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ファイナンス×社会貢献の未来 #おすすめ本①

こんにちは!ARUN Seedでインターンをしています修士1年工藤です。
学生の皆さんは、夏休みも始まってひと段落した頃でしょうか?
せっかく時間のある期間だから、みんなで本を読んで勉強しよう!
ということで、今週から社会的投資に関わる本をご紹介します。

インパクト投資や国際協力、ソーシャルビジネスに興味があって、この夏、調べてみたい」という学生の方、ぜひ参考にしてみてください!!

『CFOポリシー: 財務・非財務戦略による価値創造』

概要
 米国上場企業において、株価の構成要素8割は目に見えない資産の価値であると言われる中、非財務資本のマネジメント・戦略はますます重要になっている。この本は、近年話題になっているESGや非財務情報が、企業価値(株価指標)と正の相関関係があることを実証し、ファイナンス理論に基づいた継続企業としての社会貢献活動を提唱する。
 前半では、日本企業のコーポレートガバナンス及び、金融リテラシー向上の必要性を述べ、企業が永続して経営するためには、ファイナンス理論に基づいた価値創造が必須であると強調している。
 後半では、エーザイ株式会社の企業情報を用いて、実際に人的資本・知的資本・自然資本が、企業価値にプラスに影響していることを実証的に証明している。
著者 柳良平氏のアカデミックのバックグラウンドとエーザイCFOとしてのご経験から、理論・実務の双方の視点で、企業価値の向上に必須となる「ファイナンスと社会貢献」を学べる1冊だ。

CSR活動は企業価値に関連するのか?<製薬業の例>

 大企業のCSR活動(Corporate Social Responsibility)は、社会的に求められている活動・義務である一方、企業のファイナンス・会計の指標には繋がらないと考えている方が多いのではないでしょうか?
 ここで、製薬業を例に「貧困国で流行する感染症対策の薬を、途上国で製造し、無料で配布する」というプログラムを行う場合を考えてみます。
もちろん、無料で配るのだから利益はゼロ。製造・配布する分だけコストが発生する赤字プログラムになってしまいます。
では、数十年後、このプログラムはどのような社会的影響を及ぼしているでしょうか。
例えば、薬を配布した途上国。その薬は、ブランド力の確立に大きく貢献するでしょう。また、配布する薬の製造に伴うナレッジの蓄積。品質の高い薬を作れる優秀な人材を途上国で育成できたことで、地域社会にも貢献しているでしょう。
この培った土壌を用いて、「新たな薬剤を途上国で製造し、貧困国で販売する」という次のビジネスチャンスが掴めます。

 このように短期目線では利益にならないと捉えられるCSR活動も、超長期目線では多大な社会への良いインパクトをもたらし、それは最終的に自社の企業価値向上に繋がる投資となるポテンシャルが秘められています。

社会へのインパクトが数値化される!? <インパクト加重会計の未来>

 インパクトレポートや、統合報告書で、財務情報以外の企業が社会に与えたインパクトを開示する流れが、ますます盛んになっています。
 各々の開示するインパクトを数値化して比較・評価を簡単にするものが、インパクト加重会計です。

現在、雇用製品環境の3つの視点から、企業が社会に与えた影響を数値化するルールが公表されています。
「環境負荷の高い業界はどこか?」
「同業他社2社のうち、より良いインパクトを製品から作り出しているのはどちらか?」という今まで客観的に判断することが難しかった問いに対して、簡単に答えが出せる世界がもう始まってきています。
特に、私が注目しているのは雇用インパクト会計です。
賃金の支払われ方、雇用の機会と昇進の平等性、多様性、福利厚生などヒトに関わるインパクトの数値化を多くの企業が取り入れるようになれば、企業価値の判定への活用はもちろん、自分の働きたい企業を雇用インパクトで探す・選ぶという時代が来るかもしれないですね!笑

この記事を通して、ファイナンス×社会貢献に興味を持って頂けた方、ぜひこの夏に読んでみてください!
そして、NPOとして社会的投資に携わるARUN Seedでは、学生インターンを募集しています。
学びを実践する場として、インターンに挑戦してみませんか?
ぜひ、お気軽にお声がけください!!

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