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女性写真家イヴァ(Yva)の個性は、ヘルムート・ニュートンに引き継がれた。

写真家イヴァ(Yva)-ペンネーム/エルゼ・ジーモン(Else Ernestine Neulaender-Simon, 1900- 1944 独)

イヴァ(Yva)は、ドイツの女性写真家(ユダヤ人)、ファッション、ヌード、肖像画を独特な手法で撮った。また、映画の手法で複数の露出の画像等で斬新な試みで著名となる。
写真の商業的可能性を切り開いた、最初の写真家の1人として、彼女はワイマール共和国(戦間期のドイツ 1919-1933)の時代にベルリンの著名なファッション、ヌード、肖像画写真家として著名となった。ワイマール時代は、革新的なバウハウスの時代でもある。
それは、女性写真家でありながら、性を革命的な展開として捉えて「女性の身体の形」を被写体としてモダーンに取り扱った。
イヴァの視点は、偉大だ、それは、アシスタントだった、ヘルムート・ニュートンの業績を見ても、その理念が引き継がれている。
そのイヴァ(Yva)のアクティブな時代は、1920-1942年頃までのおおよそ22年間だ。そして、おそらく、44才で亡くなっている。

ナチスが権力を握った時、強制的にレントゲン線技師として働いた。そして、彼女は1942年にゲシュタポに強制送還され、その先は、想像しかできないが、第二次世界大戦中のマイダネク強制収容所で殺害されたのだろう。この文面では、とても語りきれない、、残酷なプロセスと迫害だ。
ただ、1つ言える事は、どんなに有能な人でも、生まれる時代は選べない、と言う事だ。

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         (c)Yva

Else(Yva)-略歴(後半に入ると不明な部分が多くなる・・)
1925年、エルゼ・ジーモンはプロとしてのペンネーム「Yva」として、クアフュルステンダム通り近く(ベルリン)に写真スタジオを設立。
1927年、ベルリンで、モデルを撮影した10枚のヌード等の写真を公開した。これは、当時のファッション雑誌への入口となった。
イヴァ(Yva)は、技術的な構成と共に、モダニズムである前衛的なイメージを表象した。
それポイントは、男性、女性という性を革命的な展開として捉えて「女性の身体の形」を柔軟に強調したと言う事だろう。
このヌードという分野に、女性写真家が参入する事は、当時の一般的な規範に対する挑戦であったであろう。
当時は、男性は芸術家、女性は受動的なモデルだ、と言う流れがあるからだ。
1927年までに、イヴァ(Yva)はファッション、ヌード、肖像画を専門とする事で著名となった。
それは、写真の商業的側面を世間に認識させ、広告で働いた最初の写真家の1人となった。
その広告の1つは、映画のように複数の露出を利用して、夢のようなシュールなイメージを作成する「アモールスキン」という世界もある。
そして、この短期間で、Yvaは革新的な写真の評判を確立した。(雑誌、写真雑誌や定期刊行物への発表)
1929年、「映画と写真」のシュトゥットガルトでの展示。その後、毎年、欧州での発表は多数。
1932年、第1回国際写真芸術国際ビエンナーレ(イタリア-ローマで開催:ビエンナーレ国際芸術祭)
1933年、パリ国際ヌードサロン、「写真における現代の精神」に参加。
同年、ナチスが、ユダヤ人の所有する事業の閉鎖を開始した。
1934年、Yvaはアルフレッド・サイモン(ジーモン 独)結婚する。そして、Yvaの会社のビジネス面を管理するために、それまでの自らのキャリアを捨てざるを得なかった。
1936年、若いアシスタントであるHelmut Neustädterを雇う事になる。彼は、Yvaの影響のもとで、後に著名なファッション写真家ヘルムート・ニュートン(Helmut Newton)となった。
同年、Yvaは、LIFEからの雇用を引き受け、NYに移住を考えた。ただ、夫からは、ドイツに残ることを説得される。
・・・・・・・
1938年、ナチ党の新しい規制により、強制的に写真撮影を禁止された。そのため、スタジオを閉鎖せざるを得なかった。その時から、1942年まで、強制的にベルリンの病院のレントゲン撮影部門でアシスタントとして働かされた。
1942年6月1日、Else(Yva)とAlfred Simonはゲシュタポに逮捕される、6月13日に、Alfred Simonが、マイダネク強制収容所に送られたらしい記録が残されている。Else(Yva)については不明・・・・

・・・生まれる時代は選べない

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       Yva:Else Ernestine Neulaender-Simon



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