教会と光と夏至。
夏至の日は、たまたま海方面へ行っていて、サンミニアートアルモンテ教会のような夏至のスペクタクルが観れるところないか、探してみた。
あったあった!
場所は、バディア・サン・ピエトロ教会。
建立は700年代で、いまの姿は12世紀のもの。
巡礼の路といえば、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路が有名ですが、ローマへ向かう、フランチージェナと呼ばれる巡礼路がイタリアにもあります。
余談ですが、コロナ以降、イタリアは、ちょっとした巡礼路ブーム。数日かけて、巡礼地の一部を歩く人が増えました。
話しを戻すと、巡礼路沿いに建立されたのが、ロマネスク様式の教会。明るい日差しを背に、扉を開け、教会へ一歩足を踏み入れると、そこに宿す光は、窓からの光と、ローソクの光のみ。瞑想的な空間に包まれます。
紫陽花の色調が、ステンドグラスの色合いと似ていたのは偶然なのかしら。色の響きが美しい。
正面玄関を入って、すぐのところにある、マリア様の祠。
祠をよくみると、聖顔布を手にしている天使。
聖顔布は、キリストがゴルゴダの丘を十字架を背負って歩いていた時に、ヴェロニカという女性から差し出されたベールで、汗を拭ったときに、キリストの顔が浮かび上がったもの。
こちらはサイコロ。あまり見かけないモチーフなので、調べてみると、「自由、幸運、勝利」を表すものらしい。
祠の後ろに、ありました、お墓。このお墓から主祭壇まで光の道ができるらしい。
ふむ。ということは、光の道は、この年以降に作られたのか。もしくは、光の道が通るところにお墓が建てられたのか。
文献が残されていないので、想像することしかできない。
そんなことを考えながら、13時50分を待つことに。
主祭壇前に、ぼんやりと光が映っている。けど、なんか違う。
・・・・ 13時50分を過ぎてしまった。
・・・・ なにも起きない。
あの本の記載は間違いだった?
ちょっとした喪失感と脱力感。
気を取り直して、考えてみる。
書籍に表記する時刻は、冬時刻をベースにすることが多い。
夏時刻は1時間遅まります。
気づいてよかった。
本のせいにして、すみませんでした。
気を取り直して、あと1時間、待ちましょう。
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14時15分を過ぎた頃。
主祭壇の手前に、1筋の強い光が。
しばらくすると、もうひとつ。
そして、また、ひとつ。
さらに、お墓にも。
教会には、誰もいない。ミーミーと、セミの鳴き声が、外から聞こえてくる。そのなかを、窓から射し込んだ、まばゆい光が、床を照らしていきます。
14時50分。お墓から主祭壇まで、光の道が現れました。
決まった日の、決まった時刻に、ただ一度だけ現れる、光の道。なんて神秘的。
それからも、陽の光はゆっくりと歩いていき、お墓の中央付近に落ちた光は、少しづつ、足元へと抜けていきます。
暗闇の教会から外に出て、現実の世界に戻ってみると、いまみたものは、まるで、夢物語のよう。
来年の夏至はどこに行きましょうか。
冬至に光が射す教会もあるようです。
最後まで読んでいただきまして、
ありがとうございます!
今回の参考文献はこちらです。
日本のアマゾンでも購入可能のようです。
今後もこの本を参考に、
みなさまに光のスペクタクルへとご案内します。
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