータの見方ですよね。単に数字並べてるだけじゃないですかと。要するにリーマンの結果が日本はあんまり出てなかっただけなんじゃないんですか、という議論できたと思うんですよ。

でも、ちょっとこの試合では質疑でも若干聞いてあんまり深められなかったし、その後の反駁で若干言われてたんですけど、もうちょっとこう細かく説明してほしかった。そこがちょっと欠落してたので、あまりだからと言って、まあ全体で見ると疑わしいとこもある、実は否定側説明ちょっと足りないんですよ。足りないんですけれども、まあ確かに解雇規制のおかげで守られている部分があるの、かなあ?というところは残ってしまっている。その上で肯定側が反論であったのが、「いやでも再就職できるから大丈夫です」と。「特に日本ではきちんと実は取ってみると3年もあれば十分です、雇用が回復してますし、あとはOECDの研究でどうも解雇規制を緩和すると長期失業って無くなります。」って話があったりしてると。

なるほど、まあ、わかる。わかるんですが、ここに関しては肯定側のもう1つの前提で「いや仕事も増えるんで」みたいな話をしてて、メリットを前提しちゃってるんですよね。

でそうするとメリットが削られてる分そこの説得力も当然削られる、ということと、あと否定側は一応ミスマッチみたいな話ですね。つまり日本ではなかなかやりたい仕事とある仕事っていうのがちょっとずれてるんで、なかなか簡単に就職できませんという話もあって、そことの関係で説明できてる議論が…ってとこは100%説明できてないわけですよね。

なので実際観察してみると、3年もあれば大丈夫とか、あとはOECDの研究みたいなのもあるんですけども、なんで再就職しやすくなるのか?っていうところの理由が、結局仕事が増えるっていう話になっていて、そこは弱まっていると。に加えて、まあその否定側の話に若干合ってないところがある、あと更に言うならば3年であれば回復するって言うけどじゃあ3年後に就職できりゃいいのかな?っというのもちょっとよくわかんないところがあって、ここはまあ、肯定側の反論も一定程度成功しているものの、否定側の大きな議論を否定するまでには至っていないのかな、という分析になるかと思います。

で、あとは賃金の話があると。
賃金の話についてはこれは肯定側の反論で、「いやいや実は解雇規制が厳しいからその分コスト下げようとして賃金下げてる部分なんでそこは回復するんじゃないか」って話が出てたんですけど、ここに関しては、そういう要素はあるかもしれない、ここはあんまり具体的に反論あんま無かったですけど、ただあんまお金が無いのとあんまりどの程度かわかんないっていうのと、あと何ですかね、解雇規制を緩和するとじゃあその分「わかった、払ってやるか」となるのかどうかもちょっとよくわかんないというのがあって、これも決定的な反論ではないのかな、という風に取っているところです。

ということで、全体的にデメリットですね、まぁ大きさのもちろん程度というのはジャッジによって分かれていますけれども、まあまあ話としてはわかると。ただやはりちょっとですね、ジャッジとしては、このデメリットをじゃあ両手放しで採れるかというと、やはり説明の部分ですね。そもそも前半の部分で、いま解雇規制との関係で雇用が守られてるのか?という説明が、若干弱いんじゃないかと。あと肯定側の反論に対してまあ色々再就職ができるんじゃないか、みたいな話について、丁寧に返してたわけでもないので、「まあそんなに問題じゃないんじゃないか?だって再就職が長い目で見ればできてそうだし」っていうことで、デメリットを大きくは採れないなあというジャッジも当然おり、ここで判断も分かれているということになります。

<2.3> コミュニケーション点ならびに判定結果

長々と色々とお話させていただきまして、本当はですね、まだまだお話ししたいことが沢山あるんです。素晴らしい試合でございました。まだ喋りつくすには至ってないんですけれども、やはりこう見ていってわかるように、本当にいろんな議論があって、それぞれの議論についてお互いの意図が当たった部分とちょっと外れてしまった部分があって、あとはジャッジがちょっとね、追いつけなかった部分なんかもあるんですけれども、やはり総じて見るとですね、お互いに非常にレベルの高い、先の先を読む議論というのができていたと思います。その上で今回判定は実は割れています。

ただその割れっていうのがですね、 本当にもう1歩で本当違ってくるというところですので、接戦は本当に接戦でした。ただその上でですね、勝ち残ったチームには更に素晴らしい議論を次のステージで展開して欲しいですし、残念ながら負けてしまったチームも、これだけの熱戦を展開したという事態は否定できない事実ですので、是非涙を拭いてですね、自分たちを負かせた相手が天下を獲る、その場面を見届けて欲しいなと思います。

では、最後に判定結果です。
あ、コミュニケーション点もありました。
いやこれも重要なんですよ。コミュニケーション点は各ジャッジが5点満点でつけますので全部で言うと75点平均で1つのパートが15点平均ですね。ということで読ませていただきますと

肯定側が
立論:19点
質疑:15点
応答:18点
第一反駁:15点
第二反駁:18点
で、減点なく85点。

否定側
立論:18点
質疑:22点
応答:20点
第一反駁:14点
第二反駁:19点
で、減点なく93点。

否定側の質疑、高いですね。素晴らしいコミュニケーションだったと思います。
ただ全体的に高いコミュニケーションで、非常にですね、議論がちょっと欲張ってたっていうのはあるけども、非常に良好なスピーチだったと個人的には思っております。

さて、いよいよ判定です。勝っても負けても。
ただ、言えることは、両方とも素晴らしい準決勝、まあ決勝に行ってもおかしくない、素晴らしい試合だったということだけは申し述べておきます。

その上で今回の判定は、4対1。
否定側、筑波大学附属駒場高等学校の勝利ということになりました。

~拍手~

観客の皆さん、両チームの健闘を称えてもう一度拍手をお願いします。

第2部 講評者へのインタビュー (編集部)

(編集部 久保)この度は、企画にご協力いただきまして、本当にありがとうございます。天白さんは、過去に決勝主審も経験されておられますが、田中さんと同じく準決勝の主審としての講評判定をお願いさせていただきました。

(講評・判定者 天白)連載は私自身も勉強になっています。とても良い企画だと思っていまして、参加できて嬉しく思います。

(久保)ありがとうございます。そういってもらえると報われます。それでは早速伺っていきたいと思いますが、講評で伝えるべきこととして意識されていることはありますか

(天白)選手の議論をどう受け止めたか、ということを具体的に伝えることが大事だと思っています。取った、取らなかったという結論だけでなく、どの議論が何故説得的だと思ったか、逆にどの議論をどういう理由で低く評価したのか、ということをきちんと伝えるということです。それは選手の納得という点でも重要ですし、選手が議論を改善していくに当たっても欠かせないことです。

また、選手の家族や指導者といった関係者を含む聴衆の方が大勢いらっしゃる場合には、その議論のどこが面白かったのか、どこが素晴らしかったのか、ということも伝えられるといいな、と考えています。少なくない選手は、いくらジャッジに説明されても、なかなか負けたことは受け入れられないものです。そういう選手を励ましてあげられるのは、選手の頑張りを普段から見ている関係者の方だと思うのですね。

大会の順位を左右するような大きな試合で講評する場合には、負けてしまったチームを励ます材料となるような気付きを聴衆に与えるということも目指しています。この準決勝のように素晴らしい熱戦の場合はいくらでも話をすることができるのですが、たとえ発展途上のチームの試合であっても、選手の工夫や悩みどころは見て取れますので、そういった努力の成果を拾い上げることで、聴衆や選手が気づいていないチャームポイントを伝えることができます。判断結果をきちんと説明することに加えて、試合の面白さや選手が頑張った結果を伝えるということも、ジャッジの大切な仕事だと思っています。

(久保)講評・判定で心がけていることは何でしょうか。

(天白)両チームに何か一つは持ち帰ってほしいな、ということを意識しています。どういう構成で講評を進めるかはジャッジによって色々なスタイルがあると思いますが、私は、最初に、その試合で何が良かったのか、何を改善すべきか、というテーマを挙げた上で、両チームの議論を具体例にしながら説明するようにしています。選手は個々の議論の改善に興味があるので、具体例を挙げるようにするのですが、それにとどまらず、論点や論題を超えて適用可能な議論の考え方、視点を身に着けてほしいという思いで、なるべく一般化した話をするようにしています。ただ、こういうことを喋っていると当然長くなるので、運営スタッフからは大変評判がよろしくないですので、メリハリをつけて話すことを心がける必要があるのだとは思います。まだまだできていない部分があるので、心がけているとは言えないかもしれませんが。

 あと、心がけというのとは違いますが、議論を聞いた者としての等身大の目線というか、ディベーターとしての目線で話をしたいということを思っています。もちろん立場があるのである程度言葉は選びますが、ここはよかったね、ここはおかしいよね、難しいところだけど自分が選手だったらどうするかな、といった素直な印象をお話しするようにしています。そういう話し方が楽だということでもあるのですが、自分がディベート甲子園に出場していた時のことを思い出すと、議論に相対する目線の近いジャッジの言葉は受け入れやすかったような気がしているので、そういう話し方をするようにしています。

(久保)最後に、講評・判定スピーチの実施時のご感想や、何かハプニングなどが、ありましたらどうぞ。

(天白)この試合は相当な熱戦だったので、講評をする側も熱が入り、いつも以上に長い講評になってしまいました。スタッフが「巻いてください!」みたいなジェスチャーをしていたと思います。結局30分くらい話してしまい、大変ご迷惑をお掛けしました。話し始める前は時間を守るつもりが一応あるので、ストップウォッチに講評の時間を入れて測っているのですが、動画を見ると分かるとおり、鳴りそうになったので途中で止めてしまいました。まぁこの試合だったら仕方ないよねという気持ちです。

ただ、今回改めて書きおこしを見ると、かなり無駄なことを言っていて、スピーチとしては全く美しくありません。話している途中に言いたいことが出てきて、リソースのことを考えずにどんどん追加しながらやっているのでそういうことになるのですが、選手としてスピーチするときもそんな感じなので、良くも悪くも性格や考え方が出ますね。講評をされるジャッジの皆様にはこれを他山の石にしていただきたいと思います。

 ということで、私の講評の出来がどうかという反省はあるものの、スピーチが進むごとに判断が揺れ動く、悩ましくも見ごたえのある素晴らしい試合でした。そのことを講評の最初に伝えようと話をしたのですが、聴衆の方もそうだよなという感じでうなずかれていて、会場との一体感を感じたことを今でも覚えています。

主審は、肯定側、否定側に続く議論の語り手であり、その語りを通じて、選手の議論をより価値あるものにすることができる立場にあります。主審だからといって難しく考える必要はなく、議論に真剣に向き合い、そして何より議論を楽しもうとする姿勢で試合を聞いて、その結果浮かび上がってきた気持ちを言葉にすれば、自然と伝わるものはあるのではないかと思います。これから先、議論の色々な楽しさを教えてくれる、たくさんの語り手が登場されることを期待しています。


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