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バティック(Batik)とアフリカンワックスプリント

バティック(Batik)とアフリカンワックスプリント

ジャワ更紗

アフリカンワックスプリントはインドネシアのジャワ島に伝わるジャワ更紗に見られる伝統的な染色法「ろうけつ染め」に由来する。

そして、アフリカのワックスプリントの根源は、インドネシアを1800年代に植民地化したオランダによって考案された。

Dutch wax print

その時、ジャワ更紗から、独自のろうけつ染めを採用している。
これは産業革命を遂げたオランダがインドネシアのろうけつ染めを機械化によって、安価に大量生産しようという試みから開発された染色法だ。
世界中で植民地化を推し進めていた当時のオランダは、自らの植民地下に置く、西アフリカ諸国で、ジャワのろうけつ染めの生地が人気を得られた。 これにより、オランダで大量生産した生地を輸出するようになり、市場をダッチ・ワックスプリント(Dutch wax print)と呼ばれるオランダのろうけつ染めがあっという間に占めるようになった。

Printing Process Of African Real Wax Fabric

ファンシー・ファブリック(Fancy fabric)

そして、時代の経過とともに、よりアフリカ諸国に好まれるデザインが採用されるようになり、1900年代にはアフリカ独自の発展がなされた。
それらの生地は、まず、政府高官の正装や、裕福な人々の洋服に使われるようになり、カラーリングも、より洗練されていった。
1960年代になり、アフリカ諸国がヨーロッパ諸国から独立すると、外国からの情報や外貨が流れ込むようになり、これまでは販売されていた生地の生産にコストが掛かるようになる。そこで、より安価な生地の供給をめざして「ろうけつ染め」からデジタルプリントへと移行し、*ファンシーファブリック(Fancy fabric)と呼ばれるアフリカのワックスプリントの新商品を生産するようになった。
(註)*ファンシー・ファブリック:アフリカの衣類が、西洋化していく中で浸透した生産方法。布を身体に巻くような服装から、次第に袖や裾などを縫製する洋服へと服装が変化する中で開発された。 それにより、ワックス・プリントにはなかったドレスのような自由なデザインへと展開されるようになった。

 1950年代のアフリカンワックスプリント生地・布 

1950年代のアフリカンワックスプリント生地・布 

1950年代のアフリカンワックスプリント生地・布 

現在、植民地政策の名残で今もイギリスとオランダのわずか2社がアフリカを拠点に「ろうけつ染め」の生地をわずかながら生産しているが、アフリカのマーケットで出回っている製品のほとんどがこの「ファンシーファブリック」(Fancy fabric)だろう。
この生地の利点は「ろうけつ染め」に比べ、強度があり色が鮮やかだ。こういった点と安価だという理由から人々に受け入れられるようになったと言われる。

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Fancy fabric

・インカ・ショニバレのバティック(ろうけつ染め)の意味

・ろうけつ染めの起源を探る(batik)-東アジア

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