見出し画像

「ふしぎな夜のはなし」について

先日公開したアニメーション「ふしぎな夜のはなし」
セリフなしでボーダレスで楽しんでいただける内容になっていて、おはなしの解釈はご覧になった方がそれぞれしたくださったらいいかな~と思っていますが、すこしだけ製作者としての解説をしていこうかなと思います。


ストーリー

あるわんこと友だちのブル丸がある夜、お祭りにやってきました。二人とも甚平風(作務衣?)を着ていてお祭りを楽しむ気満々です。

露店の射的に挑戦。でもなんかおかしいです。
ここで、もうすでにワンダーランドに入っていたのかも。
(もしくは、ぬいぐるみに交じってリアルネズミさんがいたのか?)
でもあるわんこはゲットできなかったことがショックでそのおかしさを気にしてない感じ(笑)

お面をかぶったTORAという名前のネコの子供に会います。
TORAが保護者とはぐられたと思い、あるわんことブル丸は一緒に探してあげます。でも普通の迷子と違ってTORAはすごく不愛想。

TORAが金魚すくいに興味を持ったのであるわんことブル丸は一緒に金魚すくいに付き合います。(きっとブル丸のおごり。)
TORAは金魚すくいの名人、というより食い気がすごくて気合が入っていたのかも?

ブル丸はお団子をTORAにあげます。(ここもブル丸のおごり。あるわんこは出さんのかい?)
TORAは金魚が食べたかったけど、しぶしぶ食べてみた団子がすごくおいしかったみたい。

さっさと先に歩いて行ってしまうTORAをおいかけていくと、お祭り会場を出て森に入って行ってしまいます。
少し不穏な感じ・・・

辿り着くと、そこにはお墓が。

ブル丸はTORAが大好きだった団子を買ってきてお供えしてあげます。

置き土産の金魚を二人で持ち帰ります。
森から帰る途中、一匹のネコが二人を見送っていました。

ストーリーに込めた思い

お話はシンプルで分かりやすく、ちょっとコメディありホラーに行くのかと思ったらちょっとしんみりしちゃう内容です。

TORAはお盆の季節にこの世界に遊びに来たんですね。
賑やかなお祭り会場に来たけど、だれも相手にしてくれなかったところをあるわんことブル丸が気にかけてくれました。
金魚すくいの相手をしてくれたり、美味しいお団子をくれたり、TORAにとって二人は新しい友だちでした。
不器用な子なので感謝の気持ちを伝えることが出来なかったけど、自分の存在を知ってもらいたくてお墓迄案内したんですね。
あるわんこもブル丸もお墓をみて怖がったりびっくりすることがなかったのは、もしかしたらTORAはお空からやって来た子なんだってうすうす感づいていたのかもしれないし、こういう季節なので一緒に遊んであげたいなって思ったのかもしれない。

お盆の季節ってなくなった家族やご先祖様が帰ってくる時期ですよね。
そこには怖いとか恐ろしいというよりも、会いたかった人だったら嬉しい感情の方が強いのかもしれません。
あるわんこもブル丸も、もしかしたら過去に大事な友だちを失ったことがあるのかもしれない。だからTORAに優しくできたのかもしれません。

最近、世の中が荒れているというか、不穏な事件が多かったり詐欺まがいの出来事やデマやヘイトなどをネットでも目にすることが多いですが、それでも人と人とのかかわり合いはすごく大事で、出来る限り私は関わった人を信頼していきたいなあと思っています。
現実はそうもいかないことも多々ありますし、自分が思っていることとは違うふうに捉えられて辛いなあと思う事もあります。きっと皆さんもそういう事ってありますよね。
でもやっぱり世界は優しさでできているものなんだって信じたいと思っています。
あるわんこに描いている世界は私の理想とする世界なのかもしれないです。
私が描くアニメーションには、現代でもてはやされているようなショッキングで刺激的なストーリーはなにもないです。また最後はほっこりハッピーエンドで終わらせたいなあと思っています。
個人的には刺激的な映画が大好き。ホラーも大好きなのでエンターテイメントとして将来的に何かのカタチで創作してみたい気がしますが、今はそれよりも自分の気持ちに正直に、理想とする優しい世界を描いていきたいなあと思っています。

今後も目標は月単位で新作をアップできるよう描いていきたいと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?