不幸の比較

8月の自殺者は昨年より増加している。
最近は芸能人の訃報が続き、
どうして幸せそうなあの人が・・・
という声も聞く。

一因として、
周りに相談しにくい雰囲気があるのではと感じたので
思ったことを書いてみる。


悩みは比較するものなのか

幸せは人と比較してはいけない、というのはよく聞くけれど
不幸は人と比較してはいけない、というのはあまり聞かない気がする。

”不幸”というと極端だが、
”幸せ”と感じていたとしても、
大なり小なり悩み事は誰にでもあると思う。

でも、ある程度幸せだと自分でも思っている人が
”自分の悩み”を周りと比べてしまうと、

悩みがあるのは自分だけじゃないし、
自分より大変な人はもっとたくさんいる。
同じ状況でもあの人はちゃんとできている。

もっと言えば戦時中や大昔に比べたら、
今の日本は環境的は全く恵まれている。

さらにコロナ禍の中、辛いの自分だけではなく世界中全員だ。

そう思うと、自分が辛いと思っていることがあっても
なかなか周りに言い出せないのではないか。
周りも苦しい中、人に頼るくらいなら自分がいなくなった方がいいと、
自分よりも周りのことを考える人は、
思い詰めた時、特にそう感じてしまうのではないだろうか。

悪を責める雰囲気

山口達也氏のニュースで、
”周りも大変だということを考えて欲しかった”
というコメントがあった。

私は山口達也氏の現在の状況を知らないので、現実の話はわからないが、
彼が本当に”周りのことがどうでもいい”わけでなかったら、
脳のコントロールが効かない、アルコール依存症だろうし、
”周りが大変”ということがもう配慮できない状況なのではないかと思った。

ニュースは依存症のことに触れる人はあまりなく
一様に責める論調だった。

もちろん飲酒運転は許されないし、
けが人がいなかったから良かったものの、
もし自分の家族が被害者になっていたら、
冷静では絶対にいられない。

でも部外者が詳しい事情を知らずに、一様に責める雰囲気は
苦しいと思っている、自分より周りの人を大切にする人にとって
とても息苦しいものなんじゃないだろうか。

私は自死すれば迷惑をかけるということは
頭ではわかっているので、自殺しようとは思わない。
でも人より要領が悪く、気分の浮き沈みが大きいので、
こんなに自分の気分で周りに迷惑をかけるなら、
自分がいなくなった方がいいのではと考えたことはある。
産後は特に酷かった。

人より恵まれた環境だったし自分でも幸せだと思っていたので、
悩みが外に出しにくかった。
ある日突然涙が止まらなくなる日があって、あー自分で解決できるように、頼るなり手を打たないと、逆にまた迷惑をかけるな、と感じた。

幸せであったら悩みがゼロ、ではないと思う。
ちょっと辛いと思うことはあるけど、私は大丈夫、だけでなく、
ため込まず、1度立ち止まって何が辛いのか考える時間は大切なのではないだろうか。


頼ることが難しい中で

自分の中で辛いことが分かっても
そもそも上手に頼るのは本当に難しくて、
このコロナ禍だと余計、他人に頼りすぎると確かに負担になることもあるだろうし
勇気を出して相談をし、拒絶された時のショックというのはかなり大きい。

ただ100%寄りかかるのでなければ
基本的に人は頼られることが好きな生き物だと思う。
頼られずにその人がいなくなったら、絶対にあとで後悔する。
相談することは人のためになることもある。

それとなく相談してみたら
もしかしたら周りの人も同じことを思っていたり、
解決策の1つが見つかったりするのかもしれない。
拒絶されても、自分が拒絶されたわけではなく
タイミングがわるかったんだ、と考えるようにしたい。

サンデージャポンで太田さんが、
”生死というテーマを考えてことがない人はいないわけで、
それこそ昔の人も悩んでいた。そういう人の本を読んだりすることで
見えるものがあるかもしれない”(うろ覚えですが)
と、伝えていたのが印象的だった。

本に迷惑をかけることはない。
”読書”というのも、大きな力になるんだなと思った。

周りも大変な状況で寄りかかりづらい時は
有料のカウンセリングや、自助グループなら相談しやすいのではと思い
とりあえず私はみんチャレに登録してみた。
https://minchalle.com
有料や助け合いなら気兼ねする必要もないので、大変な状況のときは利用してみたい。


そうやって力をかりたら 次は相手が困ってる時 お前が力をかしてやればいい 世界って そうやってまわってるんだ一人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ でないと実は誰もお前にも頼れないんだ 三月のライオン3巻chapter32

昔、小学校来の友達が、
そうやって頼らないと、私たちも頼みにくいんだよ!
と言って結婚式二次会の幹事をやってくれたことを思い出す。
あ〜すごい友達だなぁと思ったことを覚えている。

頼る、というもののバランスが私もまだ分からない中、
子どもにはどうやって教えていくべきなのか悩む。
答えは1つではないので、自分なりに考えて過ごしていきたい。


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