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一週間(詩)

「一週間」

過去と未来が通り過ぎていた。

それは
誰もいないホームで
目の前を
圧倒的に通り過ぎる
長い車両の特急列車。
灰色の光の帯。
轟音。
歪んだ、時間という概念。
まだ、続く。
どこまでも走り過ぎる列車。
影を追うことさえ出来ない。

1日経ち、
2日経ち、
まだまだ列車は走っている。
3日目。
目が慣れてきたのか
窓の輪郭がなんとなく見えてくる
4日目。
人影が見える。
5日目。
乗客の姿がわかってくる。
6日目。
いろんな人々が
思い思いの時間を過ごしている
笑っている。ぼーっとしている。
泣いている。怒っている。
はしゃいでいる。手紙を書いている。
焦っている。緊張している・・。

7日目。
それはすべて自分だとわかる。
自分という現象。

ホームに佇む自分と
列車に乗っている自分。
その隔たりなくなって
ぼんやりとした、丸い造形が浮かび上がった。
それは、心。
きっと、
ほんとうの、心のカタチ。

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