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そうだ!東海道五十三次歩いてみよう。(episode6 ご縁の循環)

久しぶりの更新になります。"人"のチカラ。これに再び気付かされた6日目でした。今日で静岡横断編はラスト。では、はじまりはじまり。

5/8早朝起床。僕は静岡県は清水区のネカフェで夜を明かした。隣のブースには深夜バスで駆けつけてくれたゆーなさんがいた。僕はゆーなさんに頼んでいた"モノ"を受け取った。

そう、クロックスだ。こうして僕の足元はホテルのスリッパからみんな大好きクロックスに進化を遂げた。そしてマメだらけの足は持ってきてもらった針で全て水を抜き処置完了。これで準備は整った。

*ここでポイント*
長距離歩行旅をしようとしている方は針と消毒液は必携です。履き慣れた靴でも数百km歩けば、ほぼ間違いなくマメはできます。ご用心を。
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そして僕はゆーなさんとたわいもない話を延々としながら駿河湾沿いをひたすら歩いた。道中では強い浜風に帽子が飛ばされトラックの下敷きになり、泣く泣く手放すという悲しいパプニングもあった。しかしそれでも昨日までの孤独で辛い旅は嘘のように楽しい時間だった。辛さを分かち合える、励ましてくれる人がいる、これだけで人間って頑張れるものなんだなと改めて思った。

そして時間はあっという間に夕方になり、清水区のネカフェから約40km離れた原駅でゆーなさんとはお別れをした。また100ハイの本番で会うことを約束して。わずか数時間、しかも歩くだけの為に深夜バスまで取って駆けつけてくれたことが本当に嬉しかったし、自分も後輩の挑戦を応援してあげる先輩でありたいなと思った。

ここから今日は最後の難関、箱根山の途中の芦ノ湖まで歩く予定だった。しかし1人になって待ち受けていたのは土砂降りだった。それでも負けじと沼津市を通過。しかしここで何かヤバいと感じた。足の痛みではない、それは全身を襲う寒気だった。これは熱がでると本能的に感じた。そのため箱根アタック前に一軒のラーメン屋さんに暖をとりに転がりこんだ。

ラーメン特盛.ライス付き。僕の冷えた体に温かいスープはゆっくりと染み込んでいった。しかし体調はよくならない。この状態での箱根アタックは危険だと感じ、店の端っこで閉店まで寝かせてもらえないか店長に直談判をした。ずぶ濡れでみすぼらしい格好だったからなのか、僕の"東海道五十三次ハイク"のボードに興味があったのかはわからないが店長は二つ返事でOKしてくれた。そして、

「おーい、起きろお!閉店するよ!」

この声で僕は目覚めた。実は店はとっくに閉店していて締め作業も終わっている様だった。そこからは店長と従業員さん2人の計3人と京都から歩いてきたことや自分が早稲田生であることなど色々な話をした。店長が早稲田出身の方と大の仲良しだったり、奥さんの実家が僕の最寄駅と一緒だったりとひたすらに話は盛り上がった。

気づけば夜中の12時をまわっていた。この近くにネカフェがあるからそこに今夜は泊まりなと丁寧に道を教えてくれた。「車で送っていってやりたいけど、それだとお前納得いかないだろ笑」とすっかりこの時には僕の旅のことを理解してくれていた。そして別れ際に、傘とスポーツドリンクを貰った。すると奥の方にいた1人の店員さんが「ちょっと待って」と言う。

そして手渡されたものは諭吉さんだった。「お前みたいな挑戦を俺もしたかったよ、少しの足しにしかならないかもだけど、これで頑張れ。絶対歩き切れよ。恩返しはお前が完歩してまたここに食べに来ることだ!」と笑顔で言われ、涙が溢れた。

こうして僕はラーメン屋さんと別れを告げ、翌日の最難関箱根アタックに備えるのであった。

5/8 6日目
静岡県(清水区)-静岡県(三島市)=51km
通算歩行距離 380km

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体が冷えてなかったら入らなかったラーメン屋さん。店主に話しかけなければ知ることもなかった、沢山の共通点。この偶然の出会いが僕の体だけでなく、心まであったかくしてくれた。きっと何かのご縁があったんだ。僕はそう思っている。

そしてご縁は新たなご縁を引き寄せる

と信じている。

生きていれば出会いは数え切れない程ある。その出会いを、チャンスを掴み取れるかは自分の心次第だと思う。一つ一つの出会いを大切にしていこうと改めて感じた夜だった。ありがとうラーメン屋さん。卒業までに食べに行きます。

次回.episode7 「歩みをとめるな!」


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