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明け方の雨

明け方、空が少し明るくなって、一瞬雨が降った。

網戸をして窓を全開にしていたので、サーーという雨の音がよく聞こえた。
寝ぼけ眼で「あ、雨だな・・」と想い、空をみたら真っ白だった。

ひとしきり雨は降る。
その音が心地よく、布団で聴いていた。

そして、雨が止んだ。

シーン・・
無音。
あたりは静まり返っている。

世界は「沈黙」している。
それは、柔らかい沈黙だった。
僕は、感動していた。
夢なのか現実なのかわからない、真っ白な空のもと、どこまでも柔らかい沈黙。
静か、というレベルではない。

仏に見られている、と思ったのは幻想か。禅師はこう言う。
「あなたが仏を見る時、仏もまたあなたを見ている」。

怖いくらい沈黙なる夜は経験がある。耳が痛いくらいの沈黙。
あれはそうじゃない。優しさを感じる沈黙。

不思議だった。

そして、息子はまだ寝ている。保育園は休みだろう。

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