「物語作りからテーマソング作りまで一貫してやってみようと思ってるんですが、どんな物語にしようか悩んでいるんです。」
「なるほどな。研究内容を表現するのであれば多くの人に共感してもらえるような鉄板テーマがいいだろう。ずばり、
・「不当に奪われたものを取り返す」
・「失ったものを取り戻す」
この2つがいいぞ」
「なぜその二つがいいんですか?
他にも多くの魅力的なテーマがありますよね?」
「理由は、
①現代人が直面する自己肯定感の低下と、
②ジェンダーレス化の進展にある。
SNSの普及により他者と自己を比較する機会が増え、また経済的な不安(例えば「老後2000万円問題」)により、自分が社会や人生において「マイナス」の状態からスタートしていると感じる人が多くいる。
これらの背景から、自分の状況を「本来の数値」に戻したいという願望が高まっている。
さらに、ジェンダーレス化の進展も寄与して、従来は女性に限定されていたとされる「本来の素晴らしい自分を取り戻す」という願望が男性にも広がり、これらのテーマがより普遍的な魅力を持つようになっている。
このように、現代人が抱える内面的な葛藤や社会的な変化が、これらのテーマに対する共感と受容を促しているといえるからなんだ。」
「なるほど、納得です。
ところで一つ疑問なのですが、
『従来は女性に限定されていたとされる本来の素晴らしい自分を取り戻すという願望が男性にも広がり』
という部分、これはどういうことなんでしょうか?
これは女性特有の感覚だったということなんですか?考えたこともありませんでした」
「それを理解するにはまず、
女性が持つ願望である「本来の素晴らしい自分を取り戻す」
なぜこれを女性が持っているのかについて、AIに尋ねてみるといいだろう」
これはマーケティングにも利用されている概念で、なかでも『資生堂のTSUBAKI』が、
「日本の女性は美しい」というどストレートなキャッチコピーと黒髪の大物女優を多く起用、人気絶頂だったSMAPの「Dear WOMAN」のどストレートな歌詞で訴求する戦略で一気に拡販したことは例として適切だろう。
私はこれを肯定的に見ていて、さらにこれを裏付けると思っていることがある。
それは「女性作者が描いた少年漫画」だ。
「鬼滅の刃はまさにマイナスをゼロに戻す話ですね。他にもあるんですか?」
「たとえば『女性作者が描くヒットした少年漫画』から
・鬼滅の刃(吾峠 呼世晴)
・鋼の錬金術師(荒川 弘)
・犬夜叉(高橋 留美子)
・D.Gray-man(星野 桂)
を例として挙げよう。
それぞれのあらすじを見てみよう。
「少年漫画に多い『夢を追う』話ではなく 『マイナス』の状態からスタートしていて元に戻す話に共感できる。
この感覚が以前に比べ、さらに世間から受け入れられやすくなったと」
「うむ。このことからテーマ選びに困ったら、
・「不当に奪われたものを取り返す」
・「失ったものを取り戻す」
この二つはとてもおすすめだといえる。
時代によって流行は変わる。
次は『自己実現』や『オンリーワンになる』あたりが来るのではないかと踏んでいるがこればっかりはわからんな。
」
「ありがとうございました。
もしテーマ選びに迷ってこだわりがなければこれらが良さそうですね!
僕もこのテーマにして研究内容を共有してみようと思います。」
「私も犬はもっと素晴らしいはずという気持ちでここまでになったから、このテーマの作品は大好きなんだ。だから楽しみにしているよ。」